そらマメさん道路局

道路関係と、一部の公共交通の話・郵便局めぐりなどがメイン。

「インフォメーションスタッフ、おすすめの湯」 割引導入へ

trafficnews.jpwww.mlit.go.jp 観光を目的とするETC休日割引が、本来の趣旨と異なる使われ方をしているため、休日割引を見直す方向で検討が進められている。まだ検討段階で素案に過ぎないモノの、国土交通省が明確に提示した以上、廃止は確実である

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度外視した使われ方をするなら、廃止したがマシ。

 新体制の休日割引は、GoToトラベルにも見られた「宿泊代込みでこのお値段」という方式であり、勘案すればNEXCO中日本が実施している観光地+周遊割引の方向で修正が進むとみている。直接的な割引を廃止し、代わって周遊割引による負担軽減を図る以上、別に土日祝日に限定する必要は無いのでは?

 この方針が示された以上、現在は単に高速料金のみで自由に途中退出が出来るNEXCO西日本・東日本の周遊割引も廃止されるものと見られる。

JR西日本の「強制2人縛り」「ソロは旅行代理店のみ取り扱い」に近いルール

 NEXCO西日本に並行するJR西日本の場合は、ソロでの周遊旅行を全面的に規制しており、JRグループ共通の18きっぷを除けば、同一行程・2人以上を義務づけている

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広島デスティネーションにあわせた新幹線往復+在来線フリー+観光地アシストの「広島ぐるりんパス」。
ガチガチの2人縛りが課せられ、ソロ客は「冷やかし」として排除。

 ソロでの周遊、または運賃割引は徹底的に排除しているものの、代替案としてJR西日本と提携している旅行代理店(日本旅行JTB近畿日本ツーリストなど)を通じて、「新幹線往復+指定されたビジホに泊まって、このおねだん」という旅行券を発売している。

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旅行代理店(ココでは日本旅行)では、「新幹線往復+指定されたビジホで、このお値段」というパックツアーを発売。

 現段階のように自由自在に行き来するのが難しくなるモノの、反面、「観光地アクセス割引(必ず、指定された観光地でETCカードによる認証が必要)」「指定されたビジホに泊まって、1泊2日の中国地方フリーパス」みたいな形になれば、たとえば自分のように「新聞休刊日(≒月曜日)を使わないと大規模な移動が出来ない」といった問題も緩和されるし、元々が単独旅行になりやすい高速道路ドライブに対しても、明確な理由を持って移動できるようになるため、ダラダラと行き来するよりかは計画的になる。それを踏まえれば、この方法を適用するのも、案外イイかもしれない。

 まあ、単に「休日割引の財源確保をするぐらいなら4車線化」という、捻くれた考え方も見て取れるモノの、だとしても割引に充ててた財源を交通改善に役立てるのであれば、それはそれでドライバーにメリットがあるのでアリ。

 そのうち「インフォメーションスタッフ(ハイウェイコンシェルジュ)おすすめの湯」みたいなプランが出てくるかも……?

その他の割引見直し

平日朝夕割引

 継続する。但し、割引適用時間帯の変更や割引率などの適用条件を見直し、より実態に合った通勤利用のアシストを行うように仕様変更する方針。

深夜割引

 現在の休日割引の二番煎じ感が強いため、見直し。割引適用時間帯の走行のみ、割引が適用されるように修正(現在は適用時間外でも、適用時間帯さえ通れば無条件で何度も割引が適用されるが、こうすると大型車がSA・PA・料金所を占有するフラチな事態が起きるため)。割引率を時間帯に応じて変化させたり、適用時間帯を拡大方向する方向で調整。

大口・多頻度割引

 継続・現状維持。現在はCOVID19が蔓延しているため、性急な見直しは早計だが、いずれは割引率の拡充を調整する。また、現在は法人契約の数だけで取り決めしているが、コレを車両台数ごとに契約するように変更し、ベラボウに割り引かれる問題を改善する。

ETCマイレージ

 部分的な見直しは生じるものの、基本的にマイレージ利用客は一定の顧客層で占めているため、ココは変化がないものとみられる。

総括

 休日割引も、元々は約10年前に実施したETC休日特別割引(1,000円高速)の派生版として延命し続けたもの。これを宿泊・観光パック料金方式に転換することで、GoToトラベルが終わった後でも違う形で延命することが出来る。

 正直、休日割引が土日祝日のみに縛られているのは、平日に出かけることの多い私にすれば、サンデードライバーは羨ましいなぁ~と思うのと同時に、本来あるべき高速道路の利用形態ハイウェイカード時代の割引)に戻るだけなので、まあ、仕方ないかなと思う。

 土日祝日でも通常料金になってしまうが、反面、ETCマイレージ自体はほぼそのまま残るため、その分、マイレージも休日割引適用時に比べると貯まりやすくなる(無料通行分のMAX5,000円に手が届きやすくなる)。コレが生き残るだけでもマシなもんですよ……

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ETCマイレージが生きていれば、どうにかなります……

 今後、審議を踏まえて、近いうちに新体制の割引へ移行する方針。

寒曳山PA上りの購買施設、営業取りやめへ ●

corp.w-nexco.co.jp 浜田道上りの購買施設が3月末を以て閉店となり、同日午後6時以降は自動販売機のみの営業に切り替える。今のうちに行っておこうと思い、昨日、そこへ出向いてみた。

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浜田道唯一の購買施設だった、寒曳山PA上り。

 下り方向は2006年10月30日付で廃止されたが、上りは浜田・石見地方と広島都市圏・三次方面の連絡に対し、一定の需要が残るという見込みから、運営テナントを切り替えるなどして延命し続けた。今回の廃止理由は、NEXCO西日本の方からは特に説明が無いため、単に交通量減少(地域間輸送の変化)や、テナントとの契約が満了したことによる後継が見つからなかった、などが考えられる。

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寒曳山PAの建物にある方向幕。コレも休店後に撤去される。

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ドア入口などに、3月末で営業を取りやめるという案内紙が貼られている。

 店舗の造りは中国道広島道の一部施設(本郷PA・久地PAなど)に見られる、公団時代からの画一的な構造をしており、トイレ寄りに自動販売機、中央口に浜田・石見地方のお土産品、その隣に軽食コーナーが設けられていた。元々、沿線住民が少なく、交通量も限定的な浜田道に考慮し、テーブルコーナーが大変狭く、偶然にも昼時と重なって家族連れで占有されていた。

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自販機コーナーから食堂を眺める。

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売店にある商品は必要最小限に近かったが、それでも石見地方のお土産品は存在した。

 気になるメニューを見てみたが、麺類とカレーライス程度しかなく、本当に最小限の軽食類のみを取り扱っている印象を受けた。インパクトのあるグルメが見当たらなかった(個人差)ので、ラーメンをチョイス。醤油豚骨スープが意外と濃厚で、PA周辺の豪雪地帯にぴったりな味付けだった。

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メニューを見ても、ラーメン・カレー・唐揚げ定食などに絞られていた。

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こってり広島風の醤油豚骨。文字通り濃厚なお味。

 気をつけるべき点を一つ。寒曳山PA上りの購買施設が無くなる3月31日午後6時以降は、ハイウェイスタンプの設置も取りやめになる(安佐SAの情報案内所で確認済み)。その際、未捺印の状態だと、中国地方(またはNEXCO西日本全域)のコンプリートが狙えなくなる恐れがあるため、捺印はお早めに。もしも押し損ねた場合でも、NEXCO西日本の本社、または中国支社にスタンプブックを郵便送付すれば、捺印してもらえる。

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一応、ちゃんとスタンプは押しといた。

 当日は晴れという予報を信じていたモノの、千代田に入ったあたりからドンヨリ曇り空となり、寒曳山PA周辺の県境付近では小雨が降って最悪だった。本来は山陰道レポートを延伸させる予定を立てていたが、瀬戸内側は比較的晴れていたため、急遽、予定を変更して呉方面と山陽本線の入場券集めに翻弄。15日に夕刊配達の仕事が無いなら、どっかビジホに泊まってリベンジしていただけに、残念。

宇佐道路の入口標識

 1994年12月15日に宇佐別府道路が開通した際、宇佐ICと国道10号現道(中津バイパス)とを連絡する無料自専道「宇佐道路」も同日に運用をスタート。この部分、資料などでは宇佐道路と解説している場合もあるが、実際の所はどうなのかと思い、四日市IC近くの道路標識を確認してみた。

 その結果、混乱が起きぬようにしているのか、案内は宇佐別府道路で共通化されていた。

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四日市ICの入口標識

 開通当時からの標識がそのまま残されており、東九州道に飲み込まれた宇佐~速見の部分に対応すべく、高速道路ナンバリングに対応した標識への交換などは、特に考慮されていない。今後も現存していくものとみられる。

 ちなみに、東九州道に飲み込まれた宇佐~日出に関しては、しっかりと高速道路ナンバリングに対応した入口標識に差し替えられており、案内は「E10 東九州道宇佐別府道路)」といった表現になっている。

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東九州道に飲まれた区間は、ちゃんと新型に変更。

 以上、近況報告でした。

重複国道の番号を合算すると、一番デカくなるのはどの組み合わせか?

 一つの国道に対し、別の国道が重なって設定されている場合、当該区間は「重複国道」と称される。例えば下記の写真。

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国道10号と国道326号(宮崎県延岡市北川町

 写真は宮崎県延岡市(旧・北川町)で撮影したもの。国道10号と重複する形で、豊後大野~延岡を結ぶ国道326号が重複している。国道326号の単独区間がスタートするのは曽立交差点からだが、法律上の起点は延岡市中心街に位置する昭和町交差点となっているため、和田越交差点~曽立交差点までは延々と10+326の標識が重なって設置されている。

 重複区間「おにぎり2連」は、国土交通省や各自治体ごとに対応が分かれており、行政の透明化を図る理由から2連・3連と設置している場合もあれば、逆に重複区間でも番号が若い国道番号のみを掲示したりと、かなりバラツキがある。

 福岡県内では殆ど2連おにぎりを見ることが出来ないが、朝倉市の322号・500号重複区間には、県内では大変レアな2連おにぎりが設置されていた。もっとも、県内では別の国道と重複している場所が少ないため、2連おにぎり設置など無関心に近いのも頷けるだろう。

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国道322号国道500号(福岡県朝倉市持丸)

 重複国道に見られる国道標識に書かれた番号を足し算すると、一番数字がデカくなる路線はどこなのかと思ったが、知ってる範囲で列挙すると、恐らくは岐阜県飛騨市にある、例の「471+472(=943)」になるのでは?(国道標識が設置されている場所に限る)。やはり、400~500号台の国道が重なり、そこに200~300号台の国道まで重なった所に国道標識があると、それは「レジェンド級」である。

酷道大百科 (ブルーガイド・グラフィック)
 

77777km

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記念撮影。ゾロ目&ラッキー7というハッピーな数値。

 2017年に新車を納入し、走り続けた結果。2月22日付で77,777km走行達成となりました。いやぁ、走った走った。次に車検を受けるときは、部品交換がエラいことになりそうやな……

 通勤目的と旅行を1つのクルマで使用するため、1年あたり約2万キロのスペースで総距離カウントが進んで行く。来年の初めあたりで、大台の10万キロを突破するか?

国道388号の酷道 大分と宮崎の県境編

 九州島の「酷道」で取り上げられる路線といえば、残念ながら国道265号・388号のツートップが挙げられる東九州道の開通などで大分県と宮崎県の間を国道388号経由で向かう機会が減った今、国道ずかんの作成を理由に、久しぶりに出かけてみた。

手応えを感じるガチ「酷道

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大分県と宮崎県の県境。何年ぶりだろ、ココに来たのは?

 以前にも何度か来たことがあるため、県境部の酷道区間は十分に慣れている……と思ったが、さすがにブランクが空きすぎて感覚が掴めておらず、離合ポイントを活用して道路状況の撮影をした分まで考えても、峠を越すのに30分以上掛かってしまった。

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ガードレールは殆どない。一歩間違えたら奈落の底。

 県境部を通る国道388号は、人気が皆無。後述の広域農道に加え、並行する東九州道が無料で通行できることも重なり、もはや見捨てられた感しかしない。東九州道開通以前からもココを通るドライバーは限定されているためか、ガードレールなし・洗い越し・落石や木屑の散乱が酷すぎて、道路として機能しているか疑問に感じる。

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梅雨時は国道157号並の「洗い越し」になりそうな場所も。

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落石や木屑の散乱が酷く、舗装も必要最小限。ヨレヨレの状態が麓まで続く。

 大分県側の酷さは目に余るが、宮崎県側もそれなりに酷い。ただ、大分県側とは違い、宮崎県側は丁寧にキロポストを設置していることや、極端な狭隘区間が限定的であることから、大分県側のソレと比べれば峠越えは割と楽。もちろん、道路の手入れは大分県同様に必要最小限で、今回のドライブでも木屑や小石が散乱するなど、メンテナンスはほぼ放置されていた。 

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宮崎県側も県境付近は酷いが、距離が短い分、割とすんなりと「酷道」は無くなる。

広域農道の方が、事実上の国道388号となっている理由を考える。

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蒲北トンネル。国道ではないものの、事実上の国道388号の代替品。

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蒲北トンネルの宮崎県側には開通記念碑が存在する。

 国道388号の県境部が現在でもアノ状態であるのに対し、それよりずっと前に県境部の狭隘区間を迂回するバイパス道路(蒲北トンネル経由)があり、大分県・宮崎県としても半強制的にそちらに誘導するような案内になっている。

 蒲北トンネル自体は500m程度と距離が短いものの、トンネルの前後は1.2車線規模のやや狭隘な道路になっており、リアス式海岸に接する大分県側は、地形的な事情からクネクネカーブが連発している。ただ、国道のソレと比較すれば桁違いに走りやすく、両県共に道路の手入れもしっかりと施され、チョッと狭く感じる程度の国道とほぼ変わりない。

 蒲北トンネルの宮崎県側には開通記念碑が飾られている。

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開通記念碑の中身。快速農道を整備すれば、大分県・宮崎県の税負担を軽減する効果もある。

碑文

 この農道は、宮崎県北浦町(現・延岡市北浦地区)と大分県蒲江町(現・佐伯市蒲江)の深い交流を背景に、更なる農業の振興と地域の活性化を願う地元の熱望により、全国でも数少ない2つの県を結ぶ全長4km余の県営農免農道として、10年の歳月を経て建設されたものである。
 本農道が、県境を越えた人、物、文化の交流を一層促進し、地域発展に大いに貢献することを期待するものである。
 2県にわたる農道建設の実現並びに、着工後の事業水深に多大のご尽力、ご協力をいただいた関係各位に深く敬意を表し、事跡を後世に伝えるためこの碑を建設する。

 

平成7年11月吉日県立 蒲江・北浦農免農道事業促進協議会

 刻まれた文章をよく読むと、「この道路は農免農道として整備された」と記載している。つまり、この道は「農道」である。「農免」は聞き慣れない言葉だが、「農林漁業用揮発油税財源身替農道」と呼ばれ、分かりやすく例えれば、農道版の道路特定財源制度とも言える

 誰もが道路を使う以上、整備の財源となる揮発油税を自動車に課すのが一般的だが、トラクターや漁船のように道路を使わないクルマに関しては免除するのが望ましい。しかし、実際に見分けを付けるのが難しいことから、農業用・漁業用に消費される分に関しては、別枠で税金を徴収する仕組みが考え出された(農業・漁業は免除するから「農免」という)。この財源は国道や県道を管理する各都道府県と異なり、各市町村に税金が行き渡るため、「この農業向け税金を上手く使えば、いつまで経っても改良しない国道388号のバイパス整備に割り当てればいい」という逆手の発想が生まれる。 

 実際、開通記念碑の部分を見てみると、整備期間は1986年~1995年、総事業費は両県足し合わせて約22.8億円要したとなっている。巨額な費用ではあるものの、一般的な国道整備と比較しても比較的割安であるし、どちらも旧・蒲江町と旧・北浦町が自腹で整備したと考えれば、この地域にしてみれば妥当な整備費と見て取れる。

 広域農道が開通すれば、後は海沿いを通る国道388号の改良工事を大分県・宮崎県側が整備すればよく、「県境部は広域農道で迂回」と両県が丁寧に説明すれば、農道が国道の代替と認知されて国道の再整備の必要性も薄れる。で、国道388号の県境部は野晒し状態で完全放置となり、酷道がそのまま残って今に至る。まさに、税金の取り分を上手く活用したアイデアである

道路法に基づく迂回路は、東九州道が解決済みという件

 国道388号の代替としては、前述の広域農道に加えて東九州自動車道があり、大分県側では麓から2合目あたりでチラッと本線の様子を窺える。東九州道も繁忙期以外では閑散気味だが、だからといって無いなら無いでとても困る。東九州道のルート選定がシークレットに包まれているのが疑問という程度で、実際にココを走ったら国道388号のことなど忘れてしまう。感謝感謝(-人-)

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峠から2合目(?)付近で東九州道がチラリ。
無料で通れる限り、この高速道路が国道388号の並行路線と化している。

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単に蒲江~北浦を東九州道で峠を越すなら10~15分程度。極上の極みである。

 蒲江経由の東九州道を整備する理由付けは幾つかあるが、「ゆえに高速道路は必要だ」(四方洋/毎日新聞社の中では、実際に未改良が多かった国道388号の交通改善を理由に、東九州道整備の必要性を強く訴える記述がある(今の反政府主義的な毎日とは考えられない硬派な書籍)。狭隘区間だらけでマトモな走行が出来ず、当時の無駄な公共事業ブームでポピュリズムに浸かって良いものかと一石を投じた書籍を読む限り、少なくとも東九州道の概念が出てきた1966年当初から、日豊海岸沿いの道路環境改善の足掛かりはあったと言える。

 東九州道は「高速自動車国道」と呼ばれる、道路法の根底に基づいて整備されたもの。民営化を前に料金収受で建設・維持管理するのは採算上の問題が生じたことから、国と地方自治体が税を負担して整備した新直轄道路である。この際、大分県や宮崎県も税負担で整備したことから、理論上は道路法のルールに基づいた「国道」でもある。

 国道という大義名分があるならば、国道388号のバイパス道路が事実上の東九州道と拡大解釈することは、ややオーバーだとしても一理あろう。コレならば法律上は「酷道」は解消されたと言い切れる。但し、蒲江~北浦は国道388号バイパスではなく単独の高速自動車国道として整備してしまったため、国道388号自体は旧道とは見なされない。

 これを踏まえれば、

  • 蒲江町・北浦町の自費で建設した広域農道で、まず、県境部突破の問題は解消。
  • その上で、道路法に基づく国道388号の迂回路は、計画線に浮かんでいた東九州道の整備を代替とした上でクリアーした。
  • 物理的・論理的ながらも擬似的な「酷道」は解消されたため、見かけ上の県境部の酷道は残っても、行政も利用者も特に問題視する必要はない。

 となって現在に至るのが着地点だろう。

 大分県と宮崎県に関しては、法律上のスキを突いて裏ワザ的に酷道を解消することが出来たが、1993年に大幅延長した宮崎県~熊本県に関しては、そうした裏ワザ的な手法が無いため、全区間で県税負担(一部は国の補助も入る)で線形改良工事・バイパス道路の整備が必要になってくる。蒲江~北浦以上に沿線人口が少ないため、もはや絶望的か。 

ゆえに、高速道路は必要だ―ネットワーク日本、めざして
 

広島呉道路⇔広島高速 乗り継ぎ割引

corp.w-nexco.co.jp 広島高速広島呉道路との連続利用を増進するため、坂料金所を軸に広島高速へ乗り継ぎした場合、または広島高速から広島呉道路へ乗り継ぎした場合、広島呉道路の通行料を値引きする。

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 対象となるのは、広島高速⇔坂料金所以南を連続利用する場合。但し、仁保ICを入退場とする場合は割引の対象から外れる。他にも、広島高速で完結する走行が考えられる一部のインターチェンジ(間所・府中・東雲・出島)も対象外。

 割引額は普通車で150円となっており、たとえば仁保→呉の場合は、普通車で940円となるが、割引適用後は790円休日割引の場合は570円となるため、土日祝日で広島呉道路を全部走行する場合は約40%近い割引を受ける計算となる。広島高速の部分自体は別料金となっており、山陽道・都市高速広島東JCT~仁保ICまで走行する場合は、従来通り普通車で730円となる。

 広島呉道路と接続する国道31号や、その周辺道路の混雑回避を理由に、実質的な初乗り料金を割り引くもの。遠方客が呉方面に向かうに便利そうだ。