そらマメさん道路局

道路関係と、一部の公共交通の話・郵便局めぐりなどがメイン。

SA・PA駐車場 体質改善工事案

www.jehdra.go.jpwww.c-nexco.co.jpsoramameroad.hatenablog.jp↑の話も参照。

 1月に基山PAを利用した際、下り方向の駐車場のマス目を見直し、大型車の駐車機会を補強するための工事が実施されようとしていた。

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駐車マス見直し前の基山PA下り

体質改善工事後は、大型車と小型車の割合を均等化し、兼用マスで分散できるように配慮。

 政府が考える大型車の駐車機会の向上は、2022年8月から段階的に議論が行われ、昨年12月に基本方針がまとめられた。それによると、短期的には既存施設の有効活用として、駐車場レイアウトの見直しや遊休施設の活用などで補強しつつ、それでは手に負えないと判断した場合には、施設の巨大化や立体駐車場、更には現在とは異なる地に新たな休憩施設を確保するなどして、可能な限りの駐車機会を行っていくことになっている。

 また、即効性を伴う休憩施設利用の一環として、短時間駐車マスの社会実験的導入と、長時間かけて駐車する利用者から一定の駐車料を頂く、コインパーキング(高速道路版のパーキングメーター)の導入なども検討に挙がっている。

論点に対する整備方針案(「高速道路SA・PAにおける利便性向上に関する検討会」より引用)

 ニュースを通じて、高速道路の駐車場が有料のコインパーキングに転換されるという話題を知った人も多いかもしれないが、コインパーキング(高速道路版パーキングメーター)を導入するのは、事前調査やAI監視機能による利用者の出入りやマナーの悪さなどを客観的に分析した上で判断が下されるため、基本的には出入りの激しい都心部しか導入されないものとみている。一方で、立体駐車場といった、大型ショッピングモールにありがちな構造にすることで、同一面積ながらも大量に車を詰め込ませるといった、より現代的な考えも導入される方針で、やはり大都市圏を軸に整備が進むものとみている。

 これをもとに、私なりに「もしも九州の高速道路SA・PAの体質改善工事を実施するなら、どの姿が理想的か?」を作ってみた。その結果がこれ。

E3九州道・E2A関門道

九州横断軸

表の見方:
○=導入すべき、あるいは導入の検討を確実に行う。
★=既に導入されているが、更に改善が可能な場合は必要に応じて実施。
△=効果は限定的か、地形的な事情で導入が難しい
―=導入する必要性は殆ど無い

 大部分が福岡・北九州エリアに偏っているが、他にも熊本・鹿児島エリアといった場所でも、レイアウト変更や施設の増強で体質改善を狙う案件を数多く見かける。また、須恵PAや山川PAのように、レイアウト変更どころか、駐車場の巨大化すら困難な場所に至っては、全く違う土地に移設した上で大幅増強を狙う案件すら存在する。逆に、E10宮崎道などの閑散路線では、レイアウト変更・遊休地の駐車場転換で十分と結論づけている案件が殆どである。

 体質改善が難しいものの、利用機会を少しでも増やそうと暫定的に対処している所では、短時間休憩マスや有料駐車場の導入などを推している所もある。

 これが実現するかは分からないが、2000年代・2010年代の時とは比較にならないほど、休憩施設の利用形態は変わっている。段階的に休憩の機会をしっかり確保できる体制作りを望みたい。