政令指定都市・北九州は、道路行政としては一部を除いて福岡県から独立しているものの、道路の認定・廃止といった根幹的な部分に関しては、上位の福岡県が指定する。これは同じ政令市である福岡市でも同じ。
北九州市の県道標識を言うならば、他の福岡県と同様に標識の設置に結構なバラツキがある一方で、補助標識に描かれるモノは少し独特な表記をしている。それは「路線名の下段部は、標識が設置された地名のみ記載」というルールだ。
北九州は7つの区(門司・小倉北・小倉南・八幡東・八幡西・戸畑・若松)で構成されているが、どの区にいるのかを意識しなくていいように、敢えて「北九州市○○区」の部分をカットしている。例えば上記の福岡県道258号呼野道原徳吉線の場合、撮影した場所は北九州市小倉南区山本になるが、補助標識の地名は、シンプルに「山本」としか書かない。主要地方道の場合も同様に対応する。
一方、北九州市が管理する国道の場合は、原則として補助標識は設置しない。それどころか、国道の存在すら無視することもある。国道も、路線の指定・認定そのものは国土交通省が担当するが、実際の経路は各都府県及び、政令指定都市が決める。
北九州市の場合は元々がクルマに依存した地域であるため、県道・国道・北九州市道といった区別をあまり考慮せず、とにかく既存の道路を改変してバイパス道路・幹線道路の整備を優先させる。結果として、厳密な国道・県道・北九州市道の違いが殆ど分からず、仮に県道だったとしても、青看や地図上でサラッと案内する程度で、引っ込んだ旧道の所が県道に指定されていたりする。
厳密な県道区域の策定よりも、市民の足がどこを中心に使われているのかを先に考えるのは、政令指定都市ならではの自由の利きやすさである。
県道指定された場所にある標識は、大部分がガタが来て錆びている。一部では交換が進んでいるものの、一般的には下記写真のようにボロボロで不気味。この辺は、実際のトリップ間移動をしているかどうかで判断しているのだろう。