そらマメさん道路局

以前のブログから、道路関係と一部の公共交通の話を分離させたもの。鉄道関係・新聞流通の話は、別ブログで。

COVID19収束後の、緊急経済対策としてのETC割引案(再考)

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1.高速道路無料化、絶対にイヤ!!!!!!

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経済波及効果?渋滞するなら効果は薄いよ。(客観)

 収束後に高速道路無料化を行うと言ってるが、10年前にソレやったら大渋滞(同類の1,000円高速も重罪)というの、センセイ方は忘れたのだろうか。そんなイタズラなことをやって大混乱を加速させるのではなく、2014年度から始まった「利用重視の賢い高速道路」をベースに、規制緩和や割引率改善などを施すだけでも、十分に効果がある。

日本における高速道路無料化の

【メリット】

  • 安いから遠くに行けそう。 ←コレだけである。

【デメリット】

  • 計画交通量を遙かに上回る交通量(例えば1日設計4万台の所を、10万台の車が利用)が発生してオーバーシュート。つまり、猛烈な渋滞が発生する。特に逃げ場が殆ど無い首都圏・京阪神では、全く身動きが取れない事態が起こる。
  • 並行する国道沿いの商業施設に、必ずしもカネが落ちるとは限らない。
  • 不慣れなサンデードライバーが連日乱入するため、想定外の事故連発や、立ちションといった許容範囲での休憩所パンクが懸念される。
  • 自動車交通に依存している人しか恩恵が行き届かない。
  • 物流コスト削減には結びつかない。あるにしても雀の涙程度。
  • JR・私鉄はもちろん、貨物船・旅客船や飛行機にも影響大。また、高速道路を使う路線バスも、渋滞が生じると「何のための高速バスなんだ」って批判される。
  • どっかの経済評論家が言う程、コスパはメッチャ悪い。なので(ヾノ・∀・`)ナイナイ。

2.なので、既存の「整備重視から利用重視のETC割引」をベースに考える。

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「短距離」と「中長距離」で小分けしている今の割引を、現状の経済情勢に合わせて「緩和」せよ。

 2009年の休日1,000円、2010年の無料化実験は、当時の自民党vs民主党政権の争奪戦による、政局としての側面が強かったのと、当時としては高速道路で中長期移動を伴わないユーザー層が多く居たことから、ETC車載器をばらまいた一面もある。

 今はETC車載器も5割近くは設置済みだし、1日あたりの利用件数も9割近くがETC利用。料金所で渋滞が起きるというのは、遠い過去の話であり、「料金所を無くせば経済がシゲキされる」という言説は、ご都合主義である。

 COVID19収束後の経済停滞から回復するためには、イタズラに過去の愚策を行うのではなく、2014年の審議会で決定した、現在の4つの割引(ETCマイレージ・朝夕割引・深夜割引・休日割引)を軸に、これらの条件を規制緩和、あるいは多頻度小口ユーザー向けにアシストする割引を導入する程度で十分にイケる

3.具体的な案

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ETC割引条件の緩和策(案)

短距離向け

 上記の表にも書いてある通り、まずは「近距離」と「中長距離」で分離させる近距離は従来からある「平日朝夕割引」と「ETCマイレージだが、前者は現在の5~9回で30%ポイント積増し、10回以上で50%積増しのところを、緩和させて「5~9回は50%積増、10回以上は70%積増し」にするだけで十分。

 また、それとは別件で、ETCマイレージに登録している客相手に、無条件でマイレージ10,000ptを支給するという案も考えている。実質的な高速道路無料化だが、最大還元でも10,000円しか補助が出ない(つまり、それを超えると通常料金が発生する)。10,000円の支給内であれば、通勤が往復合わせて50回(朝1回・夕方1回)で料金が450円とすると、22,500円の所を10,000円分の補填が出るため12,500円でよく、大幅な負担軽減に貢献できる。

 イタズラに無料化するのではなく、ポイントから消費する形で有料通行を不問と処する方法なので、間接的には利用者負担の原則が罷り通っており、コレが最も現実的な落しどころではないだろうか。

※ちなみに、以前の提案では直接割引タイプの「通勤割引」に一時的に戻し、ETCマイレージを封印すべしということを申していたが、この方法では「100kmギリギリのインターで下りてETC交換」という、大変効率の悪い割引になりかねず、不公平感も大きいため、再検討した結果、この案はナシにした。

中・長距離向け

 中長距離の移動を伴うユーザー層に関しては、従来の「深夜割引」「休日割引」の割引率を、現在の3割から5割に拡大する程度で十分。福岡IC→広島ICが普通車で6,940円、現在の3割で4,520円というのを考えると、5割だと3,470円となり、約1,100円程度の違いとは言え、負担減に対する心理的効果は大きくなる。

 上限1,000円、もしくは完全無料にしてしまうと、不用意なドライバーが高速道路を占有して大渋滞を引き起こすが、最大半額程度の価格帯であれば、走れば走るほど最終的には割高感になるので、ある程度の抑止力に繋がる。一方で、観光支援を図る意味合いでは、最大半額だと遠方旅行がし辛くなり、近場のエンターテイメント施設ぐらいしか行かなくなる恐れがある。

 これを改善するため、現在、NEXCO各社が独自で実施しているETC周遊割引を国策で実施するのを提案したい。表にもある通り、NEXCO全線」タイプと「各高速会社線の範囲内」の2種類を用意し、青春18きっぷと同じように、乗り放題を行使する日を自主的に選んで通行して頂くようにする。こうすれば、好きな時に旅行に出かけられるし、連続日程にする必要も無い。平日を選べば、渋滞が生じにくい時間帯に移動できることから、その分、観光を楽しむ時間も増えるだろう。

4.この際、無料化されている道路の「有料化」を。

 COVID19の収束と同時に考えるべきこととして、以前から申している通りに無料自専道の有料化(高速移動が可能な道路空間を、賢く・対等に利用する政策)も必要である。同時に、高速自動車国道の末端部が別の一般有料道路である場合も、出来るだけ高速自動車国道と完全に一体化させ、効率よい有料道路ネットワークを再構築する考え方も重要だ。

5.まとめ。

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 プラカードに書いてある通りである。高速道路無料化は撤回し、既存の4つの割引を「短距離(生活支援)」「中長距離(流通・観光支援)」とで分け、多くの観光地への行き来に周遊割引を導入するのが一番現実的なラインだろう。今からでも遅くない。見直して戴きたい。