そらマメさん道路局

道路関係と、一部の公共交通の話・郵便局めぐりなどがメイン。

SA・PAの小ネタ (7) SA・PA出口標識

 休憩施設から本線に戻る際、「本線はこっちですよ~」と知らせる標識が、SA・PAの至る所に設けられている。

サービス・エリア又は駐車場から本線への入口(117の2)

 これらの標識は、道路法第46条第1項の規定で「道路管理者は道路の構造を保全し、または交通の安全と円滑を図るため、必要な場所に道路標識または区画線を設けなければならない」と定められている。この典拠に基づき、設置基準や様式などを定めた法律として、「道路標識、区画線及び道路標示に関する命令」(昭和35年12月策定、最終改正令和2年3月 / 内閣府国土交通省令があり、その枠組みに基づいて標識を製作していく形になる。

 標識に関する政令が定まっているものに関しては、交通教本などで目にする、例の5つの標識集(案内・警戒・規制・指示・補助)で明文化されているが、それ以外に関しては、案内・警戒・補助の基本レイアウトを基準に、独自に製作していく形を採る。

 SA・PAにおける出口標識(本線復帰)は、昭和時代から各地域支社や工事・管理事務所ごとでかなりまちまち感があったが、後に技術情報を一元化した上で、JH→NEXCO各社共通のフォーマットが策定されていった。具体的な技術資料は、NEXCO3社+NEXCO総研が製作している「設計要領 第5集 交通管理施設 標識・距離標編」に記載されているため、そちらを参照のこと。

標識の歴史

黎明期は単に「本線(矢印)」のみの記載

英訳表記後は、長らく「THRU TRAFFIC」を併記していた。

ナンバリング制度が導入された後は、スルー・トラフィックに代わり、「EXPWY」という表記に変えてもよいように改正。

 本線復帰の案内は、基本的には「本線」と記載するのが一般的だが、重要な都市へのアプローチにあたる路線の場合、次に到達可能な県庁所在地を表してもよい。

福岡方面はこちら!と案内してもOK。

 「本線」または「重要都市」、どちらを掲示するかは、その地の道路管理者の裁量で決まるところが大きい。たとえばE2A中国道の場合、中国支社が管轄しているエリアは、王司PAを除いて英訳表記なしの「本線」と案内している施設が多いが、南側を走るE2山陽道の場合は、「広島」「岡山」「神戸」「北九州」「本線」など、実に地域性に応じて、かなりバラツキのある案内をしている。

 九州支社管内は、大抵の場所で県庁所在地を案内するが、E10東九州道の宮崎県区間のように、明確な主要地が定まっていない場合は「本線 TRUE TRAFFIC」と案内してしまう事例もみられる。

いろんな「本線」標識を探してみよう

 「本線」または県庁所在地までの案内は、地域差が非常に大きいため、私がSA・PA見学をする時は、一通りその手の標識をチェックするようにはしている。本来ならば全部「本線 EXPWY」とする方がいいのだが、法律で厳しく定められているわけもなく、あくまで案内標識のサポーター扱いであるため、建設過程で常に最適な案内はどうなのかを試行錯誤しているのも事実。

 皆さんも、休憩施設に立ち寄ったら、この手の標識を確認してみてね。中には同一施設で「本線」と「次の県庁所在地」がゴッチャになってる所もあるよ。

(技術屋あすかさん)いろんな「本線」標識を見つけてみよう。

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