そらマメさん道路局

道路関係と、一部の公共交通の話・郵便局めぐりなどがメイン。

SA・PAの小ネタ (11) NEXCO西日本管内における、SA・PAの指定管理者一覧

soramameroad.hatenablog.jp↑の話も参照。

 NEXCO西日本管内の、サービスエリア・パーキングエリアの売店・食堂等を経営する指定管理者一覧(2024年3月現在)。

関西支社

E1名神

E1A新名神

  • 宝塚北SA:光明興業

E2A中国道

E2山陽道

E26近畿道・E26阪和道

E25西名阪道

E27舞鶴若狭道

  • 西紀SA 上下線:光明興業

E93第二神明

中国支社

E2A中国道

E2山陽道

E73岡山道・E73米子道・E74広島道

四国支社

E11高松道

  • 府中湖PA 上下線:西日本高速道路リテール
  • 豊浜SA
    上り:千登世商事
    下り:エリエールフーズ

E11・E56松山道

E32徳島道

E32高知道

九州支社

E2A関門道・E3九州道

E10宮崎道

E34長崎道

E34大分道

E10東九州道

E58沖縄道

  • 伊芸SA・中城PA 上下線:沖縄道路サービス

 NEXCO西日本の休憩施設運営会社である、西日本高速道路サービス・ホールディングスが、一般の民間企業に対して指定管理者の競争入札を実施し、適切な入札と厳しい審査(実質、オーディション)を経て勝ち抜いた企業が、数年単位で指定管理者の契約を結んでいる(中日本・東日本等も同じ)。

特徴的な指定管理者

 特徴的な指定管理者を幾つか紹介する。

ロイヤルコントラクトサービス

www.royal-contract-service.co.jp

 「ロイヤル」と聞いて、ロイヤルホストロイホを思い浮かべる人もいるだろう。それもそのはず。ロイヤルホールディングス傘下企業で、元々は福岡空港内における、機内食・お土産品を製造・販売していたことがルーツになっている。現在のRCS社は、2024年1月1日に旧・ハイウェイロイヤル社を吸収合併したもので、空港での売りさばきノウハウを活用して、日本道路公団(道路施設協会)時代の1973年にめかりPAに参入したことがきっかけとなっている。

 民営化後も旧・JH時代からのご縁で、引き続き、福岡県・佐賀県内を中心にRCS社が指定管理者となって経営を続けている。全国にもRCS社が指定管理者となって入居しているSA・PAを散見するが、福岡人の目線だと「ロイホやんねぇ~」

朝日エアポートサービス

www.aas.co.jp

 「朝日だけに、まさか朝日新聞社?」と思うかもしれないが、事実。正確に言えば、朝日新聞大阪本社の不動産会社である朝日ビルディング社の一事業である法人で、先程のロイヤルコントラクトサービスの事例と同様、大阪空港の機内食製造・販売を行ったことがルーツになっている。「報道・調査会社としての朝日新聞社が、こんな副業に手を出していただなんて……」と思う人もいるだろう。

光明興業

www.kohmei.co.jp 宝塚北SA・西紀SAの指定管理者で、大阪府内を中心に飲食店を展開する企業だが、メインはパチンコ屋アミューズメント施設。多角経営の過程でレンタルスペースや宿泊業・飲食店の経営を進め、そこで得たノウハウをもとに宝塚北SAの指定管理者オーディションに応募した結果、内定となって現在に至る。

アンデルセン

www.andersen.co.jp いわゆるベーカリーショップ(製パン会社 / タカキベーカリー)で、広島市に本社を構える。「パン屋なのにサービスエリアの指定管理者を仕切っている?」というあたり、中国地方(特に広島県内)では有力な地元企業。もちろん、ベーカリーコーナーは焼きたてで御奉仕。

エリエールフーズ

elleair-foods.co.jp 「エリエールって、まさか、あのチリ紙を作ってる所?」と思いがちだが、まさにそう。正確には大王製紙のグループ会社で、産業用機械等を製造するダイオーエンジニアリング社の中にあった飲食部署が独立した企業である。1998年に南国SA上りの営業を受託し、後に指定管理者の範囲が広がって今に至る。大王製紙のチリ紙は……休憩施設にあったかな?

ヒライ

www.hirai-wa.com 緑川PAの上下線でのみ営業している指定管理者。立ち寄ると、まあ、普通の食堂かな~と思いがちだが、一般道路に来れば話は違ってくる。いわば、熊本市に本社を置く企業で、おべんとうのヒライブランドで弁当・惣菜類・オードブルの製造・販売を行うことで知られる。また、独立した店舗(スーパー入居型ではないもの)では、それに定食・麺類の提供も行っており、熊本・福岡人の腹を支える惣菜屋。私も熊本県内の一般道路では、よくココでランチを取る。

宮崎交通

www.miyakoh.co.jp 宮崎県内の路線バス・高速バスを経営するバス会社だが、その関連部署である店舗開発事業が指定管理者となって、E10宮崎道のサービスエリアの購買施設・食堂を経営している。

 E1東名高速などでは、地元のバス会社(あるいはその関連会社)が指定管理者になるケースが目立つが、これは高速バスを走らせる上で、休憩地点、あるいはバス停に併設するSA・PAの購買施設で、そのバス会社がお土産等を仕切らせ、実質的なバスターミナルとしての役割を持たせる意味合いもある。

沖縄道路サービス

www.okinawa-ds.jp

 E58沖縄道にある2つの休憩施設を仕切っている会社。NEXCO西日本の関連会社だが、西日本高速道路リテール社とはまた別に独立している。これとは別に「西日本高速道路総合サービス沖縄」という、名前が似ている法人もあるが、こちらは料金所・道路点検・ 維持管理などの業務を請け負っている。

いかがでしたか?

 誰が厳しいオーディションを勝ち取って指定管理者となったのかをざっと見てきたが、こう見ると結構、地元企業が多く参戦しているように見える。NEXCO系はそこそこ店舗数を誇るものの、過度に支配しないのは、外部からの参入やJH時代からのノウハウを継承させる意味合いがある。

 一方、利用者が少ない休憩施設では、頻繁に指定管理者が入れ替わったり、もしくは無人化してアンテナショップのように臨時売店として活用する動きもある。また、オートレスト化でセブンイレブンを誘致する動きも見られるなど、かつてのJH時代のようなゴリゴリ閉鎖感は薄れ、ある程度、外部からの入門を広げている様子は窺える。

 まあ、参入条件が異様に厳しいことに変わりなく、脆弱な企業が指定管理者にでもなれば、佐野SAみたいなオチだってあり得るため、この辺は例の一件からオーディションの条件を更に厳しくしているものと予想する。

新たな指定管理者の公募があった時、参入する場合は多数の応募+厳しい審査を経て、1社から選ばれると思っとき。(そらか談)