そらマメさん道路局

以前のブログから、道路関係と一部の公共交通の話を分離させたもの。鉄道関係・新聞流通の話は、別ブログで。

トリガー条項を今国会で廃止するように(客観)

 無理やりガソリン価格を25円マイナスにする国民民主党の案「トリガー条項発動」よりも、日本政府が実施している燃料価格高騰対策(概ね全国平均170円台をベースに、過剰分を税金で補填)の方が理に適う。どちらも国民生活の混乱回避と、安定した原油の供給を目的としたものであるが、トリガー条項のイケない所は「減税した分、それに置き換わる税金をどのように確保するのか」という課題があるため。

 ガソリン税は「揮発油税」(1L=48.6円)と、ガソリンなどの揮発油を製造した事業者・販売会社などに充てる「地方揮発油税」(1L=5.2円)を組み合わせて消費者に提供している。小売の際にはそれに消費税も加わる。

 もしもトリガー条項を無理やり発動した場合、確かに一時的な減免という形で1L=28.8円まで引き下がる。しかし、減免分をどのように賄うかまでは、日本政府や国土交通省財務省与野党との間で具体的な結論が出ず、しかもトリガー条項凍結解除の手続きや、実際に運用となった場合の法律を議論・可決成立するには、今国会で成立させるのが極めて難しい。

 そもそもは旧・民主党時代(2010年代)に作られた法案であり、当時は政局面での観点から導入した経緯がある。であれば、時代にそぐわないトリガー条項は潔く今国会で廃止し、迅速に国民生活の混乱回避と、安定した燃料供給の維持を狙う必要があることを、岸田首相や国土交通大臣などが説明していくに他ならない

 ある種、トリガー条項の有無というのは、野党のポピュリズム的発想でもある。折り合いが困難と判断した場合はレガシーな法律を廃止し、より現実的な着地点を模索して提案するのも野党の仕事ではないだろうか。

 ちなみに、かつては道路特定財源(所轄は国土交通省)と呼ばれる独自の税金システムがあり、割高に課税する代わりに道路整備・維持管理の方に割り当てていたという経緯がある(後に、財務省所轄の一般財源に切り替わっている)。2008年のリーマンショック前に起きた極端なガソリン価格高騰の時、消滅した政党の案として、道路財源を活用してガソリン価格を減免する(実際には後日還付方式で対処)という考えがあった。今の日本政府の対応は、その時の案を応用したアイデアといえる。