そらマメさん道路局

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深夜割引の見直し(政府方針)

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超単純にまとめた、新・ETC深夜割引の概要(2025年3月頃までに導入)

 2025年3月頃から導入を開始する、新体制のETC深夜割引の概要をざっくりまとめると、

【趣旨】

  • 現状の深夜割引における、適用待ちを理由とした料金所手前の車両滞留を阻止(フラチな貨物車三昧に対する鬼退治)。
  • 特に貨物車における労働環境の改善や、負担軽減を政府主導で行う。
  • 円滑な交通を実現させ、安全・安心の高速道路空間を維持。

【割引の概要】

  • 対象時間を22時から翌5時までに拡大。
  • 割引適用時間帯にどこを通ったのかを正確に記録するため、本線の随所にETCフリーフローアンテナを設置。速度超過等による誤差分を勘案した上で、後日、割引に相当する金額を、登録しているETCマイレージに還元。
  • 無謀な運転を阻止するため、割引適用時間帯の走行距離に、上限距離を設定(軽自動車等・普通車・中型車・乗合型自動車は1時間あたり105キロ、大型車・特大車・乗合型自動車以外の車両は1時間あたり90キロを上限とする)。5年間の時限設定。

【それとは別に】

  • 高速自動車国道における、長距離逓減制度を改正。
    (101km~200km)25%
    (201km~400km)30%
    (401km~600km)40%
    (601km~800km)45%
    (801km以上)50%割引

 ……とまあ、こんな内容。

 深夜割引に関しては、貨物車・路線バスを中心に上記のような割引を導入すべきものであって、小型車・自動二輪系にこんな複雑すぎる割引(移動時間による推定位置で距離算出・無謀運転阻止に上限距離設定)とか、正直、全く理解できないし、頭に入ってこない。政府・NEXCOの考えは「とにかく時間帯の中に入っとけば、後でちゃんと還元金をETCカードにチャージするから、気にするな」ってことだろうけど、いっそのこと、小型車系は無謀運転阻止の時限が切れる5年後(2030年度)あたりで深夜割引は廃止すべきだと思う。

 欧米諸国やアジア諸国で導入されているロードプライシングの考えを日本に持ち込んでいるのだろうが、諸外国では車両の有無やピンポイント渋滞の抑制などを理由に行うのに対し、日本では単に「フラチな貨物車に制裁を」という考えが根にあることや、そもそも論として、深夜は不必要に走らない、仕事ややむなし長距離移動を除いて、基本的には家にじっとしておくという生活習慣が活かされている。

 よって、複雑化して利用者への還元・交通対策がメチャクチャになるぐらいなら、最初から深夜割引は貨物車・路線バスに限定させ、小型車系は定期割引や周遊割引といった、「短距離多頻度・長距離はたまに」というコンシューマー的な仕組みに変えたがいいよ。

 なお、こんなメチャクチャな深夜割引は、聞いてるフリレベルで、ちゃんとガス抜きパブコメやってる。この辺の諸意見は、NEXCO各社の公開資料を参考のこと。

小型車系は「定期通勤、旅行は中長距離」が多いんだから、こうしないとさ。

 余談ながら、ETC休日割引も、来年3月ぐらいになったら「利用者の分散傾向が進み、改正された周遊割引で地域経済の発展に繋がってることが確認できたので、役目を終える」といって、廃止してそう。