www.koku94.jp 目的地にも左右されるが、九州と四国の間を車で連絡する場合、高速道路(しまなみ海道など)で連絡する場合とフェリーで連絡する場合とで大きく2パターン存在する。代表的なのは、大分市・佐賀関港と伊方町・三崎港との間を結ぶ「国道九四フェリー」であり、この前の四国横断道ドライブは、これを使って移動した。
フェリーのりば
佐賀関港
今回は大分市側から乗り込んでみた。COVID19の影響で若干ながら運行ダイヤが削られているとは言え、大分市と八幡浜・松山・高知方面の行き来における最短経路になることから、休日であるにも関わらず乗船客が多数見受けられた。
佐賀関港では2019年から新フェリーターミナルの運用が始まっており、受付・乗船までの待機におけるショップ・レストラン・展望台の機能を強化している。
三崎港
三崎港に関しては、反対側の佐賀関側と比べるとシンプルにきっぷうりばがある程度。但し、こちらも「佐田岬はなはな」という物産館(何となく道の駅っぽい施設)が立地しており、佐賀関側とほぼ同等の観光拠点整備により、暇つぶししやすくなっている。
乗船時間・おねだん(きっぷ)
国道九四フェリーの案内にもある通り、佐賀関⇔三崎の間は約70分程度。これは並行する競合路線(宇和島運輸フェリー・九四オレンジフェリー)と比較すれば、乗船時間が最も短く、基本運賃も最安である。但し、フェリーのりばがある港湾がいずれも僻地にあるため、利便性・接続性の面ではやや不利である。
乗船券はコチラ。
競合関係にある九州と四国のフェリー会社同様、国道九四フェリーにも往復乗船券が用意されており、かえり方向となる復路の運賃を5%割引する。有効期間は15日間なので、往復を理由に国道九四フェリーを使う場合は、この乗船券を買うのが一般的である。軽自動車(車長4m未満)は、片道7,120円。
乗り心地
豊後水道を通る関係上、悪天候時は波が揺れて船酔いしやすい。1等席向けの客室もあるが、所要時間が1時間ちょいというのを考えると、2等席の大広間でグッタリと寝転び、少し仮眠した方がよいと思う。
フェリーの前方にテレビモニター(NHK大分 or NHK松山固定)が設置されたイスが確保され、真ん中の売店・自動販売機を挟んで、後方に大広間・トイレがある。展望台は後部に設置。一応は3Fの屋上にも行ける様子。
NEXCOとは遠い親戚関係にある
国道九四フェリーはその経緯から、1969年の就航当時は当時の日本道路公団が担当していたとされる。実際には時の建設大臣による提示のもと、大分県側が公営方式・愛媛県側が民営方式とで意見の食い違いがあったことから、最終的にはJHが運営権を持ち、フェリーそのものはJH・民間がそれぞれ1隻ずつ保有し、運航は民間(国道九四フェリー会社)に委託という形態になった。現在の「上下分離方式」の先取りである。
その後、累積赤字が深刻化したため、JHは民間に譲渡することを決意。1988年4月1日付で現在の国道九四フェリー会社に移管され、同会社が保有・運航する正式な民間航路となった。現在、国道九四フェリー会社は近鉄グループの傘下にある。
実はJHが担当していた航路は他にも幾つか存在したが、いずれも昭和時代に早々と撤退・事業譲渡している。日本道路公団(その後のNEXCO各社)と聞くと、道路整備・管理を行っている道路屋という印象だが、初期の頃は脆弱な交通網や、未成線の国道をアシストするための補助的な事業も並行して行っていたことになる。
ちなみに、NEXCO各社は国から委託を受けた道路管理・整備業務しか行っていないイメージを持つが、こんな副業も微々たる収益ながらも実施している(SA・PAを除く)。
【共通】 旧・JH時代に使われた公団職員の社宅の売買
【NEXCO東日本】
- 日比谷公園地下の駐車場
- HIBIYA RIDE(サイクルシェアリングサービス)
- Homework's(サンドイッチ専門店)
【NEXCO中日本】
【NEXCO西日本】
- 芦有ドライブウェイ(一般自動車道運営)
- 福岡天神・警固公園地下の駐車場
- 九州高速道路ターミナル(トラックターミナル)
……最後はどうだっていいトリビアになっちゃいましたね。