2023年4月地点で、E77九州中央道における未事業区間は、清和~蘇陽と日之影(平底)~北方(蔵田)の2線区のみとなった。このうち、清和~蘇陽はルートマップがほぼ確実視しているものの、日之影~北方は完全に未知数の世界となっている。
では、もしもこの線区にE77九州中央道を通すなら、どのルートがベストなのか。考えた案が下記。
案は3つ。「北ルート」「南ルート」「現道活用を強化」である。「北ルート」は、現在の国道218号日之影バイパスのやや北に自専道を改めて整備するもの。「南ルート」は国道から離れ、五ヶ瀬川南詰に集中している集落(旧道沿い)への便宜を図るもの。そして「現道活用強化」は、今の日之影バイパスが抱えている、急カーブ・急傾斜な坂道を解消させ、走行しやすいように改築するものだ。
ここでのコンセプトは、
- 災害に強い道路を確保
五ヶ瀬川の氾濫
日之影バイパスでの落石等による、復旧の早期回復
医療体制の確保。日之影⇔延岡 or 高千穂の緊急指定病院へ搬送できる環境作り- 事故の削減・迂回路の確保
日之影バイパスで起きる正面事故を起きにくくさせる。
旧道沿いの市民生活路を確保し、旧道⇔現道・自専道との連携を強化
積雪凍結時の迂回路確保など- 延岡と高千穂・熊本間の時短効果を大きく発揮
時速80~100キロでの走行を担保した道路を確保
農産物や工業用品を、東九州に加えて中九州・北部九州・各空港等に輸送させる仕組みの構築。
併せて、時間短縮効果発揮による地域間連携の強化(熊本・延岡90分構想)
高速バス乗り入れで、鉄道網が貧弱な延岡⇔高千穂・熊本の代替移動手段を確保- 観光需要の促進
周辺にある高千穂峡・天翔大橋・八戸観音滝などへのアクセス強化
道の駅をフルに活用することで、地域情報発信の促進に努める
一本化した暁には、中九州と北部九州・南九州の連動が今以上に組みやすくなる
このコンセプトに沿って整備するとなる場合、
- 災害に強い道路を確保
(北案)◎
(南案)◎
(現道)×- 事故の削減・迂回路の確保
(北案)○(五ヶ瀬川・旧道沿いからのアクセスがやや貧弱なため、補強)
(南案)◎
(現道)×- 延岡と高千穂・熊本間の時短効果を大きく発揮
(北案)◎
(南案)○(やや遠回り感がある)
(現道)×- 観光需要の促進
(北案)◎
(南案)◎
(現道)△(一般道乗り継ぎ区間で移動時間が犠牲になる)- 早期着工・開通のしやすさ・事業費
(北案)△
(南案)△(北・南、いずれもトンネル・アーチ橋といった、大がかりな工事が必要)
(現道)○(部分供用での対処が可能)- 平底~蔵田の移動時間
(北案)約15分(直線距離で約16km)
(南案)約16分(直線距離で約17km)
(現道)約22分(約18km)
※北・南案は、時速80キロ/完成2車線で整備した場合を想定。
※現道は、現在の規制速度(50キロ)をもとに算出。- 環境への影響
(北案)×
(南案)×(地形を改変するので、モロに影響)
(現道)△(多少の改変でいいので、限定的)
現道活用強化がガス抜き役とすると、やはり本命は、今の日之影バイパスの北側に自専道を整備。対抗としては、五ヶ瀬川を流れる旧道沿いの集落に配慮した南ルートかなと思う。つか、それ以外考えにくいし。