www.nishinippon.co.jpwww.nishinippon.co.jp 日田彦山線BRTのバス専用道路に関する話。廃線跡を活用したBRT運用に関しては、西日本新聞の記事や当事者の東峰村・添田町からも懐疑的な考えをほのめかしており、運用開始後に大幅減便食らって「ハコ物」になるという危機感を抱いている様子。
気仙沼・大船渡線BRTの場合は、人口減少社会いえども、沿線に様々な集落・ロードサイド店舗や行政・医療機関などがあり、鉄道を丸ごと廃線にするのはやや無理があることから、バス専用道路鞍替えの道を選んだのに対し、日田彦山線BRTは、あくまでも「公共交通機関(≒JR線)の維持」を念頭に開発されたため、運用開始後のことに関してはさほど考慮されていない。
いくら持続可能な交通の維持を理由にしているとはいえ、BRT転換後は単なる路線バスの派生になり、JR九州は道路施設の維持・保有のみの関与となるため、その気になれば、福岡県と交渉して道路施設を県に譲渡し、委託先のJR九州バスも撤退して、日田バス(西鉄グループ)に移管するということも十分あり得る。
西日本新聞の記事にもある通り、「大行司駅は高台にあるものの、そんな急な階段を昇ってまで使うか」って話は、BRT転換が確定した3年ほど前の予言通りである。
東峰村の自費で立て直した旧駅舎に関しては、JR九州は一切関与しない。
高台が原因で駅の設置を取りやめたのが棚田親水公園駅で、JRの方針通りに筑前岩屋駅でバス専用道区間が終点となっていた場合は、公園のそばにバス停を誘致することが出来た。それを高台の専用道区間に設置でもすれば、標高差のある階段を開発する手間が掛かるし、利用者に著しい負担を掛けてしまい、余計に敬遠されるのは間違いなく、現実的ではない。
どのみちJR九州は、近い将来にバス専用道の保有・維持管理を放棄するのは目に見えていること。だとすればもっと現実的にJR方針に沿ったルートを整備し、例の眼鏡橋は村に譲渡した上で道路公園に転換する方が筋だったのでは無かろうかい。
しばらくはバス専用道の形で日田彦山線BRTが運用されるものの、BRTに並走する主要地方道・八女香春線の釈迦岳トンネルが、もうちょっと麓(出来れば鉄道用の釈迦岳トンネルの隣)にあれば、あっさりと廃線に追い込ませていただろう。道路転換が容易でないからこそ、鉄道用トンネルを道路に鞍替えしておき、状況を見て廃線にハッパ掛けるものと予想する。
これが麓にあったら、あっさり廃線となって、普通の路線バスが通っていたことだろう。
もしも福岡県に譲渡となった場合は、BRT釈迦岳トンネルを大きく改造させ、そちらを主要地方道のバイパスとして切り替えることも視野に、覚悟しておきたい。