そらマメさん道路局

道路関係と、一部の公共交通の話・郵便局めぐりなどがメイン。

三和商船

www.ezax.co.jp 鹿児島県出水郡長島町と熊本県天草市牛深地区との間は、国道389号が通過しているものの、ココは海で隔たれているため、フェリーで行き来する(いわゆる「海上国道」)。この部分の海上国道は、牛深に本社を置く三和商船(江崎汽船グループ)が旅客乗船を担っており、牛深港と長島町側にある蔵之元港との間を、約30分かけて運行している。

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海上区間を行き来する中型フェリー「第二天長丸」

蔵之元港(鹿児島県出水郡長島町)

 国道389号そのものは、実に3度も渡って海上区間を通る必要がある珍しい国道だが、実際には隣の半島へ行き来する近距離移動での利用が多い。牛深と長島は古くから乗船での行き来があったとされており、同じ海上区間有明フェリー島鉄フェリーよりかは本数が絞られるものの、ある程度の乗船客があり、一定の需要はある。

 長島町にある蔵之元港から鹿児島県の国道389号単独区間がスタートするが、元々が隣の牛深に行く程度の港であるためか、周辺はチョッとした売店と集落がある程度に留まっている。

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蔵之元港にあるフェリーのりば。かなりシンプルである。

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鹿県区間国道389号の出発点。いきなり激坂から始まる。

 フェリーのりばには誘導員がいるものの、乗船客が限定的であることから、乗船券のお買い求めは事務所に出向く必要がある(車検証をお忘れ無く!)。私の場合はダイハツ・MOVEであるため、3m-4m車両ということになり、運転手1人運賃込みで2,370円。ちなみに、牛深と蔵之元を往復する場合は、復路部分に限り10%の割引が受けられる。

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乗船券購入には、車検証の提示が必要。

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運賃表。牛深と蔵之元を往復する場合は、往復きっぷがお買い得です。

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きっぷと領収書。きっぷは乗船時に回収されるため、お持ち帰りできない。

 フェリーの運行は完全なパターンダイヤになっており、概ね1時間20分単位で次の便がやって来る。私は事前調査をせずに蔵之元港へやって来てしまったため、目の前でフェリーが行ってしまう光景を目の当たりにしてしまい、約1時間以上も暇つぶししていた。

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い、行かないでーー!!!

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フェリーの運行間隔がかなり長い。逃したら相当の待ち惚けとなるので注意。

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搭乗時刻が迫ればクルマは多くなるが、それでもこの程度。

フェリー乗船中

 手続きを済ませて乗船後、隣の牛深港へは約30分程度で到着できる。船内の写真が紛失したが、テレビモニターはNHK BS1BSプレミアムのどちらかが上映。乗船時間が短いためか、売店はお菓子程度しかなかった。

 乗船時間の短さは、逆を言えば「いかにも手が届きそうな距離」でもあり、実際、フェリーからは牛深港がいかにも間近にあるような感触を受けた。牛深港蔵之元港との間を橋梁で結ぶ構想があるぐらいである。

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牛深港との連絡は、約30分。待ち時間の割に、反対側への移動はあっという間である。

牛深港熊本県天草市牛深)

 11時20分発のフェリーに乗船し、11時50分頃に反対側の牛深港に到着。牛深港の直売所は、道の駅・海の駅みなとオアシスにも指定されており、レストランでは近海で獲れる海の幸を堪能できる。

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あっという間に牛深。

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道の駅うしぶか海彩館。元々は物産館だった場所を、道の駅・海の駅に格上げ。
牛深地区の歴史資料館を兼ねている。

 なお、牛深港国道266号の起点にもなっている。国道389号苓北町~牛深地区を西海岸沿いを走りつつ、旧・河浦町で上位の国道266号と重複する形になる。

感想

  • アクセスのよさ:★★★
  • 乗船時間:★★★★
  • 運行本数:★★★
  • 運賃:★★★
  • 乗り心地:★★★★

 周辺地域の需要を勘案しても、片方向で2,000円~、運行本数もやや少なめというのは、チョッとハードルが高いように感じる。しかしながら、牛深と北薩地域の連絡はこれしか手段がなく、天草下島からダイレクトに鹿県に移動できる意味では文句なしの時短効果を発揮出来ることから、重要な船舶であることは確かなようだ。

 たかだか30分程度とはいえ、頑張れば斜張橋や吊り橋を架けられそうなくらいの感覚で離島が散らばっている。それを楽しみながら行き来するのも良いだろう。(素並感)