www.mlit.go.jp 高規格道路(高速道路とは言っていない)の整備・運用にあたり、現在は広域移動を伴う「高規格幹線道路」と、それを補充し合う「地域高規格道路」の2区分を、時代に合わせて全て一つの高規格道路として運用する方向で検討が進められている。
高規格幹線道路は国の方針で決まるのに対し、地域高規格道路は自治体の判断をもとに議論を重ね、それを審議会に振るわせて建設するかどうかを決める。前者は明確な国の方向性を決める事案だが、後者は高規格幹線道路へ向かうための補助的なアクセス道路であることから、手続きに難を要するのが課題だった。こうした煩わしさを解消するため、地域高規格道路の整備を高規格幹線道路と同様のノリで手続きを行わせ、新規事業化へのハードルを和らげる。
地域高規格道路は、高規格幹線道路から分岐して各地域にミニ高速を行き渡らせるのが大まかな趣旨であるため、1994年に概念が出てきた当初は全て自動車専用道路(高速道路もどき)で建設・運用する方針となっていた。しかし、その後条件が緩和され、自専道とまで行かなくても、一般道路で快速に走行が出来る路線であれば、それでもいいように変更されたことから、路線によっては道路サービス速度が著しく低く設定されている所もある(高規格幹線道路は時速120~80キロなのに対し、地域高規格道路は時速80~50キロを目標としている)。
そのため、場所によって移動速度にまちまち感がある。たとえば鹿児島県にある南薩縦貫道に関しては、当初は鹿児島市~枕崎市をオール自専道で整備する方針だったものの、鹿児島県の予算や地域人口の現状を察して、既に整備計画を立てた所のみ自専道で運用するほかは、一般道路を改良・バイパス道路で継ぎ接ぎするという謎構造が誕生してしまった。
補助的に連絡し合う路線であっても、見た目が自動車専用道路っぽい形であれば、それは十分に高速道路といえる案件だし、高速道路っぽい作りだからといって、地域高規格道路の区分だから格下のように扱うのも、確かに時代遅れにも程がある。区分を撤廃し、一つの広域ネットワーク整備を進める上で利便性を追求するのであれば、私はその姿勢に賛同したい。