www.mlit.go.jp 休憩施設の有効活用に関する審議会が幾度となく実施されているが、いわば2024年問題への対応として、トラック業界が主張する「高速道路における、確実な休憩体制の拡充化」を求めている。
民営化後にSA・PAは劇的に改善されたものの、あくまでもコンシューマー向けのものであり、大型車・貨物車に配慮した造りに関しては今まで軽視されてきた。大型車マスが不十分なことから、業界や政府・NEXCO各社などがそれぞれ対策を練ってきたが、今回の審議会はそのステップアップのような役割を持っている。
プレゼンテーション用の資料をもとに、トラック業界の考える休憩施設の在り方をまとめると、いわゆる全国各地にあるトラックステーションの考えに近い。
- 大型車専用、あるいは兼用駐車場の増強
- シャワーステーション(シャワー・コインランドリー・マッサージチェア)が欲しい
- コンビニエンスストアの誘致(特にE2A中国道)
身も蓋もない話、派手に休憩施設を魔改造するのも結構だが、それに加えて貨物車の利用形態に合わせて、もうちょっと現実的な休憩空間を作らんかいって話である。
自分の場合はSA・PAで飲み食いお買い物はあまりしない、しても「モテナス」ブランドのパーキングエリアで大衆向け定食を食べるぐらいなので、あまりデパ地下っぽくしすぎるのも、反対に立ち寄りにくい。そのため、シンプルさを求めつつも、より手軽に・完結に・長距離移動のお供になり得るサービスの拡充を求める声があるのも頷ける話である。
対策を考えていく。
1.駐車マスの拡充化
現在は既存のSA・PAにある駐車場のレイアウトを見直し、可能な限り大型車が詰め込めるように配置を変更しているが、それを実施しても元々の休憩施設における面積の制約上、せいぜい1割程度しか拡充できない。一方で使用していない休憩施設の「空き地」は野放し状態であり、NEXCO各社の持ち物だとしても、利用者に便宜を図れるようなサービスを実施しているかは、場所に左右されることを前置きしたとしても不透明である。
そこで、今後も使い道がない遊休地・未使用エリアの空き地を、高速道路機構(国土交通省)がNEXCO各社から買い上げ、その地に駐車場を誘致・トイレ等の配備を現代風に転換することで見直す。施設次第では2~3割も増強できる可能性があるため、大型車の移動に対する需要が見込める地域の場合は、バンバンやって頂きたい。
写真はE74浜田道・寒曳山PAの上空写真(Googleマップより引用)だが、特に下りは開通記念碑の部分まで含めると、野放しになった公園が無駄に見えてしまう。そこで、その部分を国が買い上げ、記念碑の撤去やトイレをもう少し奥に引っ込める形でリニューアルする形で、公園部分を駐車場に転換する。元からある駐車場もレイアウトを大きく見直せば、現在よりも3~4割程度は増強可能だろう。
2.無人PAにおける「あったら便利なサービス」の強化
E2A中国道に見られる無人パーキングエリアも、線区次第ではコンビニ等を誘致できる場所は結構ある。そのため、夜間移動に交通量が増大する線区の無人PAには有人のコンビニを、難しい場合は的を絞った上でコンビニ自販機を投入し、様子をうかがう。
また、ウルトラ閑散区間は大型車にしてみたら "ベスト・ウェイ"。現在はランダムで配備しているシャワーステーションを拡充し、高速道路の起点から概ね80km前後の範囲内で上下線共にシャワーステーションを配備する。
トラックステーションを意識した休憩施設を目指す場合、特に廃止に追い込まれたE2A中国道・吉和SAや、時短でどうにかやり繰りしている大佐SA・七塚原SA・鹿野SA等では、「チョッと仮眠できる有料スペース」「いっそ思い切って公衆浴場」の誘致も考えられる。
原則として、そうした休憩施設は大型車優先・小型車敬遠の構造に変わってしまうものの、小型車(いわば一般利用者)でも複雑さを求める休憩施設とは距離を置きたい客向けにサービスを提供することで、差別化・多様化を図れるため、新たなリピーターがつく可能性も秘めている。
3.遠隔インフォメーションの微増
現在のインフォメーションコーナー(ハイウェイコンシェルジュ)は、遠隔操作で客と会話を行う仕組みが使われている。この要領を応用し、廃止に追い込まれたインフォメーションコーナー、あるいは利用客は多いのになぜかインフォメーションが存在しない所などを中心に、リモートインフォメーションを社会実験的に導入する。
4.一定の交通量が見込める場所に、大型車専用の給油施設を
(あすかさんの話)……って、コレって要は「トラックステーションを誘致せよ」ってことだろ^^;
(そらかさんの話)あら、よく気がつきましたね。(主観)