利便性向上を理由に、北熊本SA上下線に設置されているガソリンスタンドを、現在の入口寄りから出口寄りに移設する工事が行われる。その割には期間がかなり長く設定されており、工事完了となるのが上り方向では2021年夏頃、下り方向が2024年夏頃までと、極端な開きがある。
実のところ、単にガソリンスタンドを出口寄りに変えるだけの工事に留まらず、北熊本SA「自体」が老朽化対策や需要拡大などを理由に巨大化する予想になっている。特に下り方向の場合は、北熊本SAに近接して、中九州道・熊本西環の熊本北JCTが建設されることから、サービスエリアとジャンクションとをスムーズに連絡できるようにするための改良工事も行わないといけない。2024年度の北熊本SA、特に下り方向の場合は、今とは全く容姿が異なる別物になる公算が高まっているため、1971年開業当時から続く今の北熊本SAは、一度立ち寄っておくことを薦める。
下り方向
現在の給油所は、入口（北熊本SIC出入口→SA入口通路）寄りの場所に設置されている。給油を逃すとUターンが出来なくなってしまうため、南寄りの出口通路付近に移設。
出口寄りの場所は、元々は身障者・二輪車向け駐車場があった場所。他のSAとは明らかにレイアウトが異なる駐車場だった。
工事前の身障者P・二輪車P。まだフェンスが中途半端なので、以前の駐車場跡がハッキリと分かる。ここをお取り潰しにして、ガソリンスタンドを誘致。単なる誘致に留まらず、余裕を持って給油できるように「魔改造」を施すのでは？（中国道・美東SAのように巨大化路線）
以前の身障者Pが利用出来なくなったため、非常電話機もトイレの隣（金隠しの壁）に仮移設。NTTの公衆電話は、NEXCO西日本とは別枠扱い。
北熊本SA下りの男性用トイレ。誰も居ないことを確認した上で撮影したが、便器の数もさることながら、造りが1970年代に開業した当時のモノそのままである。一応、洋式トイレやオストメイトなどを導入しているが、あまりに時代にマッチしないため、多分、ココもリニューアルになるでしょうな。
上り行き
上りも下りと同様、入口通路沿いにガソリンスタンドがある。こちらは出光でセルフ式。やはりココも、GSを逃してしまうと、次は遠く離れた広川SAまで我慢するしかない。
大型車マスの方から、移設した上で新しく作り替える「上り方向」のガソリンスタンド予定地を眺める。
上り方向の場合は、身障者Pが1コマ削減されている。パッと見ただけでは、このままだと狭く感じられるため、隣接する北熊本スマートICとのスキマも活用して巨大化するものと見られる。
北熊本スマートIC出口ランプのギリギリまで給油所を移設・拡大するのであれば、上りの方は割と短期間で完成というのも、強ち間違いではない。
（余談）北熊本スマートICが、なぜ「SA一体型」で無いのか？
北熊本スマートICは、北熊本SAと一体的に運用されているように見えるが、実は100mほど北に離れている。単に北熊本SAが狭くて、改良にムリがあると言うのが一番の理由だが、同時進行として中長期的に北熊本SAを巨大化する構想が重なったことから、国（高速道路機構）・NEXCO西日本・熊本県・熊本市と事前に協議を行い、スマートICを造り直さなくてよいように、少し距離を置いてスマートICを誘致させた方が合理的と判断したからではないかとみている。
写真にはないものの、実際、北熊本SA下りの現在のガソリンスタンド周辺や、SA周辺の農地をよーく見てみると、巨大化をほのめかすような工事が段階的に実施されていた。
半世紀以上が経過した北熊本SAも、令和時代に入って、ようやく現代的なサービスエリアに「魔改造」されると思われる。見本となるのは、中国道・美東SAの極端な変貌っぷり。アレみたいになってしまうんだろうなー。
