そらマメさん道路局

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いわゆる「カントリーサイン」は取り扱わない

 高速道路総合技術研究所(NEXCO総研)が発行し、NEXCO3社(東日本・中日本・西日本)共通による技術資料「設計要領 第五集 交通管理施設 標識編」に掲載された、いわゆる「カントリーサイン」と呼ばれるものについて。

 NEXCO各社が定める地点表示は、実にシンプルに「都府県のみ」「市町村のみ」の案内とされている

 地点表示を行う理由としては、いわゆる行政上の手続きにおける諸問題を解消させることが主たる目的である。設計要領の中では、都府県表示は必ず行うとする一方で、市町村に関しては「道路管理者の任意」という扱いになっている。

 E1A新名神のうち、新四日市JCT~亀山西JCTにおいては、地点表示(カントリーサイン)が一切登場しないが、これは単純な話、通過を主体とする高速道路である以上、沿線自治体の紹介よりも、次のインター・次の主要地点までの距離案内の方が最重要だからである「通過がメインである以上、なんでカントリーサインを取り付けないといけないのだ?」というのがNEXCO中日本の考えなので、それはそれで一理ある。

 私は高速道路にカントリーサインは要らないと思っている。さすがに都府県表記は必要だが、市町村に関しては前述の中日本の判断通り、「次のインターまで、どのぐらいの距離があるのか」と「インターから向える別の地点の情報」の方が圧倒的に必要だからだ。従って、今後も絵柄入りカントリーサインの追加・更新はNEXCO3社揃って「ない」し、必要もない。老朽化が進んで可読不能なモノも出てきていることから、速やかに撤去するように。(客観)

 ちなみに、NEXCO3社が規定する地点表示には、下記のような細かいルールがある。

  • 設置場所は実際の境界部を原則とする。ズレ幅は30m以内。
  • 橋梁・トンネルなどで設置が難しい場合は、建造物が終わる所の盛土が望ましい。
  • 設置は複柱+左路肩(立地場所にも左右される)
  • 内部照明なし・反射式。
  • 県境のみ、都府県章を入れてもOK。
  • 市町村標識は、県境よりも小さめに。
  • 市は「City」、町は「Town」、村は「Vill.」
  • 県境部に市町村標識を追加する場合は、県境標識の真下に設置。

 国土交通省・各都府県管理の無料自専道においては、NEXCO線とは異なるルールが存在しているが、それは道路管理者が異なるがゆえに、ご当地色を強めるかどうかを関係機関と話し合って取り付けているためである。短距離完結の地域高規格道路であれば、国道・県道の派生扱いで導入するのは、まあ、アリなのかなとは思うが、NEXCO線にみられる大移動を伴う路線は要らん要らん。