春先のドライブでは様々な高速道路を走ることが出来た。その中で高速道路ではあるものの、扱いとしては一般国道のバイパスとなっている有料道路の領収書がどのようなモノか、ご紹介しましょう。今回は、国道9号江津道路。
江津道路は山陰道の一部として運用されている有料道路で、島根県江津市と浜田市を結ぶ国道9号のバイパス。同じ島根県内にあるもう一つの有料道路・安来道路と比較すると、どうしても石見地方は人口が少なく、利用客も通勤時ですら殆ど使われていない。通過主体として活用するにも微妙な路線である。
江津西→江津の間をワザと現金で通行してみたが、元々、浜田道と接続・一体化して運用されているため、領収書(利用証明書)のフォーマットは他のNEXCO線と全く同じ。路線名も記載していないため、パッと見、コレだけだと高速道路と一般有料道路の違いを見分けるのは困難である。
一方で、江津道路ならではの光景も見られる。
江津道路にある3つのインターチェンジのうち、途中の江津西・浜田東は入口レーンが1基しかない。そのため、ETCと一般利用客がゴッチャになり、通信エラーや通行券受け取りの際、うっかり前の車が停車していることに気付かずに激突する恐れがあり、大変危険な構造をしている。ただ、通過主体であっても、江津道路本線部の1日平均交通量が2,000台程度で推移していることを勘案すると、コスト削減の観点から入口を1箇所に絞るのもやむを得なかったのかな、とも思う。
また、2つの料金所は通行券受け取りが「手動」になっており、係員が非ETC車両であることを確認すると、備え付けのボタンを押して通行券を発券する。この方式は昭和~平成初期までは結構各地で見られたが、現在は自動発券装置で自動識別→発券というプロセスを採るため、なぜココが手動方式で残されたのかは不明である。
安全な場所に待避してオレンジ券を撮影。後で確認したところ、高速自動車国道の通行券にありがちなナンプレ下2桁の文字列が刻まれていない。これは即ち、建前論としては浜田道と一体化する形で高速道路ネットワークを運用してはいるものの、あくまでも一般有料道路であることから、その有料道路の運用方式で対処してるというメッセージだろう。まあ、本気でキセルをやろうとしても、ナンプレや車両情報などは監視カメラで確認できるため、取り立てそうした問題は解決済みだし、何ならETC利用を強制化させればいいだけである。
江津道路より東側は国土交通省と島根県が主体となって、山陰道(一般道乗り継ぎを含む)を整備する方針になっており、端から見るとNEXCO線は盲腸線のように存在するだけ。ただ、特に沿線が何も言わないあたりは、別に有料であっても異論はなく、従来通り国道9号旧道を利用すればOKという程度の認識なので、このままでいいのだろう。下手に無料化して交通量が増えるのも困りますし。