昨日は休刊日を活用して愛媛県へ。前回の「松山道・大洲止まり」のリベンジであり、大洲南(北只)インターで終わっていた松山道のような路線(四国横断道)をコンプリートするのが目的。ETC休日割引が適用されないため、密かに貯めていたETCマイレージ5,000pt(5,000円分の無料通行権)を発動させる形で減免決行させた(毎回思うのだが、全国共通で割引封印をするのではなく、既に解除された地域は経済活動の観点から復活、緊急事態・蔓延防止が続いている所は引き続き封印で良かろうに)。
まず、はじめに。
大洲インターで法律上の扱いが大きく異なり、大洲インターより東側(松山・高松方面)は四国縦貫道、大洲インターより南側は四国横断道となっている。松山都市圏や瀬戸内海沿いに面した縦貫道と異なり、横断道は漁港の街である宇和島など、一部に経済圏がある他は総じて交通量や人口規模が少ない。
こうした経緯から、JH→NEXCOに切り替わる前の民営化議論では、料金収入だけで維持管理が出来るものかという問題が出てきており、2004年の北只~西予宇和の開通を最後にJH→NEXCO西日本による有料道路整備は終了。西予宇和以降の四国横断道に関しては、国土交通省が維持管理・建設する形で段階的に整備され、2012年に宇和島北ICまで延伸して、宇和島道路と直通している。
大洲道路・宇和島道路の扱い
当初、大洲道路・宇和島道路を管理する国土交通省は、この部分は松山道ではないことを強調しており、明確に別枠として案内していた。その後、高速道路ナンバリングの策定に伴い、完全に分離した状態では利用客が混乱する恐れがあることから、建前上、この2つも松山道として案内するように変更されている。
ただ、それは国土交通省管内の話であり、NEXCO西日本は全く違う対応をしている。たとえば北只ICと接続する国道197号の案内では、松山方面の最寄りインターを「大洲」と指定しており、松山道に編入されたはずの最寄りインター・大洲南インターは無視している。
また、NEXCO西日本が管理する松山道(四国横断道)もインターの案内を簡略化するなど、「あくまで国土交通省がやってること」として縦割り的に対処している様子が印象深かった。
その逆も同然で、国土交通省管理区間にはナンバリングを示す「どんぐりマーク」は全く登場しないし、出口標識も宇和島南インターより南側を除き、案内がメチャクチャ。地元の人には分かっても、他県から来た人には「?」と思うかもしれない。
ちなみに「○○市街」といった案内をする時、ローマ字の部分は「Central ○○」と刻まれることが多い。しかし、四国地方整備局管内では「CITY CENTER(シティセンター)」と呼ばれる独自の表現を使う。九州や中国地方では「Central ○○」という表現が一般的であるため、四国島をよく知らない私にしてみれば、なかなか興味深い印象を受けた。
実は有料化も見越している「西予宇和~宇和島北」
元々がJH整備による有料道路として計画されていたため、西予宇和インターと三間インターの2つは、料金所を設置できそうなスペースを確保。もしも自治体の要望で4車線化と引き換えに有料化を提案してきた場合、国が承諾すればNEXCO西日本管理の有料道路に切り替わる。
宇和島北インター付近には料金所設置を見越した空き地が確保されていないため、もとから宇和島以南は完全に国土交通省主体で高速道路を整備するか、もしくは当該部分のみ無料という方針だったかもしれない。もしも宇和島北インターまで有料道路だった場合、三間インターの本線部に料金所を設置し、そこで有料・無料の切り替えポイントを作っていた可能性も考えられる(山陰道・斐川インターのような構造)。
ちなみにコレは私見だが、無料自専道として出発した西予宇和~宇和島北の部分に関しては、私としては有料道路で整備する方法もありだったかなと思う。国道56号現道と比較しても速達効果が大きいことや、大洲~宇和島の部分はどちらも立派な経済圏として需要があること、盛土区間が多い割には付加車線の機会が殆どなく渋滞・旅行速度の低下が著しいほどに発生していること、北只~宇和島北を有料区間まで挟んで考えたとしても、普通車わずか600円程度で完走できることを考えると、さすがにソレは……となる。
もちろん、瀬戸内海沿いとは経済規模が決定的に異なるため、その辺を勘案して通常よりかは2~3割程度安くした上で運用するのが落しどころではないだろうか。
西予市パーキングエリア構想
あまり知られていないが、NEXCO西日本が管理する飛び地区間(北只~西予宇和)には、パーキングエリアを誘致できそうなスペースがコッソリと隠されている(西予宇和インター2km手前)。この部分は会計検査院からも指摘を受けている物件であり、愛媛県議連でも本線上にPA誘致を求める決議案が出るなど、本来はちゃんと有効活用しなければならないスペースである。
report.jbaudit.go.jp その割にはNEXCO西日本は無関心を貫いているが、コレは単純な話、1区間しか有料道路がないことや、国土交通省がETC2.0も活用した上で道の駅への誘導を勧めていること、更には償還や維持管理の観点から割に合うものかという話もあり、慎重にならざるを得ないためである。PAの誘致を愛媛県や西予市も負担するのであれば、東九州道・佐伯弥生PAのように誕生する可能性はあるものの、そうした話が聞こえてこないあたり、西予宇和インター隣の道の駅で代替できるため、無理して誘致を進める必要性は薄れたと考えられる。
そもそも、松山道は松山インターより西側にあるSA・PAの駐車マスがやや狭い。しかも大した交通量じゃないという理由で、無理やり樹木を植えて駐車スペースを減らしているため、データイムではそれなりに駐車していても、ナイトタイムは意外と空いている状況なのだろう。大洲以南なら尚更である。
愛南内海への延伸後に、もっかいフェリーで南予に行こか。
現在は旧・津島町の津島岩松インターが、見かけ上の松山道の終点となっている。但し、コレも延伸で通過点となり、最終的には高知県との県境に近い愛南町中川地区付近で松山道が終点となる見通し。
津島岩松~内海インター付近までは既に工事が進んでいるが、内海~宿毛(県境部)はつい数年前に事業化されたばかりで、全然着工がない。この部分の完全開通は、あと10年以上待っておくことになる。無事に一本化した暁に、もっかい国道九四フェリーで八幡浜→大洲まで向かい、今回のドライブで未遂に終わった中村宿毛道路へ出向いてみたいな~と思う(その前に行きそうな予感が先だけど)。