そらマメさん道路局

道路関係と、一部の公共交通の話・郵便局めぐりなどがメイン。

国道500号 小石原川ダム付け替え道路

soramameroad.hatenablog.jpwww.pref.fukuoka.lg.jp

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 小石原川ダムの工事に伴い、江川ダムの東側にあった国道500号の通行止めが6月30日を以て解消された。付け替え道路は旧道の南側に旋回するように整備されている。

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起点となる朝倉市江川地区と東峰村小石原地区との境界付近。

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序盤こそは旧道の経路を一部踏襲するが、ダム湖に入ると完全な新線に強制誘導される。

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付け替え道路はトンネルを除いて、ダム湖の山肌に沿った経路を辿る。
コンスタントに急カーブがあり、走行は少し難。

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ダム管理事務所から西側は厳しい急傾斜の坂が続く。

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江川東部トンネル付近で旧道と合流。

 旧道も残されており、バイパスの西側にある不自然な交差点を曲がると放水口の方に到達する。なぜか旧道に国道500号標識が残されていたが、単なる取り忘れだろう。取り外しが行われる前に、付け替え道路整備で誕生した例の斜張橋と一緒に「世代交代」を窺わせる写真を撮っておいた。

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旧道はいずれ、土に還るだろう。役割を次の世代へ。

小石原川ダム

 福岡県朝倉市(旧・甘木市)と東峰村との境目付近にある小石原川ダムに出かけてきた。下流にある江川ダムを遙かに上回る規模の巨大なダムで、いずれも福岡都市圏・筑後地方に対するかんがい・減災・飲料水の確保などを理由に作られたもの。

 竣工は今年の3月28日となっており、福岡県内では令和に入って最初に完成したダムとなる。そのためか「令和あさくら湖」という愛称が別に定められている。

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小石原川ダム。ロックフィル型。

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普段は真下の洞口から放水し、最高水位に達したら階段状の洪水吐を使って調整。

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洪水吐をダム湖の上から眺める。コレだけ見ると、普通に人も登れるのでは?(素人)

 下流江川ダムと異なり、上流は地形的な事情からロックフィルダム方式を採用。普段は真下の洞窟から水を放出するが、最高水位(サーチャージ)に達した場合には階段状になっている専用の放水路を使って水位調整する仕組みを採っている。ダムの竣工自体は3月だが、実際にはその後でダムの水位を確かめるための試験湛水が行われ、10月15日を以て正式な運用がスタート。つまり、私は正式運用からまだそんなに時間が経過していない時に来たので、ある意味ハッピーである

 完成からまだ数ヶ月しか経っていないこともあり、ダム湖周辺は工事に伴う木の伐採風景が広がっている。また、江川ダムと比較してあまりに巨大過ぎるためか、ダム湖一帯が思ったより小さく見えた。目の錯覚なのだ……。

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ダム湖の頂上に作られた歩道を歩く。反対側までの移動時間は、徒歩10分程度。

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訪問時は約80%程度の貯水率かな?

 これに伴う国道500号の付け替え道路が6月30日から供用されている。この話は、別記事で。

ダムカード

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建設中のものまで含めて4枚。

 水資源機構の管理事務所で配布されているダムカードは3枚。12月の訪問地点では、竣工後のもの(上空・洪水吐からの試験湛水)と、完成間際のダム上空のものを渡された。

 これとは別に黄色いダムカードもあり、こちらは前述の洞窟部分からの放水路を作るための工事(選択取水設備の取り付け)風景となっている。コレは小石原川ダムを造っている時に、下流江川ダムで同時期に入手したもの。現在は配布が終わっている模様なので、少しレアかもしれない。

小石原川ダムの基本設計

岡山道4車線化

 E73岡山道は段階的に拡幅工事が実施されており、2021年11月現在では、賀陽IC~高梁SA付近と、有漢IC~有漢トンネルの部分のみ暫定2車線が残る程度まで改善されている

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4車線化したとはいえ、データイムですらこの程度の交通量。

 岡山道の4車線化工事は、他の路線とは少し事情が異なる。一番の理由は「旅行速度の低下」。これは岡山道が険しい中国山地を貫くという構造上、対面通行のままでは旅行速度が必然的に低下してしまう地形上の問題にある。

 悩ましいのは普段の交通量がさほど多くないところ。以前は機械的に交通量の有無だけで4車線に舵を切るか判断していた。岡山道は全線区を平均・中央値で見ても8,000~10,000台しかなく、休日割引・周遊割引の効力が効いている状況下でも同じである。そのため、普段の利用だけではそれほど深刻な問題にはならない。

 一方で、春の大型連休や年末年始・お盆休みなどでは、瀬戸内海沿いを通る山陽道にクルマが集中し、渋滞発生の懸念があることから、岡山道を中継させて中国道との行き来を行う客層がおり、その時だけは一時的に岡山道の交通量が増大する。しかし、以前はほぼ全線区片側1車線の有様だったため、混雑を分散させることが困難な情勢だった。また、有漢トンネルの真庭市側は、西日本豪雨災害で長期間の通行止めが発生し、これによって復旧支援に手間取ったという課題もあった。

 そこで、国土交通省の審議会を通じて「災害に伴う通行止めの恐れが長引く事態に備えた対応」に加え、「どう考えても渋滞・旅行速度の低下・事故が起きる構造になっており、早急な対策が必要」「大規模リニューアル工事の際、もう片側の車線を代替的に使う」という考えが出現。2019年以降に工事が開始された先程の2線区は、いずれも災害対策と条件見直しで出てきた旅行速度改善が主たる理由になっている。

www.mlit.go.jp

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引用)社会資本整備審議会 第32回国土幹線道路部会 配布資料(国土交通省)より

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引用)社会資本整備審議会 第32回国土幹線道路部会 配布資料(国土交通省)より

 2021年はまさに拡幅ラッシュであり、3月26日に賀陽インター付近、5月28日に高梁SA付近、9月10日に下り方向限定で有漢トンネル付近が4車線化している。有漢トンネルの高梁市側は拡幅工事の真っ只中で、走行している限りでは有漢ICの手前まで順調に工事が進んでいるように見えた。有漢IC~トンネル入口までの拡幅は2022年度を予定しており、単純に目視した限りでは2022年秋頃の開通が有力視かなと予想している。

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有漢TNの南側で行われている橋脚設置工事。既に床版取り付けの段階まで進んでいた。

 対面通行区間は反対車線飛び出しのリスクもさることながら、追い越しが出来ないが故に速度低下が著しく落ちるのが一番イヤ。有料区間はともかく、無料区間では地元のお年寄りなのかな~?ワザとゆ~っくり行ってるよね?みたいな展開に巻き込まれることが多く、無料自専道で対面通行というのも良し悪し。

 イタズラに無料開放、あるいは旧政権で見られた無料化実験など、つまらんことはせず、大人しく4車線化・必要ならば有料化への協力をしていただき、シームレスな走行で「高速道路を走れて良かった(T_T)」と思えるような環境であって欲しいもの。

 それにしても、岡山道も随分と変わったねぇ。2006年あたりに来た時は、一部を除いて殆ど対面通行だらけだったので、15年も経てばココまで様変わりするのかと感激するばかりである。

 

院庄インターチェンジ

 中国道には「院庄(いんのしょう)」という名前のインターチェンジがある。

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院庄インターは、例の如く「出入口が分離・その部分にバス停設置」。

 津山市中心部から少し西に離れた院庄地区のことを指しており、1889年に周辺の集落を合併して発足させた時の名前が「院庄」であったことが由来とされる(1929年に津山市編入されて消滅)。地元の方々にはお馴染みと思うが、私は最初、ココが津山の一部だとは全く思っていなかった。

 一応、JR姫新線津山駅の隣に院庄駅があるため、中国道のインターを誘致する際、当時の地名を尊重して「院庄インター」と名付けたと思う。ただ、地図を見ても何のことやら……と察するあたり、何も知らない他地域の私から見ると、院庄インターと命名するのはチョッと分かりづらいと思う。せめて「津山西インター」あたりが妥当な所では無かっただろうか。

 ちなみに、これも地図を見て知ったことだが、実は津山市中心部(JR駅・市役所・津山城などがある場所)へ向かう場合、院庄インターから利用する方が「僅差」ながら近いことが判明。津山と院庄の道中にある二宮PAにスマートインターがあれば、そこが最短となる。なんだか山陽道「徳山西・徳山東の関係に似てますね。

中四さんかいライン

 1997年にE73岡山道が一本化した時、中国地方と四国地方が瀬戸大橋経由で行き来できるようになったことから、「中四(なかよし)さんかいライン」と呼ばれる愛称が付けられている。

【中四さんかいラインの対象路線】

 中四さんかいラインとはいえ、具体的にどこが起点・終点というのは定められておらず、あくまで地域間連携の一環として、日本海・瀬戸内海・太平洋が一望できた所が末端という程度の話である。中部横断道にあった「君は太平洋を見たか、僕は日本海が見たい」の中国・四国地方バージョンと思って差し支えない。

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高梁SA上りには、中四さんかいラインのことに関する開通記念碑が飾られている。

 米子IC→高知ICまで上記のルートで進めば、理論上は日本海・瀬戸内海・太平洋を総ナメ出来る。但し、現状として通行料の問題もさることながら、元々地域間の連携が微妙な山陰・山陽・四国との間を、これ1本で行き来可能なモノなのかは別。多分、中間点の瀬戸大橋に来たところでグターッとなるが先かと(個人差)。金銭的・時間的に余裕のある方は、是非とも米子⇔高知(出来れば高知龍馬空港まで)を往復してみるといいかもしれませんよ?

イナバ化粧品

 11月~12月まで実施されているNEXCO西日本のETC周遊割引(2021年版)を活用して、岡山県の美作地域へドライブに出かけた。単に中国横断道最後の2路線である岡山道・播磨道を攻略するだけでなく、以前から行きたいなー思っていた場所がある。

 それは、津山市にあるイナバ化粧品店。勘のいい人は分かるが、ここはB'zの稲葉浩志さんの実家であり、ファンにすれば聖地である。撮影自体はOKだが、店内に関してはSNSなどへの投稿はNGとなっていることから口頭のみとなるが、店内にはいろんなB'z関連の資料・物品が展示されていた。

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稲葉さんの実家に訪問できて感激。

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化粧品店の駐車場には、稲葉浩志さんの似顔絵がある。

 看板娘(?)である稲葉さんのお母さんがいるかなと思ったが、当日は席を外されていて残念。資生堂の肌荒れ対策化粧水を購入した後、寄せ書きボードにB'zの想いを書いて店を後にした。

 余談だが、B'zの相方にギタリストの松本孝弘さんがいるが、松本さんは大阪府豊中市出身。豊中には(中国道豊中インターがあるため、B'z結成の遙か昔から「豊中~津山」繋がりで接点がある。ほー、それは意外な事実ですね(

 2017年にはB'z結成30周年を記念して、凱旋ライブの一環で稲葉さんの故郷・津山市多目的ホールで開催された実績があり、その時の名残が現在でも化粧品店やJR津山駅の一角に残されている。ファンに限らず、地元の人もエラい喜んでいたことだろう。

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当時の面影はJR津山駅などで確認できる。

 自分は最初に出たベスト盤「Pleasure / Tresure」でB'zの存在を知り、その後で打ち込み重視からハードロック路線へと変わっていった。ハードロックのB'zはそんなに興味が無いものの、それでも世界水泳や夏が近づいたら「UltraSoul」を聴くのがお約束だし、東日本大震災熊本地震の追悼には "つながり" を再確認する「brotherhood」を聴いて年を越す。一方で、ハードロックに変わる前はほぼ全曲通じて好きだが、選ぶとするなら「ALONE」あたりかなと思う。

原油価格が高騰している件

www.nikkei.com 昨日の美作地域ドライブの時、確かにソレは思った。1L=170円前後で推移しており、高値の給油価格に慣れている自分ですら、さすがに抵抗感は感じている。

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兵庫県宍粟市にあるガソリンスタンド。三菱系というのを勘案しても、1L=155円が安く感じる。

 ただ、原油価格の上昇は産出国(主に中東など)の需給調整の絡みもあるため、我慢比べのような側面があるのも事実。「石油元売り会社にカネを渡すことで選挙対策をしている」という解説を掲載していたサイトもあったが、そうした理由があるにしても、元々の給油価格に対して政府が補助を出す以上、180~200円台に突入した後も税負担を強めることになり、消耗戦になるのは回避できない。

 では、国民民主党日本維新の会などが主張するトリガー事項はどうかって話だが、一時的に道路整備に掛かる税金を無効化して軽減するもの。たかだか25引きになるとはいえ、道路予算が行き届かなくなって、ナニかあった時の補修(維持管理)が出来なくなる恐れもあり、これも考えモノである。

 結論として、国民の生活を意識した日本政府が唐突に思いついた案であるのは避けられず、市場もドライバーも冷ややかに見られているとしか思えない。

 原油価格高騰はリーマンショックの前にも起きていたが、その時は高速道路のETC割引強化で乗り切っている。その手法をより現実的に修正させた上で、緊急で予算計上させて運送業者や流通・小売業・農家向けのアシストを行う方が理に適うのでは?

【中央新聞社・緊急提言】

  • GoToトラベル&イートの早期実施と共に、還元率を拡大して消費を活発化。
  • ETC深夜割引の割引率を、約半年間、30%→50%に拡大。また、トラックドライバーの負担を軽減するため、深夜割引の適用時間帯を大幅に広げる(中型車以上は20時~6時、普通車・軽自動車は0時~4時)。但し、料金所待ちによる渋滞を回避するため、入場時刻と出場時刻に応じて割引率が変動するように調整。
  • ETC休日割引に上限制を設ける。但し、以前の1,000円高速はあまりに極端すぎたため、他の公共交通機関との競合も勘案し、最大30%割引をベースにしつつ、上限5,000円を突破した場合はそこで打ち止めとする。
  • エコカー減税の導入。国土交通省が指定する「ガソリンの消費を抑えるEV自動車」を購入した場合、初回購入時の重量税と自動車税軽自動車税)を全額免除。また、新規購入から最大3年間は自動車税軽自動車税、いずれも最大30%まで減免する。
  • エコカーを中古で購入した場合は減免の対象から外れるものの、一定の条件を満たせば、使い道自由のクーポン券(最大5万円上限)を購入者に支給。これは前述の新規購入者も対象となる。
  • 新たにトラクターなどを購入した場合、もしくはレンタリースで契約した場合、最大30万円相当まで生産者に補助を出す。