そらマメさん道路局

以前のブログから、道路関係と一部の公共交通の話を分離させたもの。鉄道関係・新聞流通の話は、別ブログで。

ユキによる立ち往生がなくならない理由

 豪雪になるとユキが原因で身動きが全く取れなくなる事案が多発している。

国土交通省HPより

 残念ながら、いくら行政の力で不要不急の外出を呼びかけようが、力業で通行規制をかけようが、絶対に立ち往生はなくならない。これは単純な話、利用者は不要不急の外出をしてる訳では無いからである。中にはマジもんで不要不急の外出をしている人も居るだろうが、大抵は通勤や物流目的で移動するドライバーが大半であり、様々な複合的事案が重なり合うことで生じてしまう。

立ち往生が起きる根本的な原因

着雪地帯における住人の移動

 豪雪地帯では大ユキが降ろうが、スタッドレスタイヤやチェーン装着を前提に通勤する必要があり、通勤ができなければスグに生活に直結する。よって、不要不急の外出には当たらない。根本的に移動を全面禁止する場合は、緊急事態宣言並みの強権を発動させ、生活費・除雪に掛かる費用を国が全額保証する必要があるものの、それではいくら予算があっても足りない。

高速道路の通行規制

 主要幹線道路に並走する高速道路があるにしても、あまりに酷い着雪が続けば、タイヤ規制であっても通行禁止となる。すると、強制的に近隣のインターから退出しなければならず、そこで料金所待ちによる渋滞が発生し、済し崩しでユキに埋もれる。

 高速道路が通行不能になると、本来の一般道路ではあり得ないほどのキャパ不足になるため、渋滞→ユキだまり・スタックにハマる→身動き取れずにそのままサヨナラ~、となる。大抵はこういうパターン。

不慣れなドライバーによる迷子

 高速道路から仮に出られたとしても、猛吹雪の状況下では見知らぬ土地で迷子になる恐れもあり、運悪くユキだまりにハマれば、後は察しの通りである。

 また、高速道路に並行する一般道路が1本しかない地域の場合は、移動手段が大幅に限られるため、ユキに埋もれる危険度がグッと上がることになる。北陸地域を中心にスタック連発が起きるのは、これも原因の一つ。

物流は止められない

 猛吹雪で着雪があまりに酷い地域の場合、意外と地域住民は必要最低限の移動を以て、天候が回復するまで様子見を行う。一方、トラックの場合は物流を止めることが事実上不能であり、強引に物流を止めれば、今度は商品が店舗や製造工場などに届かなくなるため、生産・販売が不能になる。それでいて二次被害が全国民に広がってしまう。

 荷受けによっては時間制限を厳しく守らなければならないモノもあるため、経路次第では多少の覚悟をしてでも豪雪地帯へ突っ切るドライバーもいる。で、ユキにハマって(以下略)

非・豪雪地帯における無理解

 立ち往生のニュースが出たとしても、現地の人以外(特にワイドショーなんか)は「そんな所に行くからだ」と他人事のように厳しく批判する。豪雪地帯に対する無理解・無関心である。

 また、多少の着雪がある地域でも、「九州のユキと同じなんでしょ?」と過小評価してしまうため、無理解も相まってスタック・ユキだまりにダイブ→そのままユキに埋もれてGAME.と繋がる。

除雪 < 着雪

 非・豪雪地帯における無理解・無関心に繋がる話だが、除雪車が必死になってユキかき作業を行うことで、タイヤ規制という条件さえ守れば、意外とどうにかなると考えてしまうフシがある。だが、実際の現場はそんな単純な話ではない。除雪をしても、降雪・着雪量が多ければ、除雪車をフル稼働させても全く処理しきれない。

そもそも猛吹雪の状態で除雪した所で、ガス抜きに過ぎない。

 行政や道路管理者による注意喚起や、万が一発生した時の切り札として陸上自衛隊を派遣するといった光景をニュースなどで見かける。困った時はお互い様ではあるが、もとを辿れば「道路交通量のキャパ不足」+「着雪のスピードが速すぎる・超低温でユキだまりが起きやすい」+「無理解・物流のコントロール不能」の悪条件が重なり合うことで起きる悲劇といえる

教訓

 国の方針も含め、教訓をまとめると、

  • 前提条件として、ユキによる立ち往生は、100%無くならないと誓うこと。「自分が立ち往生の原因を作るかも……」という心構えを常に持つこと(抑止力に繋がる)。
  • 大ユキを過小評価しない(特に非・豪雪地帯の方々)。
  • 不要不急の外出はしない。
  • チェーン・スタッドレスの装着は当然だが、着ければ安全と過信しないこと。
  • 買物や通院などは、豪雪になる前にできるだけ済ませる。
  • 非常食を最低3日以上は確保。
  • 車の中にも非常食を2~3日以上確保。
  • 車の中には、チェーン・手袋・けん引ロープ・ブースター・懐中電灯・スコップ・使い捨てカイロを常駐させる。
  • 水道管破裂を回避するため、水を少量でいいので出しっぱなしにする。
  • 貨物車は出来るだけユキがない地域から迂回攻略を心構える。
  • 一軸駆動車・連結車・カラ荷物・トラクションコントロールが利かない大型車は、もれなくユキにハマると考えること。
  • 一度ユキだまりにハマったら、救急車・緊急車・自衛隊は来てくれないという覚悟で。
  • 常に最新の気象・交通情報に気をつける。特に北陸・山陰経由の場合は、Googleマップの渋滞情報で、不自然に黒く染まっている地域(≒渋滞 or 立ち往生が発生した可能性)に注視する。
  • 車間距離を空ける。
  • 坂・カーブ・橋・トンネル出入口は、スリップの常連。

 ユキ国の人たちからしたら当然かもしれないけど、全然関係ない地域だと、これでも他人事のように見えてしまうんだろうねぇ……。

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