そらマメさん道路局

道路関係と、一部の公共交通の話・郵便局めぐりなどがメイン。

SA・PAの小ネタ (5) 指定管理者制度

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 E4東北道・佐野SA上りを経営していた店舗内で、労使間のトラブルが起きた「お家騒動」が起きていたこと、みんなもう忘れてそう。

 このことに関しては、サービスエリアを所轄するネクセリア東日本東日本高速道路の子会社)に関しては、一切ノータッチ(あくまでも中立の姿勢)を貫いている。それは、ネクセリア東日本一般競争入札を経て契約を結んだ先が、偶然にもお家騒動に発展した元企業だったという話にすぎず、入札→年間契約を結んでいる以上、NEXCOの視点からしてみれば口を挟んではいけないから。

 サービスエリア・パーキングエリア、それに道の駅などの公共施設を民間に委託する場合、一般的には指定管理者制度のルールに基づいて実施される。これは従来から存在した管理委託制度を見直し、地方公共団体の指定を受けた者が「指定管理者」として管理を代行するもので、指定管理者の範囲として特段の制約を設けず、民間事業者も含め、広く門戸を広げることで公共サービスの改善に繋げるという考えから来ている。

 指定管理者になるには、単に入札を行うだけでなく、入札希望者のステータス(企業情報・資産・資本金・社会的信頼性など)を厳しく審査した上で実施されるため、思った以上にハードルが高いのが特徴。現在のテナント会社になる前(要するにお家騒動を犯した企業)からしてみれば、契約解除までネクセリア東日本NEXCO東日本)にしたら「高く厳しい入札・審査会を行った上で通過した者だから、指定管理者として参入させてよい」と判断したことになる。

異様に厳しい入札+審査を通過しなければ、NEXCO発注の工事、またはSA・PA経営権を握らせてくれない。

 指定管理者となった元テナント会社がNEXCO東日本と協議しようにも、あくまでも労使間の話に関しては最初の入札・審査・契約の地点で「NEXCO東日本ネクセリア東日本は関与しない」という条件の上で契約を交わしているため、東日本の視点に立てば「何やってるんだ、あいつら?」程度で様子を窺うしかなく、著しく店舗運営が不能な状態が続けば、制度に違反したということで、NEXCO東日本の判断で指定管理者契約を解除してよい。

 「佐野ラーメンが食えなくなるじゃん」って話だったと思うが、それ以前に資金繰りが悪化して会社もまともに経営できないようではどうしようもない。違約金を支払う覚悟のもとで潔く撤退し、NEXCO東日本の管轄から完全に離れた後で労使間の裁判をかける方がもっと早めにお家騒動を終わらせることが出来たんじゃないか。メディアが伝えるべきことは、指定管理者制度の考えを正確に伝えることだったと思う。

難しかねぇ、SA・PAの経営って。(他人事)