そらマメさん道路局

道路関係と、一部の公共交通の話・郵便局めぐりなどがメイン。

琴浦さん

 かつて、琴浦さんという番組が上映されていた。人の心が読める琴浦春香と、その周辺の人たちによる日常を描いた作品である(但し、中身はブラックユーモアとエロが入り交じる。評判は【お察し下さい】)

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人の心が読めるが故に、ストレートに物事言って他人を傷つけてきた。

 その最中に鳥取県東伯郡琴浦町琴浦さんに目をつけて、地域おこしとしてのキャラクターとして利用できないかという話になり、作品とは直接的には無関係であるにも関わらず琴浦町の住人」扱いで様々なコラボレーション展開が行われた琴浦さんの由来自体は琴浦町から来ている)

 原作版の琴浦さんが2012年、アニメ版の琴浦さんが2013年に上映されたため、随分と時間は経過しており、もはや「過去の話」になっているものの、山陰道琴浦PA(道の駅琴の浦)に出向くと、琴浦町に住み着く琴浦さんのことを情報案内所などを通じて引き出すことが出来る。

 自治体主導で発行された琴浦さん名刺を購入したが、さすがに琴浦春香さんのぬいぐるみまでは無かった。一方ではスナックコーナーなどで当時の4コマ漫画を確認できるなど、昔はそうだったという面影を見ることはできる。

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名刺セット(500円)

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一応、ミステリーハンター編では「琴浦町から命名した」という話にはなっている。

 同じ東伯郡の住人と化している江戸川コナン君や、逆に境港市内をうろついているゲゲゲの鬼太郎(妖怪たち)のソレと比べれば知名度は微妙だが、今でも琴浦町の住人として、彼女を含めたESP研究会のメンバーたちは町内のどこかを彷徨っているのかもしれない。

「法律上はそういう規定は無いけど、昔は高速道路の運営上、あっても良かったレガシーなもの」を考えてみた。

 高速道路上のカントリーサイン(うるおい標識)が撤去される理由がある程度分かったようで、この問題も終息に向かう方針である。

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うるおい標識は、昔のレガシーと化している。

 表題にもある通り、カントリーサインが過去の遺産と化している状況で、現代社会において高速道路の運営上、不要とされるものは何か考えてみたが、多分、ハイウェイラジオだと考える

 昔は遠方で事故が発生した場合、情報伝達手段がラジオを受信するか、直近の交通情報板を見るぐらいしか手段がなく、現場に辿り着かないと状況が把握できなかった。これを少しでも改善するため、特定の線区にコイルを巻き、そこから微弱な電波を発信することで情報伝達を送るラジオ放送システムが開発された。

 スマートフォンが普及した現在では、4G・5G回線を活用して瞬時に道路状況をチェック出来るし、渋滞情報の確認もGoogleマップの混雑状況を使えば、官製のナビ機能を使わずとも1分単位で状況が変化する。

 一方、ハイウェイラジオは、たとえ道路施設であるにしても情報提供に電波を送信する仕組み上、総務省に放送免許の申請・届出・更新が必要になることや、短距離であるにしてもコイルのメンテナンスなどが必要になり、その分がコストとしてのし上がってしまう。交通量が多い東名・名神東北道・関越道沿線の場合はハイウェイラジオの設置間隔が極端に短い所もあるため、NEXCO各社にすれば、これも「遠い過去の遺産」と捉えるのは、割と自然ではないかと見ている。

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ハイウェイラジオがあるにしても、そもそも1,620KHzに合わせようとしないし……。

 昔であればジングルの部分にJH公式曲「風のいるナビシート」のイントロ部分を流し、その上でJHからの交通情報を機械的に発信するなどして、ドライバーを楽しませる仕組みが盛り込まれていた。しかし、最近は出力数が大幅にダウンしてしまい、基山PA近くのハイラジも大音量に設定してもマトモに受信できない(音声がショボショボにしか聞こえない)。

 それを思うと、今はスマートフォンなどで交通情報を収集するサービスを提供しつつ、一方ではスマホが使い切れない人に対するユニバーサルサービスの一環で導入しているハイラジも、次の放送免許更新の時に見直しして、スマホで直接情報収集をお願いしてもらう流れになっていくのではないだろうか

 利便性向上と引き換えに、何らかのサービスが失われる光景が続いているモノの、まあ、コレも諸行無常と考えれば仕方のないことだろうと思う。

【作者が考える「今の時代にはレガシーなもの」】

  • カントリーサイン(うるおい標識)
    ※全廃とはせず、最低でも県境部だけは文字列標識のみ残して欲しい。
  • ハイウェイラジオ
  • AM・FMラジオ周波数標識
  • 高速道路開通記念碑
  • インフォメーションコーナー・ハイウェイコンシェルジュ
    JRグループのアシストマルスみどりの券売機プラス・話せる券売機・ど~ぞ)などに見られる遠隔対応に変更。
  • 給水サービス
    ※インフォメーションの隣にある無料のお茶コーナー。NEXCO各社がペットボトル入りのミネラルウォーターを100円で売ってるのに?
  • レストランとスナックコーナーが分離している
  • トレーラー車専用マス(大型車との区別が殆ど無くなっているため)
  • 毎月更新される高速道路地図の無料頒布
  • ぜんぶコンクリート舗装
  • 蛍光灯が内蔵された標識
  • トンネル内の無意味な車線変更規制
  • 実際の旅行速度を無視した、過剰な速度規制 ……など。
諸行無常を生きる (角川oneテーマ21)

諸行無常を生きる (角川oneテーマ21)

 

山陰道(鳥取県・島根県出雲地方)を走ってみた

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「GoTo山陰ドライブ」を計画したが、肝心の観光地へは行かずに「いつものパターン」となって終了。

 「GoTo山陰」と勝手なタイトルで1泊2日のハイウェイドライブを楽しんできた。今回は山陰道米子道・松江道(実質、新規扱い)・鳥取道の4路線を抑えており、ゆっくりと時間を掛けて山陰の高速道路レポートを書き上げていくつもり(旅行工程に関しては、後日、改めてご説明します)。

 山陰道レポートに必要な取材は、途中のサービスエリアや道の駅も含め、全て取材済みとなっており、そこでしか手に入らない道の駅きっぷや道の駅スタンプ類も、一応、全部抑えている。で、この区間の高速道路レポートはどうしようかなと思ったのだが、普通に鳥取西道路から進んでも面白くないと思ったため、ココは「山陰道の歴史を司る」という理由で、

 この順番で行きたいと思っている。本当は島根県石見地方の新規路線も走りたかったが、飛び地開通で時間が読めないなどの理由で断念。その部分は日を改めてガッツリと攻略したい。

やはり暫定2車線は厳しい

 山陰道鳥取県区間は、昨年の8月に鳥取西道路(鳥取西IC~青谷IC)が開通し、いわゆる鳥取県庁や砂丘鳥取砂丘コナン空港などが立地する「因幡地域」と、その中間点に位置する「中部地域」との連絡に対し、大幅な時短となった。旧道は日本海沿いを走る癖のある生活道路であることから山陰道を利用する客層が大変多く、所々で旅行速度が極端に遅くなることもあった。

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みんな高速道路を使いすぎ……

 広域輸送の視点から考えれば、建前上は国道9号のバイパス道路であるにしても、実際には高速自動車国道に昇格することを前提とした高速道路であるに変わりはない。もちろん、山陰の経済情勢や所得面での格差などもあるため、一概に渋滞を瀬戸内海沿い・京阪神地区などと比較できないものの、さすがに鳥取~出雲の開通が今年で30年以上になった現在では、一部有料というのはハンデとして考えるには、あまりに不公平だと思う。

 ココは一つ、4車線化を理由に山陰道利用客からも料金を徴収する有料道路に転換し、そのプロセスの中で正式に高速自動車国道としての山陰道にアップグレードする必要があると考える。山陰の経済事情に配慮し、南側を走る中国道山陽道よりも大幅に基本通行料を引き下げた上で、生活道路と広域輸送を出来るだけ分離させる取り組みも求められるのでは無いだろうか。

米子道路・松江道路に、正式な「山陰道」を誘致して欲しい

 上述の視点から、元々が一般道路のバイパスとして開通した米子道路(米子~米子西)・松江道路(東出雲~玉造)に関しても、道幅が極端に狭いことや有料道路を想定した造りになっていないこと、片側2車線の整備も米子道路では進捗が遅く、いつまで経っても渋滞が解消されないといった課題がある。

 現道活用としての国道9号バイパスは引き続き無料で構わないが、米子道路・松江道路も高速道路の並行路線という法律上の考えがある以上、いつかはどこかに「高速自動車国道としての山陰道」を別途作るという建前がある。

 いかがですか?米子東IC~安来ICまでと、東出雲IC~玉造本線料金所の部分は、高速自動車国道としての山陰道を別線として建設し、ダブルネットワークの構築に役立てるという発想。私は勝手に応援してる(謎)。

(余談)道の駅はわい

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定番&お約束とも言える「アロハ~」

 道の駅はわいで「アロハー!」と叫ぶ。……ただ、コレをやりたいだけが故に山陰道を走ってみたい!と考えていた。無事に達成できて良かったです()

【速報】 2020年お盆の渋滞、大爆死

corp.w-nexco.co.jp COVID19感染を恐れた結果、お盆休みの移動を控えるドライバーが目立ったという。その証拠に、お約束とも言える例の渋滞発生ポイントが、今年は渋滞が殆ど起こらずにスイスイ移動できた。

渋滞の距離よりも、どこで渋滞が起きるのかが大事

autoc-one.jp これが意味することは、たとえ優れた渋滞予報士がいたとしても、過去のデータが無ければ渋滞の距離を出すのは不可能ということ。

 渋滞を事前に予測するのは大変困難である所だろう。「お約束」と言える場所での渋滞は仕方ないとして、それ以外の場所で様々な要因が重なって渋滞が起きる以上、何キロの混雑が見込まれるといった予想は見直したがいいのでは?

 それよりも渋滞が起きる可能性のある線区を、5段階で案内し、その線区ではどの時間帯であっても渋滞のリスクがあることを伝える仕組みの方が分かりやすい。で、実際に渋滞が起きてるかどうかは、官公庁であればNEXCO公式の「アイハイウェイ」「ドライブトラフィック」、日本道路交通情報センター(JARTIC)の情報、民間であればGoogleマップなどのスマートフォンアプリで配信されている情報から確認し、各自の責任で判断する。この方が気象条件・特別条件などに左右されにくい。

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5段階表示にし、NHK・民放・ネットなどで情報伝達をする時の目安にすることで、渋滞の回避を各自で検討して戴くと。

 今年のお盆はCOVID19蔓延に伴う移動の自主判断が示されている。定番となっている例のあの場所でどれだけ渋滞しようが、渋滞距離などは見当が付かないという理由でノーカウント。また、サービスエリアなどでのお買い物も、COVID19感染リスクを恐れて必要最小限のショッピングや昼食で済ませる傾向になっているようだ。

 ただ、こうした状況下でも、「GW・お盆・年末年始の時になると絶対に出てくる "SA・PAグルメ&ショッピングを楽しむ芸人" "高速道路にムッチャ詳しい人がテレビで雑学披露" "煽り運転・ヘンな運転をするドライバーのドラレコ告発"」など、お約束な光景は例年通りになりそうだ。

カントリーサインのシンプル化

 カントリーサイン都道府県・市町村境標識、101・102-A・102-B)がシンプルになっているのが許さない、という声がチラホラあるが、別に私は文字列だけでもいいと思う

 この手の標識が廃止、あるいは簡素化されている理由としては、カーナビなどの位置情報サービスが充実化し、都府県境・市区町村境標識を載せずとも、ある程度の地理が分かるようになったことが挙げられる(そもそも運転してる最中は、通過自治体の情報などどうだっていいのである)。加えてイラストが載った標識は、老朽化して交換となった時の費用が高く付くため、NEXCO各社にしてみれば負担増を回避するための政策を採っているだけに過ぎない。

 いっそのこと、NEXCO3社共通の設計要領のなかで「イラスト入りの標識は、各自治体が負担金を出すのであれば継続・新規製作、そうでなければ文字列のみで対処」と明文化するのもいいだろう(各管理事務所ごとに対応だと、カントリーサインを排除するなという声も重なってアヤフヤになる)

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県境案内があるだけでもマシですよ……

 ところで、この前の中国道ドライブでは、殆どの場所でイラスト標識が排除されていた。元々、交通量が少ない路線であることに加え、無意味なイラスト案内をするよりも出来るだけシンプルに伝え、最も危険と思わしき場所でも複雑化しないように注意喚起を促すよう、現実的な対処をしたと見ている。

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七塚原SAにあった「怖い標識」も、上記のようにトラウマに感じるドライバーが存在したからでは?

 受け止め方は人それぞれだが、自分の願望が必ずしも道路管理者に届くとは限らないことだけは理解した方がいい。私としてはカントリーサインの更新よりも、可読出来ないキロポストが未だに放置されていることの方が問題だと思うのだが(事故や故障が起きた時に、道路管制室に情報を伝えるのに必要だから)

坂本・鮎帰臨時インターチェンジ

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 九州豪雨の影響で国道219号が壊滅的被害を受けているため、流域にある八代市坂本町の住民が八代・人吉市街に向えないという問題が起きている。

 これを解消するため、当面の間、八代IC⇔坂本PA・鮎帰BSに限定して、当該住民が限定的に九州道で迂回できる特例措置が設けられている。予め、被災地に住んでいることを証明する書類などを所持した上で、八代IC内にある料金所事務室で通行許可書を発行してもらう(通行の方法が通常と異なるため、係員の指示に従うこと)

臨時インター一覧

坂本PA臨時インターチェンジ

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下り(鹿児島・宮崎方面)は出口のみ。緊急開口の先は非常に狭い。

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上り(熊本・福岡方面)は、同じ緊急開口を活用して出入りを行う。

 坂本PAが開業した際、何かあった時に緊急で一般道路に逃げられるように用意された「緊急開口部」を活用し、通行許可書を所持している住民のみ、臨時インターから出入りが出来る。あくまでも緊急・臨時扱いなので、接続先のアクセス道路など一切考慮されておらず、上り線(八代市街・熊本・福岡方面)は同一の緊急開口部を活用して出入りが出来るが、下り線(人吉市街・鹿児島・宮崎方面)は地形の性格上、出口しか利用できない。

鮎帰臨時インターチェンジ

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従来の鮎帰BSを活用。

 肥後トンネルの直前にある鮎帰BS付近の緊急開口部を活用し、そこで通行許可証を持った住民のみ、人吉市街との行き来に限定する形で運用。九州道からは全く風景が見えないが、地上部には相応の集落が広がっているため、臨時扱いでも人吉市街へ最短で連絡できるというメリットは大きい。

 鮎帰臨時ICからは八代市街へ向えないため、そこへ向かう場合は坂本PA臨時ICを使う。

山江SA緊急開口部

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山江SA緊急開口部。人吉ICでは渋滞するため、ココを使って運搬車両を通す。

 地元民は利用できないが、緊急車両や災害復旧を理由とした作業運搬車両に関しては、山江SAに設けられた緊急開口部を活用して、球磨郡東部・人吉市街へ抜けられる。

その他の特記事項

  • 生活支援を理由に、八代IC⇔人吉ICの行き来のみ、車種問わずに無料で通行できる。
  • ボランティア活動を理由に人吉へ向かう場合は、混雑が予想される人吉ICではなく、その先の人吉球磨SICから出入りすることを推奨していた。
  • 肥後トンネルは6kmを超える大物であるため、危険物積載車両の通行が禁止されている。しかし、迂回路の国道219号がメチャクチャになっていることから、先頭車両をNEXCO西日本のパトロールカーが先導する形で特例で通行不問と処している。普段、山江SAへは燃料をどう持ち運んでいるのだろうか?(謎)

スマートICを誘致できないものか?

 あくまでも臨時インターなので、国道219号の仮回復が完了次第、緊急開口部は閉鎖されて元の姿に戻される。ただ、1区間の距離が38kmを超える門外漢な場所である反面、道中には一定の集落が存在することから、今後の災害時でも安心できる環境が求められる。

 となると、近い将来に坂本PA・山江SA・一部のバス停にスマートICを誘致しようという話が出てきても、おかしくはない。特に旧・坂本町へのアクセスは九州道からだと非常に不便であり、山江村に関しても人吉市街に近い人吉ICからでは遠回り感がある。この辺、どうなるか今後様子見ということで。

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坂本PA付近の集落。何となくスマートICを誘致できそうじゃない?

 写真には無いが、人吉市内は未だにガレキが散乱している所があり、道路も土砂による汚れや砂塵が舞っていた。後片付けにおわれている住宅も数多く見かけて、復旧大変そうだなぁ……と想像を絶する光景を客観的に見ていた。

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八代市球磨川。こんな所まで水が来ていたなんて、チョッとドン引き。