現在、政府主導で高速道路の料金所をETC専用に切り替える政策を実施しているが、E76しまなみ海道は、2024年6月地点ではETC・現金等どちらも利用可能。いずれはETC専用に鞍替えするが、そうなる前に敢えて現金等で通行してみた。
現金で通行した線区は、下記の通り。
基本的には反対側の島へ渡る際、橋が架かる前まで存在していたフェリーを利用したと仮定して通行するもの。フェリーの場合、中長距離移動を伴う海運事業者ではクレジットカード決済に対応することが多いが、しまなみ海道は隣の島との距離が短いため、短距離輸送程度では現金での支払いに固定される傾向にある。なので、有明フェリーの時と同様、この3線区に関しては現金で通行料を支払い、擬似的にフェリー乗船のための運賃だと仮定して利用した。
生口島南IC~大島北ICは移動距離が長いために通行料(≒フェリー運賃)が嵩んだが、これは途中の大三島・伯方島がフルインターで運用されているため。また、最後の大島南IC~今治北IC、要するに来島海峡大橋に関しては、ココだけ通行料が異様に高いため、ETCを使って逃避。なので、全部現金等で攻略した訳ではない(既に反故じゃんか)。
E76しまなみ海道の領収書・料金の傾向
E76しまなみ海道の領収書は、基本的にはNEXCO線と同じ。今年から始まったインボイス制度(適格請求書等保存方式)も真下に記載され、有料道路事業者である本州四国連絡高速道路会社(JB本四高速)の登録番号「T3140001024527」が記されている。NEXCOと異なるのは、領収書に入口料金所の記載が無いため、車種と通行料を見て、自身がどこから乗ったのかを把握する必要があるぐらいである。
一番安く通行できる線区は、意外かもしれないが西瀬戸尾道インターと向島インターで、実質ゼロ円。なぜなら、この部分は尾道大橋が無料で通行できることや、そこまでのアクセス道路(西瀬戸尾道⇔尾道大橋出入口)も、JB本四高速・沿線自治体・政府との取り決めで無料で供用することになっているため。ちなみに、西瀬戸尾道と向島の間を、新尾道大橋経由で移動してしまった場合には実費(普通車310円)が発生するので注意。
次に安いのは生口橋で、普通車だと360円で通れる。単純に生口橋が短いことや、次インターまでの距離が異様に短いため、この部分はほぼ完全な生活道路といった印象を受ける。逆に一番値段が高いのは来島海峡大橋。言わずもがな。
【橋の通行料(≒フェリーがあった場合の疑似運賃)】
【通行料の高さランキング】
通行券
通行券もNEXCO線と同じ。インターの名称がやや難読であるためか、カタカナを振っている物件があった。赤文字の通行券は、NEXCOだと手渡し型の料金所で見かけるが、E76しまなみ海道は全ての料金所でこの型が採用されており、ETCの利用が出来ないことを示す記載がある。
E76しまなみ海道の料金所で、入口レーンはETC・一般それぞれ分離して運用されているが、大三島インターや伯方島インター等では、島民の人口を考慮して1レーンでのみ対処するミニマム設計となっている。但し、その場合でも自動発券装置導入でオートメーション化されており、E9山陰道・浜田東インターのように、係員が手動で通行券を配布といった手間は行っていない。一方、出口はどの料金所でも必ず、ETCと一般レーンが分離されており、スムーズな料金精算を可能としている。
下道のススメ(ヤマなしオチなし)
基本的にE76しまなみ海道は、高速道路沿いにある芸予諸島の住人への道路サービスであり、本来は生活道路である。但し、しまなみサイクリングで観光需要が湧いていることに加え、サイクリングを使わなくても、島内を縦断または一周するだけでも様々な観光があるし、結構時間食らう。そこで、時間に余裕がある時は、なるべく途中の島に降りたち、そこで観光地見学はもちろんのこと、港町や集落・行政・商業施設の様子なども見学してみてはどうでしょうか。
(わたる)いずれ、E76しまなみ海道沿いの郵便局めぐりもしないといかんだろうに。
(そらか)そりゃそうですけど……。