そらマメさん道路局

道路関係と、一部の公共交通の話・郵便局めぐりなどがメイン。

高速料金のステルス値上げ(償還期間の延長) ●

www.yomiuri.co.jpwww.mlit.go.jp

 国土交通省(日本政府)は、日本の高速道路における通行料徴収を、当初の2065年から更に50年先延ばしし、2115年まで延長・見直すことで閣議決定し、2023年通常国会で法案が可決・成立した。

 延長・見直す理由は、高速道路の維持管理や、道路施設の大規模更新作業、更には財政投融資を活用した路線の新設ならびに4車線化事業の推進などで、多額の費用が必要になるためである。

 償還期間を実質無限にするものの、1キロあたりの基本料は従来通り変化がないため、見方を変えればステルス値上げともいえる

改正案のポイント

 今回の改正では、単に有料道路期間の延長にとどまらず、ETC専用化を見越した「利用車両(特に軽自動車・二輪車)に対しても料金を徴収してよい」という考えや、慢性的な駐車マス不足に対応すべく、休憩施設駐車場の立体化や、EVスタンド大幅強化・自動運転車両と外部接続を行うハブ拠点の新設などが盛り込まれている。

速道そらかさんのガス抜き塩対応

質問ですか?いいですよ。どんとこい!

永久に通行料を徴収するなら、通行料は引き下げるべきだ

 そもそも、国土交通省は2115年まで延長とする方針であるため、永久とは言っていない。よって、通行料の引き下げ論と一緒に論じちゃダメよ。

なぜ「永久に通行料徴収」ではダメなの?

 永久にしたら道路整備特別措置法の改正が必要になるだけでなく、借金で建設した道路の負債をいかにして無くすかなど、いろいろと面倒になるからよ。仮に有利子債務の部分を税金(≒国債)で弁済するとなれば、当然ながらそのツケが国民負担に響くでしょ?「高速道路は借金で作って利用者負担(これはまだ分かる)、でも、道路整備や維持管理の費用は別途徴収」みたいな制度、面倒&猛反発は回避できない。新幹線じゃあるまいし。

償還期間を維持した状態で、約束通り2065年までに完済し、無料化するべきだ

 今回は償還期間の見直し(2065年→2115年)を行うことで、国民負担が急激に高まるリスクを回避している。もしも2065年までに完済というプランを打ち出すならば、大規模更新事業・4車線化事業などへの対策から、今よりも大幅な通行料の引き上げが必要になる(キロ単価24.6円→40~50円以上は必須)。そうなれば国民負担の急激な上昇、更には経済へのダメージも計り知れない。

 従って、通行料はそのままに、2115年まで延長することで、実質的なステルス値上げを実施する方が理に適う。それに東名・中央道などがホントに無料化したら、ゴミだらけ・ワダチだらけで、マトモに走れたもんじゃないでしょ。

他国は通行料が無料か、そもそも安いだろ!

 諸外国と日本では道路整備の生い立ちや交通管理の最適化に違いがあるため、諸外国の考えを日本にそのまま持ち込むことはできない。一般的に、そういうのはご都合主義という。ヘイトスピーチはやめよう。

国民への説明が不十分だ

 ずっと説明してますよ。分からないなら質問すればいい(塩対応で返される)。道路整備特別措置法や有料道路制度に関する内容は、市販の解説本をご覧戴くだけでも十分に分かるので、参考までに。

 以上。

道路の長期計画