高速道路のSA・PAは、民営化後に購買施設の拡充化が進み、ショッピングモールに近い店舗が出てくるなどの大変化を遂げている。一方で、サービスエリアを中心にサンデードライバーや中遠距離ユーザーが集中するようになり、休日割引が適用される土日祝日は満車になりやすい。
貨物車にしてみれば、こうした一般客が駐車場を占有してしまうのは不本意であり、休憩しようにも施設に駐車できない事態が発生している。そのため一部のSA・PAでは、ワザと小型車マスを狭くし、逆に大型車のマスを大幅に拡大することで、一般客の利用を敬遠させている所もある。
九州島の場合は吉志PAが分かりやすい。吉志は九州道を門司ICから進んで最初に登場するパーキングエリアだが、駐車場がとんでもなく広い。その割にはモテナスブランドの小規模売店・食道がある程度で、何かしらコンビニ誘致や大型化が出来そうな雰囲気を持つ。しかし、駐車マスが決定的に異なり、小型車が33台程度なのに対し、大型車はその約3倍である91台も収容できる。
小型車が不必要に入ってくるのを回避するため、下記のような工夫を持たせている。
いかにもチョッとした休憩に特化したサービス内容に留めており、小型車はその先の古賀SA・めかりPA・今川PAなどに立ち寄ってもらうよう、物理的な分散化を実施している。
もっとも、春の大型連休やお盆休み・年末年始の帰省ラッシュ・Uターンラッシュ時は、こうした物理的抑制を施した休憩施設であっても小型車が遠慮なく入ってくる。その場合は、係員が誘導する形で大型車レーンを分割させて対処する。大型車の駐車が犠牲になるものの、その先の巨大SA・PAで激しい混雑に飲み込まれるよりかは分散・負担軽減に繋がる。
敢えて吉志PAに対して物申すとすれば、大型車優遇という側面を考えれば、24時間対応のコンビニがあってもよいと思う。その需要を満たしているのが、山陽道・佐波川SAではないかと。