そらマメさん道路局

道路関係と、一部の公共交通の話・郵便局めぐりなどがメイン。

中国道リニューアル工事(阪神地域)の広告、どこが隅っこなのか?

corp.w-nexco.co.jp 中国道(吹田JCT~宝塚)の床版取り替え工事を実施するにあたり、京阪神はもちろんのこと、遠く離れた地域でも、京都・名古屋方面⇔神戸市街・岡山方面を中国道経由で連絡する客層が想定されることから、2021年度の段階で早々とリニューアル工事を促す告知を出してきた。

 この芦田愛菜さんのポスター、九州道(北九州・福岡地区)でも普通に散見され、熊本地区でも確認できたことから、極端に離れた鹿児島ではどうなのかってことで桜島SAに出向いたところ、普通にあった

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リーフレット・ポスターが平然と施設内にある。

 鹿児島から阪神地域という利用、大抵は貨物車になるだろう。ただ、GW・盆休み・年末年始は一時的に工事が休止状態になるものの、無理やり片側2車線縛りになることから、小型車を中心に中国道に入ってくることが想定される。そのため、国の方針として「事前にちゃんと告知しておきましたよ」程度のことはしている。

 奈良・和歌山方面に関してはどうしようもないため、新名神名神⇔京滋・第二京阪経由、または阪神高速などで迂回するか、もしくは工事が実施されている期間中は、別の交通手段で連絡するか、などの行動が鍵を握る。

 

 

 

 ……なお、芦田さんが担当するエリアは、あくまで阪神地域の中国道であり、中国支社が所轄する佐用~下関にはご出席されてません。

corp.w-nexco.co.jp 東日本・中日本のように、特定人物が主体となって工事情報を伝えるわけでなく、地域ごとに対応が異なるというの、個性的で良いんじゃないんですか?自分はあまり意識してません。工事による対面通行に巻き込まれたら「何の工事してるのか」と気になる程度です。

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2022年度もリニューアル工事にお付き合い下さい。

大分県の市町村標識考察(2) 豊後高田市

soramameroad.hatenablog.jp↑前回はこちら

 大分県の市町村標識デザインを考察する話。2回目は予告通り「豊後高田市」を紹介する。

旧・豊後高田市

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合併前の旧・豊後高田市

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旧地域が海沿いに集中しているため、標識は国道213号道中で発見可能。

 国東半島の北西部に位置し、旧・豊後高田市域に至っては宇佐市と近隣関係にある。2005年3月31日に後述の真玉町香々地町を巻き込んで合併し、巨大化している。全市域が大分県豊後高田土木事務所管内。

 標識のデザインは重要無形民俗文化財に指定され、六郷満山の寺院で行われる「修正鬼会(しゅじょうおにえ)」の様子が描かれている。

 合併後の人口は、執筆地点で約2.1万人。人口減の地域社会であるに変わりないが、一方でここ最近は街の中心部にある商店街を改築し、昭和レトロな街並みとして一種の観光スポットに転じた「昭和の町」が話題となっている。

旧・真玉町

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真玉町……だよね?

 豊後高田市編入される前にあった、旧・西国東郡自治体。標識のデザインは同町にある真玉温泉と、その近くを流れる真玉川となっている。一村一品運動によって生産された野菜類は、白ネギ・すいか・生シイタケ・赤貝などがある。

旧・香々地町

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豊後水道・周防灘で獲れるカニが名物!香々地町

 豊後高田市では最北端・最東端となる、旧・香々地町(かかじちょう)。標識はシンプルにカニのデザインが描かれている。香々地で水揚げカニは大型のワタリガニであり、商標登録上は「岬ガザミ」と呼ばれている。身が引き締まったワタリガニを味わえるのは、オスは9月頃・メスは1月頃とのこと。(豊後高田市HPより)

ぜんぶ「豊後高田」で共通化されているのが特徴

 大分県内の市町村標識は、合併後も旧・自治体の名前を残すことが多いが、豊後高田市(豊後高田土木事務所管内)では、旧・自治体の名前は継承せず、全て「豊後高田市」で共通化されている。真玉・香々地いずれも対等合併(旧・自治体の立場を失わないように考慮した合併方式)のはずだが、それらを度外視して「豊後高田」にするというのは、何か行政上の問題でもあったのかと疑問視してしまう。自分の町の名前があっさりと消されてしまうの、どうなんでしょうね?

 

 次回は中津市を紹介します。

首都高速の通行料見直し

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首都高速の通行料見直し(4月1日以降・激変緩和継続)

 ETC利用客限定で初めて導入された首都高速の距離別料金制度。2012年4月1日の地点では「上限900円・下限500円」といった、殆ど均一料金と変わらない仕組みだったが、徐々に上限・下限の範囲が拡大していき、2022年4月1日より「普通車MAX1,950円(営業キロ55.0km突破時)」に見直されている

 首都高速で距離別化が図られる理由は、基本的には渋滞対策と、首都高の周辺にあるNEXCO線(放射線環状線)の有効活用である。首都高中央環状線が未整備だった2012年当時は、首都圏における迂回ルートが限定されていたこともあり、イキなり価格変動を行うのは無理があったが、その後は中央環状線・外環道・圏央道の整備がある程度進み、ETC利用時にNEXCO⇔首都高⇔NEXCOといった利用を行うことで、割高なNEXCO線を敬遠して首都高に流れ込み、結果として余計に渋滞する問題が想定されていた。

 このため、首都高を連絡して首都圏以外のNEXCO線へ連続利用する場合、首都高速経由だろうがNEXCO経由だろうが、起点・終点どちらも通行料が変わらないように調整し、首都高一極化を回避することを目的としている

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www.mlit.go.jp 2016年4月1日から、当時の上限が900円→1,320円に引き上げられたが、高速道路の延長や環境の変化で混雑ポイントがずれ始めたことから、更なる柔軟性を持てるように1,950円に上限額を改定する。よって、一部メディアが騒ぐ「値上げ」は、全くのフェイクニュースである。

 ちなみに、真の最大額は約3,000円相当になる見通しであり、完全なETC専用化が進んで、利用者からの理解が得られた所で導入する方針。イキなり約3,000円とするのではなく、900円→1,320円→1,950円→約3,000円と改定するのは、激変緩和措置の考えから来ている。

 首都高速会社や国土交通省、さらには沿線自治体である東京都・神奈川県(横浜市川崎市)・埼玉県(さいたま市)などは、NEXCO線との連動も踏まえ、丁寧に説明をし続けてきた。価格見直しで困惑する声もみられたが、ほぼ全員ご納得していただけたとみている。よって、首都高速会社や国土交通省などには、何の落ち度もない。不満あっての民主主義であることを理解する必要があろう。

 ちなみに、4月1日から首都高速の大部分で「ETC専用化」がスタートした。現金等での通行は一切禁止であり、万が一入ってしまった場合には、係員による指示で退出しなければならない。2030年度を目安にNEXCO線も含め、全ての料金所がETC専用に切り替わる(それに合わせて、ETC非車載で通行した場合に対する道路交通法の改正も行われるだろう)。ETC車載器の設置は、お早めに。

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じゃあ、ETC専用化で会いましょう。

繁忙期の休日割引無効化

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 繁忙期(春の大型連休・盆休み・年末年始)において、過剰な交通量による渋滞を出来るだけ回避・分散するように講じるもの。同時に、観光需要を特定のシーズンに偏らせず、尚且つ、実質的に「冷やかし」同然となっている休日割引そのものの見直しに着手する。

 国土交通省(日本政府)が指示し、NEXCO・JB・宮城県道路公社が定めるETC休日割引の除外日は、下記の通り

春の大型連休

 4月29日から5月8日まで。平日はそもそも無割引である。

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8月のお盆休み

 8月11日~8月14日。12日は平日となるため、休日割引そのものの対象外となる。

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2022年~2023年の年末年始

 12月31日~1月3日。来年の1月2日は元日の振り替え休日になっているが、そんなのどうだっていい。

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利用者全員で「渋滞よけ」に努めましょう

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 繁忙期に高速道路を使うと、必然的に混雑が生じるばかりでなく、普段は高速道路を使わない「サンデードライバー」の乱入などで、本来あり得ない「旅行速度無視」な環境になりがちである。基本的なこととして、混雑を避けるためのワザとしては、

  • 一番混雑が起きやすい「ピーク日」の利用は控える。
  • ピーク日に走る場合は、比較的交通容量に余裕がある0時~7時と、21時~0時の間に通るのがおすすめです。
  • トイレ休憩はムリして巨大なサービスエリア・パーキングエリアには寄らず、中小規模のパーキングエリア(出来ればトイレ・自販機のみ、少し多めに見て売店・食堂のみの場所)で済ませる方が、駐車場待ちを回避できます。
  • 別の高速道路で迂回する手段もご検討を。東名・新東名・中央道ならば北陸道迂回、山陽道ならば中国道迂回、といった具合に。
  • 繁忙期をズラした旅行組み手も検討を。
  • そもそも、鉄道・航路・空路は、繁忙期特別料金を課すのが一般的です。

 念のためだが、休日割引が無効化されても、繁忙期に帰省したりイベントなどが開催されるから出向くわけであり、通常料金のままであっても劇的な効果は期待できない。単純に「用がなければ繁忙期に高速使うな」程度のものなので、みんな連休は高速使ってどこか行くでしょ?

鹿野SAが執筆地点で更なるサービス縮小を行わない理由

soramameroad.hatenablog.jp↑この話を参照

 吉和SAは3月末で売店・食堂・情報案内所を完全閉鎖し、自販機のみの無人(6月以降はセブン自販機導入で、売店施設の代替措置を導入)する。セブン自販機がスグに導入とならないのは、指定管理者制度の絡みで契約満了後に旧・テナントからの引き渡しを行うためじゃないかとみている。

 吉和は戦力外となる一方、同じく時短やサービスの縮小を食らった鹿野SAは、今のところは現状維持。その理由に、多くのフォロワーさんからの意見で「大型車が意外と占有している」という話を聞いたため。最近は鹿野SAに行ってないが、言われてみれば夕方あたりは大型車が数台停まっている光景を目にしたかな。

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閑散区間なのに、どういう訳か大型車が停まっている光景は見られる。

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夕方にでもなれば、それなりに大型車がやって来る。

 どうしてなのか自己分析してみたが、「大型車が長時間休憩できる場所が国道9号沿いになく、鹿野SAだと夜間の占有がしやすいから」という仮説が出てきた。

 E2A中国道は山口インターを境に、山陰・山陽どちらからも大きく離れた中国山地を通るものの、国道2号・9号どちらからでも均等にアクセスが出来るようにルート設定が講じられている。国道9号は山陰の大動脈である一方、益田~山口・新山口までの道中は、意外にも大型車がゆっくり休憩できる場所が殆ど無い。コンスタントに道の駅(にちはら・津和野・願成就温泉長門峡)はあるものの、日原を除いて大型車向けのスペースがあまり確保されていない。また、益田~山口市街まではコンビニがあまり存在せず、山口市街~新山口(小郡バイパス接続)に関してはロードサイド店舗だらけで、これまた休憩する場所が限られている。

 その点、E2A中国道・鹿野SAであれば、山口市徳佐で国道315号に乗り換えて峠を越し、鹿野インターから山口方面に向きを変えたら、スグに空気と化した鹿野SAがあるため、余裕で休憩が可能。仮に時間オーバーで高速道路からの退出が出来なかったとしても、山口JCT以西で退出すれば周遊経路の対象となるため、ある程度は融通が利く。ドライバーにすれば、過剰なサービスが満載の山陽道沿いの休憩施設と異なり、シンプルにトイレ・自販機があるだけ(データイムのみ売店が利用できる程度)なので、大型車の途中休憩には絶好の場所なのだ。

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そうした見方も出来るわけか。これは考えつかなかった。

 だとすると、鹿野に求められていることは、更なる縮小化は避けられない一方で、大型車向けの中長距離アシストを行うサービス、たとえばシャワーステーション(コインシャワー・コインランドリー・マッサージチェア設置)や、複雑な調理を伴わない自販機(セブン自販機・カップめん・冷凍弁当など)の設置、モバイルバッテリー貸し出しサービスあたりが無難な着地点かと思う

 実際にそれが導入となって完全無人化が実現した場合、昭和時代から残る今の建物は不要かなと。取り壊した後の建物は、より現代的なモノにしつつ、コンパクト化・バリアフリー化・豪雪対策の強化を施したものになると予想する。

吉和SA、営業取りやめへ

corp.w-nexco.co.jpsoramameroad.hatenablog.jp↑の話も参照。

 絶望的に交通量が少ない、中国道(広島北~山口)の道中にある吉和SAにおいて、施設内にある購買施設・食堂・情報案内所を3月31日付で廃止し、翌4月1日から自動販売機の営業に切り替える

 まあ、いつかはこうなるやろうなぁーと思ってたので、別に驚きも何も無いのだが、逆を言えば指定管理者制度方式での運用とはいえ、よくココまで持ったなと感心する。

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日曜日の夕方ですら、この程度。

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シイタケ+ワサビものの組み手定食がイチオシでした。

 完全無人化になる一方で、6月頃に購買施設・食堂の代替措置として、セブンイレブン自動販売機が新設される見通し。また、ハイウェイスタンプも寒曳山PAの時と同様に撤去される可能性が高いため、お早めに(仮に押せなくなった場合でも、郵送代行の形で捺印する救済措置は取られると思う)。

 情報案内所は吉和だけでなく、大佐SAも取りやめになる。ということは、閑散区間の道中にある七塚原・鹿野もヤバい。

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吉和と共に、大佐の情報案内所も取りやめる。

NEXCO西日本 春のダイヤ改正2022

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大分県の市町村標識考察(1) 臼杵市編

 大分県内の市町村標識(101・102A/102B)は他の自治体と異なり、市町村名にご当地イラストを追加したデザインで構成されている。平成の大合併後は、シンプルに市町名のみの再設置に変わりつつあるが、大分県の「一村一品運動」を継承してか、合併前のご当地標識をそのまま残す傾向にある。そんな、北海道のような標識を数多く残す大分県のご当地標識を、随時、解説していく。

 まずは臼杵(うすき)市」から。

旧・臼杵市

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合併前の臼杵市

 臼杵市は2005年1月1日に、隣にあった大野郡野津町と合併。面積こそ広くなったものの、人口密度は合併前よりも低くなり、人口減に悩まされる土地柄である。また、隣の大分市佐賀関と同様、豊後水道の西寄りの場所にあり、大分県東部のリアス式海岸(日豊海岸)の最北端に位置する。臼杵港では四国島へ向かうフェリーが運行されており、愛媛県南予地域(八幡浜・大洲・宇和島)との結び付きも強いとされる。

 市町村標識のデザインは臼杵のフグ・臼杵城臼杵湾で獲れる魚介類は数多くあるが、その中でも身が引き締まったフグは評判がよく、臼杵港周辺を中心に多数の専門料理店があることで知られる。豊後水道における潮の流れが速く、魚も活発に動くからだろうか。

 なお、推薦店に登録された店舗では、かぼす入りのポン酢でフグの刺身を提供している所もあるという。美味しそうだ……。

 背景画は臼杵城。中世から近世にかけて存在したお城で、戦国時代に府内大友氏館より拠点を移した大友宗麟(おおとも-そうりん)によって設立されたとされる。江戸時代には旧・臼杵藩の藩庁が置かれ、南蛮貿易の拠点にもなった。周辺は城下町が整備され、現在でもその街並みをできる限り残していることから、観光スポットとしての地名も高い。

 ちなみに、旧・臼杵市の名物とされる臼杵磨崖仏(うすき-まがいぶつ)は、残念ながら標識デザインにエントリーされず。

旧・野津町

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旧・野津町

 野津町のデザインは、とんちの名人とされた吉四六(きっちょむ)さん」がそのまま描かれている。実は架空の人物であり、江戸時代の豊後国野津院(→野津町→臼杵市)の庄屋だった、初代・廣田吉右衛門がモデルになっている。

 野津町の市町村合併はやや微妙なところがあり、合併前は大野郡に属していたことから、同じ大野郡の集合体で誕生した豊後大野市編入されるはずだった。しかし、野津町は合併前から臼杵湾沿いの臼杵市と接点が強く、内陸に面した豊後大野市よりも臼杵市と合併する方が、行政面・文化面どちらにも理に適うという理由で臼杵を選んだとされる。

 

次回は豊後高田市の話をしましょう。