NEXCO各社が工事予告に使う表現に、「集中工事」と「大規模リニューアル工事」(他にも微妙な言い回しあり)というのがある。
ザッと言えば、前者は「道路の補修工事を短期的に実施するもの」、後者は「通行止めクラスの、ケタ外れで大掛かりな工事」という解釈。
集中工事と大規模リニューアル工事の違い
集中工事は元々、交通量が極端に多い東名・名神において、ちまちまと小規模の補修工事を実施していたものの、それだと事ある度に渋滞が発生してしまう。そこで、一連の工事を一括して短期的に実施し、それ以外の期間は緊急時を除いて通行規制を行わないように考案された。集中工事の期間中も渋滞は発生するが、1年間を通して見てみれば、渋滞の回数と距離を抑制できるため、単純な道路施設の更新程度であれば、集中工事の方が得策。
一方、大規模リニューアル工事は、東日本大震災などの大規模災害や、2012年に起きた笹子トンネル崩落事故の教訓を活かし、老朽化して崩壊の危機にありそうな道路施設を、丸ごと新品に置き換える工事。最初の開通から50年以上が経過して、道路施設に相当のガタが来ているため、同じ崩落事故を繰り返さないよう、出来るだけ早期の措置が必要になってくる。具体的には、橋げたそのものや橋の床板自体を交換したり、トンネル内であれば道路の真下にある鉄筋コンクリートや地盤自体の強化などを伴う。
集中工事の場合は車線を減らしてもどうにか運用できるが、大規模リニューアル工事は車線自体が塞がってしまうため、通行止めの措置が必要になってくる。そのため、分散できる高速道路が近くにある場合は、そちらに迂回して頂く一方で、分散できない場合には一時的に反対側の車線を借りて、無理やり対面通行で運用するのが一般的である。
周知方法
NEXCO中日本の場合
tomei-info.com 東名高速などを扱う中日本会社線の場合は、元々は東名・名神・東名阪程度の告知しかしてこなかったが、その後、中央道・北陸道といった別の幹線道路も周知が必要と判断。現在は、東名とその周辺道路をまとめた「東名軸」、及び「中央道」「北陸道」「中京圏」の4ブロック体制で周知広報を行っている。
NEXCO東日本の場合
www.e-nexco.co.jp 東日本会社線も、一時期は工事情報が乱立していたが、リニューアルプロジェクトがスタートした後は出来るだけ共通の場所から、規制情報を発信するように改善されている。
NEXCO西日本の場合
www.w-nexco.co.jp 西日本会社線の場合は、地域ごとに周知広報が極めてまちまちであるため、常時、公式サイトで告示される工事予告を見るしか手立てがない。
工事期間中に気をつけること
不要不急の外出はしない
大規模リニューアル工事や高速出入口の規制など、迂回路が制限されている場合、不要不急の外出は控えること。一応、乗り継ぎ料金調整を実施することが多いものの、均一料金制の中央道や名古屋都市圏・京阪神地域ではETC限定になっている事例もあるため、別の公共交通機関で連絡することが出来る場合は、それで迂回する方が賢明だろう。
やむなく高速道路を利用する場合は、迂回路の確保や渋滞発生時刻を推測し、それに見合った行動を取ることが、遅延回避の決め手となる。
旅行速度を自粛すること
本来の工事規制区間よりも随分と前から車線規制を加えるが、これは作業車両の運搬や、車線減少時の追突事故を回避するために、ワザとそうしている。工事規制区間に差し掛かったら、時速50キロ程度まで旅行速度を低下させ、確実に指定された車線に合流すること。
混雑が発生した場合は、ハザードランプ点灯を
追突防止のマナーである。前方車両が混雑している時は、ハザードランプを点灯させて減速を促せるよう、協力するべし。
2020年度・春の [E1] 名神集中工事、始まるよ。
今年はNEXCO中日本が周知広報の当番になっているため、CMのデザインは、中日本会社線で見られるアノ画面になりそう。一度でエエから、中日本会社線側にいるコンシェルジュの女性スタッフの服装を、意図的に西日本会社線に合わせて欲しい、ってコスプレかい()