そらマメさん道路局

道路関係と、一部の公共交通の話・郵便局めぐりなどがメイン。

無料の高速道路を、実質的に白紙撤回へ

www.mlit.go.jp 定期的に実施される国土幹線道路部会の審議だが、今回の議論のポイントは下記の通り。

  • 集中工事、あるいは大規模リニューアル工事を行う場合は、利用者への情報伝達を引き続き行い、工事期間中は適切な規制法・迂回路誘導を模索する(迂回路がない線区に対する付加車線の増設も勘案)。
  • 過積載車両への制裁強化(ETC2.0などのビッグデータも活用)
  • 4車線化工事の推進
  • 自然災害に対する避難場所の確保、SA・PAの防災拠点化
  • 老朽化した橋梁・トンネルの付け替え工事(リニューアルプロジェクト)
  • ETC専用化
  • AIを活用した経路案内・交通情報の提供
  • 他の公共交通機関との融合
  • 渋滞の物理的対策(拡幅・環状線整備など)
  • 観光周遊の強化(ETC周遊割引の本格的実装)
  • 無料路線の白紙撤回(自治体からの要請があった場合のみ)
  • 永久有料化
  • 有料と無料が混在する場所は、基本的に有料道路で共通化

 以前から議論されていることと殆ど大差がなく、あくまでも有識者と国との会合で意思確認をしただけと言える。

 自治体の希望で有料化に踏み切る路線がある場合は、公募制で各都道府県から1路線かつ、総合距離が100km未満に収まる範囲内であれば、最初の申請に限り国が全額負担(財政投融資などを活用)するという手立てがあっていいのでは?

(参考)私の有料化すべき線区案(西日本)

あなたにとって、高速道路とは何ですか?

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言い方を変えれば「冷やかし」

九州道開通50周年

 1971年6月30日に、九州で初めてとなる都市間高速道路・九州自動車道が開通し、今日で満50歳を迎えた

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当時の起点だった植木インターより、記念入口標識カードを提示。

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こちらは当時の終点だった熊本インター。

 1971年地点では、現在の熊本市北区にある植木インターと、東区にある熊本インターのたった1区間だけしか開通しておらず、実質的には国道3号の迂回路のような存在でしか無かったが、その後は北へ南へ延伸していき、1995年の人吉IC~えびのICの開通を以て1本に繋がった。

 他の道路では開通○○年記念みたいな話題をするものの、九州道に至っては、特に開通50周年を記念したイベントなどは開催していない。50歳という一つの節目であると同時に、開通から半世紀が経過した以上、ねぎらいや昨今を振り返る話題が持ち上がってもいいだけに、少しガクッと来た感じはある。

 まあ、個人的にお祝いすることぐらいは出来るだろうと、ソロで九州道50歳アニバーサリーツアー(謎)を開催。九州道最古の休憩施設である北熊本SAに立ち寄り、そこでカレーと熊本ラーメンがセットになったものを朝から食ってた。

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半世紀後も安全・安心の実現を勝手にお祈りしながら、朝飯。

 自治体や高速道路会社などが無関心に近く、今日の北熊本SAも特に何事もなく普通通りの朝を迎えたものの、私は敢えて持ち上げずに、いつも通りの「九州道の日常」をありのままでいることも、一つの答えだと考える。どっかの路線みたいにド派手に持ち上げることなく、本日も普通に九州道という一つの大動脈がイキイキしているだけでも幸いなことである。

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50年目の節目であろうが、そのままの姿で運用されているだけでもありがたい。

 熊本県区間九州道は、現在でも球磨川流域の国道219号が復帰せず、無料開放状態が続いて生活困難な情勢が続いている。数日後には悪夢の集中豪雨(線状降水帯)が発生する恐れがあり、せっかく回復しつつある球磨川流域の生活再建に水を差しかねない事態が差し迫っている。かと思えば、数年前には熊本地震の影響で長期の通行止めを食らい、九州の交通網が大きくマヒする事態も生じている。

 改めて、九州道という一つのハイウェイが、これほどまでに日常に溶け込んでいるか、よく考える必要があるのではないだろうか。安直なインフラ批判はせず、無くなった時の経済損失や今後の防災・老朽化した九州道に対する根本的治療・改善への投資を行いながら、100歳になった時に「米寿の九州道、おめでとう」と素直に言える時が来ることをお祈りしつつ、開通50周年という一つの区切りに思いを馳せる。

江津道路の領収書

 春先のドライブでは様々な高速道路を走ることが出来た。その中で高速道路ではあるものの、扱いとしては一般国道のバイパスとなっている有料道路の領収書がどのようなモノか、ご紹介しましょう。今回は、国道9号江津道路

 江津道路は山陰道の一部として運用されている有料道路で、島根県江津市浜田市を結ぶ国道9号のバイパス。同じ島根県内にあるもう一つの有料道路・安来道路と比較すると、どうしても石見地方は人口が少なく、利用客も通勤時ですら殆ど使われていない。通過主体として活用するにも微妙な路線である。

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江津道路の領収書(江津西→江津)

 江津西→江津の間をワザと現金で通行してみたが、元々、浜田道と接続・一体化して運用されているため、領収書(利用証明書)のフォーマットは他のNEXCO線と全く同じ。路線名も記載していないため、パッと見、コレだけだと高速道路と一般有料道路の違いを見分けるのは困難である。

 一方で、江津道路ならではの光景も見られる。

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江津西インター

 江津道路にある3つのインターチェンジのうち、途中の江津西・浜田東は入口レーンが1基しかない。そのため、ETCと一般利用客がゴッチャになり、通信エラーや通行券受け取りの際、うっかり前の車が停車していることに気付かずに激突する恐れがあり、大変危険な構造をしている。ただ、通過主体であっても、江津道路本線部の1日平均交通量が2,000台程度で推移していることを勘案すると、コスト削減の観点から入口を1箇所に絞るのもやむを得なかったのかな、とも思う。

 また、2つの料金所は通行券受け取りが「手動」になっており、係員が非ETC車両であることを確認すると、備え付けのボタンを押して通行券を発券する。この方式は昭和~平成初期までは結構各地で見られたが、現在は自動発券装置で自動識別→発券というプロセスを採るため、なぜココが手動方式で残されたのかは不明である。

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江津西インターの通行券。ナンバー識別が無い旧式で、通行券の文字も他と異なるオレンジ券。

 安全な場所に待避してオレンジ券を撮影。後で確認したところ、高速自動車国道の通行券にありがちなナンプレ下2桁の文字列が刻まれていない。これは即ち、建前論としては浜田道と一体化する形で高速道路ネットワークを運用してはいるものの、あくまでも一般有料道路であることから、その有料道路の運用方式で対処してるというメッセージだろう。まあ、本気でキセルをやろうとしても、ナンプレや車両情報などは監視カメラで確認できるため、取り立てそうした問題は解決済みだし、何ならETC利用を強制化させればいいだけである。

 江津道路より東側は国土交通省島根県が主体となって、山陰道(一般道乗り継ぎを含む)を整備する方針になっており、端から見るとNEXCO線は盲腸線のように存在するだけ。ただ、特に沿線が何も言わないあたりは、別に有料であっても異論はなく、従来通り国道9号旧道を利用すればOKという程度の認識なので、このままでいいのだろう。下手に無料化して交通量が増えるのも困りますし。

四国島ドライブの後日談

 4月11日~12日の新聞休刊日を活用し、ゆきは山陽道新名神・神淡鳴道ドライブを行い、高松市内のビジホに宿泊後、2日目のかえりは四国島ドライブを行った。これ自体は2ヶ月以上も前から計画していたものだが、そのルートが急遽変わった。

 当初は一旦、高松市内でビジホに宿泊後、2日目は鳴門ICまで戻り、そこから鳴門~徳島をドライブして、飛び地開通となっている徳島南部道に出向き、取材が終わったら北上して高松道往復を実現しようと考えていた。ところが、徳島ICで退出後に南部道へ行こうとしたら、徳島市内の渋滞に引っ掛かってエラい目に遭い、予定していた時刻を大幅に過ぎてしまう事態が発生した。それ以前に、SA・PA見学で時間を取られたのもあるし、そもそも南部道ってどこから乗るのよ?って話もあったんだけど。

 そのため、南部道へのアクセスは諦め、再び徳島ICに戻ったが、「ココで高松道に戻るよりも、先ほど通ってきた徳島道を素直に川之江まで走った方が、早い段階で下りレポートが完成する」と判断。徳島ICから西へ進んで、予定には無かった徳島道下りを全線走破してしまった

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徳島道ドライブは、四国島のハイウェイでは最後に行う予定でした。

 実を言うと、徳島道は四国島の高速道路では一番最後に公開しようかと思っていた路線で、COVID19流行が収まった後で登場する予定の周遊割引で一気に片付けてしまおう、という作戦を立てていた。それが一気に優先順位が真逆になってしまったため、次に四国島に来た時は「んー、どうしよう」と考えていたりする。

 川之江高松道に戻り、ホテルに泊まった高松中央ICで再度Uターンして、瀬戸大橋経由で帰るというのも案として浮上したが、ココまで来ると、逆に高松へ戻るのは周遊割引でもない限り、勿体ない。大人しく松山道経由で松山・大洲へと向かい、八幡浜・伊方を通って国道九四フェリーに乗船。大分から自分の家へ帰るのは、東九州道を走る時ぐらいしかないのだが、一応、今年の目標では94フェリーに乗りたいと考えていたため、公約は果たした。

 実際のところ、三崎港で国道九四フェリーに乗る場合、もしくはしまなみ海道山陽道経由で帰る場合であっても、月曜日は通常料金となるため、どのみち運賃(料金)・所要時間はそんなに変わらない。これを考えると四国→九州への帰還は、大洲以南の松山道レポート作成に含みを持たせる意味でも松山・大洲回りで行く方が後々困らない

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しまなみ海道経由で帰ろうかな……と思ったが、どのルートを通っても料金は大差ない。
なら、思い切って大洲まで向かい、その先に「含み」を持たせよう。

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国道九四フェリーを使って、四国島から脱出。
当時は雨が酷かったため、波が荒れて船酔いしていた。

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九州に上陸後、大分市内の渋滞に揉まれながら東九州道大分道に戻るも、お馴染みの濃霧に見舞われる。あと一歩遅かったら、キリによる通行止めを食らう所だった。

 この選択肢は正しかったのか不明だが、一応、四国は「縦断」したことになる。次に四国島に行く機会はあるのだろうか……。

 

木与防災

www.cgr.mlit.go.jp

 E9山陰道の一部として整備される「木与防災」は、阿武町木与地区~宇田地区を通る国道191号のバイパス道路。国道のスグ隣に日本海と面していることから、異常気象時は高潮に晒されやすい(東日本大震災級の地震が起きた場合、震源日本海の場合だと確実に大津波が起きる)。この区間は迂回路が全くないため、現道拡幅や防波堤の整備による小手先レベルの修正はせず、南側に改めてトンネルを掘ってバイパス化する方針。

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起点の木与IC(仮称)付近。地ならし段階で、穴を掘る気配はない。

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木与~宇田郷の間に立ち塞がる海岸線。迂回路がないため、異常気象時は命懸けである。

 木与地区から建設がスタートしたのは、もちろん防災強化もあるが、同時に阿武町区間は他の山陰道沿線自治体の中で、最後まで取り残されていた線区でもある。まずは木与防災から穴掘りに着手し、必要に応じて、防災強化を理由としたバイパス道路の新設が進んでいくことだろう(宇田郷地区・奈古地区などは、木与防災並みに海岸線に接した場所を通過するため)

 晴れている時は日本海を思う存分楽しめるが、冬場に通った時はただ寒いだけで、高波が舞って結構荒れた景観しか感じられなかった。日本海は厳しい。

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日本海の冬。演歌に出てくるような荒波ばかりで、シバれる。

寒曳山PA上り その後。

soramameroad.hatenablog.jp 3月31日18時を以て、浜田道・寒曳山PA上りの売店は営業を終了。

 その後どうなったかというと、5月6日の地点では建物自体は残されている。但し、施設内に立ち入ることは出来ない。また、浜田道唯一のハイウェイスタンプも撤去されてしまったため、捺印を希望する場合はNEXCO西日本の本社、または中国支社にスタンプブックを直接送付することで対処している。

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建物自体は現存。施設内にあった自販機は、数を減らして外に出している。

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以前はトイレ側からも売店に入れたが、現在は封鎖されている。

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寒曳山PA上りスタンプを押し忘れた場合は、本社または中国支社におたずね下さい。

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この建物、今後どうなる?

 今後、購買施設が下り同様に解体されるのか、もしくは次のテナントが出店するまで保留するのかは不明。

山陰道、ひとまず全線区走行完了のご報告 ◇

 5月5日と6日に分けて山陰道(松江・出雲⇔浜田・益田)を走った。高速道路レポートが一本に繋がった暁には、2021年現在で下り方向(鳥取→小月)に限り、全線区走行完了となる見通し。時間は掛かったものの、取りあえず「偉大なる山陰道」の旅路にピリオドを打つ形となった

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今回初めて走った「朝山・大田道路」。
大田市中心部までは、松江・出雲都市圏の影響で交通量が多い。

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これも初めてとなった「仁摩・温泉津道路」。
通勤時間を過ぎたのもあるが、大田中央ICより西側はそんなに交通量は多くない。

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現道活用の形でごまかしてる、例の浅利渡津線。ココも無事に走行。

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現段階では最後の線区となった「浜田・三隅道路」。今後の延伸に期待!