高速道路上のカントリーサイン(うるおい標識)が撤去される理由がある程度分かったようで、この問題も終息に向かう方針である。
表題にもある通り、カントリーサインが過去の遺産と化している状況で、現代社会において高速道路の運営上、不要とされるものは何か考えてみたが、多分、ハイウェイラジオだと考える。
昔は遠方で事故が発生した場合、情報伝達手段がラジオを受信するか、直近の交通情報板を見るぐらいしか手段がなく、現場に辿り着かないと状況が把握できなかった。これを少しでも改善するため、特定の線区にコイルを巻き、そこから微弱な電波を発信することで情報伝達を送るラジオ放送システムが開発された。
スマートフォンが普及した現在では、4G・5G回線を活用して瞬時に道路状況をチェック出来るし、渋滞情報の確認もGoogleマップの混雑状況を使えば、官製のナビ機能を使わずとも1分単位で状況が変化する。
一方、ハイウェイラジオは、たとえ道路施設であるにしても情報提供に電波を送信する仕組み上、総務省に放送免許の申請・届出・更新が必要になることや、短距離であるにしてもコイルのメンテナンスなどが必要になり、その分がコストとしてのし上がってしまう。交通量が多い東名・名神・東北道・関越道沿線の場合はハイウェイラジオの設置間隔が極端に短い所もあるため、NEXCO各社にすれば、これも「遠い過去の遺産」と捉えるのは、割と自然ではないかと見ている。
昔であればジングルの部分にJH公式曲「風のいるナビシート」のイントロ部分を流し、その上でJHからの交通情報を機械的に発信するなどして、ドライバーを楽しませる仕組みが盛り込まれていた。しかし、最近は出力数が大幅にダウンしてしまい、基山PA近くのハイラジも大音量に設定してもマトモに受信できない(音声がショボショボにしか聞こえない)。
それを思うと、今はスマートフォンなどで交通情報を収集するサービスを提供しつつ、一方ではスマホが使い切れない人に対するユニバーサルサービスの一環で導入しているハイラジも、次の放送免許更新の時に見直しして、スマホで直接情報収集をお願いしてもらう流れになっていくのではないだろうか。
利便性向上と引き換えに、何らかのサービスが失われる光景が続いているモノの、まあ、コレも諸行無常と考えれば仕方のないことだろうと思う。
【作者が考える「今の時代にはレガシーなもの」】
- カントリーサイン(うるおい標識)
※全廃とはせず、最低でも県境部だけは文字列標識のみ残して欲しい。- ハイウェイラジオ
- AM・FMラジオ周波数標識
- 高速道路開通記念碑
- インフォメーションコーナー・ハイウェイコンシェルジュ
※JRグループのアシストマルス(みどりの券売機プラス・話せる券売機・ど~ぞ)などに見られる遠隔対応に変更。- 給水サービス
※インフォメーションの隣にある無料のお茶コーナー。NEXCO各社がペットボトル入りのミネラルウォーターを100円で売ってるのに?- レストランとスナックコーナーが分離している
- トレーラー車専用マス(大型車との区別が殆ど無くなっているため)
- 毎月更新される高速道路地図の無料頒布
- ぜんぶコンクリート舗装
- 蛍光灯が内蔵された標識
- トンネル内の無意味な車線変更規制
- 実際の旅行速度を無視した、過剰な速度規制 ……など。