高速道路やそれに準ずる自動車専用道路の場合、インターチェンジ標識には独特の出入口番号が振られていることが多い。しかし、高速自動車国道ならともかく、無料自動車専用道路や地方道路公社が所轄する路線等になると、インター番号を空白のままにしているケースが多々目立つ。
インターチェンジの番号を定める理由は非常に単純明快で、「起点から○番目のインター」という考えに基づいている。
例えばE1東名の場合は東京インターが起点となるため、そこは「1」に指定され、以降、増設インター等を加味しながら、終点の小牧インターは「24」を付与。その先で直通しているE1名神はE1東名からの連番扱いであるため、終点の西宮インターは「37」が割り当てられる。
実際にはE1東名・E1名神ともに、後発の増設インターが相次いで建設されたため、いちいち番号を振り直すのは非常に面倒臭い。そこで考え出されたのが枝番号制度で、1つの線区に対して増設インターが誕生した場合は「○○-△」といった具合で微増させていく。結果として、1969年の全線開通後に誕生したインターを含めると60箇所以上にもなり、振り直せば開業当初の2倍近くの数字になる。
このルールに基づいてインター番号を振ればいいものの、空白になっている箇所がある理由としては、
が考えられる。1と2に関しては道路整備の過程から来る問題であるため、延伸に伴って順次解消されていくケースが多い。だとすると、殆どは3・4の「無関心」「飛び地だから」が多数を占める形になる。
標識再現(上記)にもある有明海沿岸道路の場合も、一応、本当の起点は熊本市西区付近だから、まだ福岡県と佐賀県の一部しか開通していないのに番号を振るとは何事か、という説も分からなくはない。ただ、熊本延伸は相当先の話だし、元々は三池港インターを軸に道路を整備した経緯があることを踏まえれば、やはり無関心(単に標識のルールに則って製造しただけ)という説が有力だとみている。
私が一番関心を持ったのは、中津日田道路。ここは大分県(一部、国土交通省建設代行)が整備する自動車専用道路だが、起点となる定留インター(中津港)から日田方面へ向けて、順番かつ丁寧にインター番号を策定している。番号を策定するということは、相当の気合いを込めて中津と日田を縦貫する補充路線の整備を行ってるんだな?と感銘深く感じさせる。
……まあ、インター番号があろうが無かろうが、駅ナンバリングと同様、大抵の人はインター名で呼ぶことが多いため、あくまでも起点(重要拠点)からの通算を分かりやすく可視化する行政サービスと考えたがいいだろうね。
参考文献:設計要領 第五集 交通管理施設・標識編
(東日本高速道路・中日本高速道路・西日本高速道路 / 令和4年7月改定)