そらマメさん道路局

道路関係と、一部の公共交通の話・郵便局めぐりなどがメイン。

大分県に残る「高・中速車」の標識

 大分県内の日帰り道の駅スタンプラリーを昨日行ったが、その時に中津市本耶馬渓町国道500号で、「高・中速車」の補助標識が入った速度規制標識を確認した。

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腐敗は進んでいるが、可読は可能。

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フェレット)交換すりゃいいのに……?

trafficnews.jp

 以前は車両ごとに「高速車」「中速車」「低速車」と3区分に分かれて速度規制を実施していたが、自動車性能の向上から、1992年11月に法定速度60キロ(軽車両は時速30キロ)に統一化され、区分は廃止されている。「高・中速車」の標識は、その名残

 上述の記事にもある通り、写真家ののがな氏が指摘する「道路標示が残っている所はレアもの」だが、私が訪れた所は、道路標示までは流石に残っていなかった。ただ、標識が今でも根強く残されているのをみると、大分県は道路整備には前向きな一方で、維持管理や交通監視に関してはまちまち感があるのかもしれない。

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周囲の景観から察して、時間が止まってりゃ。。

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ド田舎に高速入口標識。ギャップ萌えを体験するに最適。

ハイウェイラジオ、実質廃止へ

www.e-nexco.co.jp 既存の道路上に設置されたコイルから電波を飛ばす現在のハイウェイラジオを見直し、スマートフォンアプリとして道路情報を配信する仕組みを社会実験として運用するもの。プレスリリースにもある通り、多言語化やリクエスト送信による交通情報の受信、緊急時の割り込み配信などに対応している。

 これ、ゆくゆくは本線上にあるハイウェイラジオを廃止するんだろうなぁ。以前のブログ記事でも書いたが、ハイウェイラジオの設備更新に多大な費用が掛かることや、情報収集の手段が多様化したことで、従来型は時代にそぐわない「レガシーなもの」として認識され始めているんだと思う。

soramameroad.hatenablog.jp そもそもハイラジ自体、最近使ってないので何とも。渋滞に揉まれそうな時間帯は、出来るだけ移動を控えるか、別ルートで行動することを事前に察するに徹するしかないとみている。

北側復旧道路は、中九州道とは一切関係ありません(大嘘)

 2016年の熊本地震阿蘇大橋付近の崩落事故が起きた、国道57号の「現道」を迂回する北側復旧道路。自動車専用道路として整備されており、詳細は他の方の走行記録や、私の走行レポートをご参照戴ければと思う。 soramichi.sakura.ne.jp

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中九州道ではありません。でもパッと見、中九州道と言えるのかもしれません。

 で、この北側復旧道路は中九州道ではないのか?」という意見だが、熊本日日新聞の記事に、こんなのがあった。記事を引用すると、

国交省は当初、「あまりに被害が大きく、現地での復旧は困難」とみて迂回[うかい]ルートを一般道で整備する工事に着手した。その後、崩落現場の斜面対策工事で現道の復旧も可能と分かり、北側ルートは19年夏ごろ、自動車専用道路とする方針が固まった。同省道路局は「現道と機能をすみ分けた。トンネル区間が長いため安全性の確保も狙いだった」と話す。(中略)同省は「北側ルートと横断道は別物」(熊本河川国道事務所)との姿勢を崩していないが、「北側ルートが横断道につながれば熊本が活性化する」(蒲島郁夫知事)とのラブコールは勢いを増している。(引用ここまで)

 とある。

 「いやいや、最初から中九州道として機能するように整備したんでしょ、それ?」というのが私の見解である。それは幻に終わった阿蘇大津道路の調査データが残されており、これを流用した上で国道57号へ直付け出来るように計画を変更した結果、割と早く完成に結び付けることが出来たからである。

(参考資料)

平成21年度 第4回 九州地方整備局 事業評価監視委員会
国道57号(中九州横断道路) 阿蘇大津道路

国土交通省 九州地方整備局 2009年12月3日付)

 整備効果が高いと言われつつも、当時は現在の車帰IC~大津東ICまでのトンネル部分だけしか開通しないということになっており、中途半端な飛び地開通を行うよりも、まずは現道部の国道57号を4車線化すべしという結論に至ったことから、事業休止とした上で「後で考える」という方針だった。で、例の熊本地震が生じた時、このルートをベースに緊急で整備し、どうしても崩落現場の回復が難しければ一部廃道+復旧ルートを一般道路スペックに落す形で回復させよう、という見解が省内であったからと言える。

 ある種、崩落現場をどうにか元に戻すことが出来たからこそ、現道回復(但し、条件付き)+自専道昇格で中九州道整備への「含み」を持たせた形になった。

 どうみても中九州道にしか見えないのだが、国が「いやいや復旧道路ですよ」と言い張る以上、多分、ソレなんだろう。でも、現道が条件付きで元の姿に戻ったのを見ると、復旧道路は追越車線が無いためにどうしてもそこにクルマが集中して身動きが取りづらい。ウンザリして現道を使う人も相応にいることや、来年には国道325号の新・阿蘇大橋も誕生することから、そう遠くない未来に「現道の方が57号・復旧道は中九州道」とすり替える可能性が高いんじゃないかなと思う

ニチレイの自販機

www.nichireifoods.co.jp

 この前の中国道山陽道大回りドライブの際、鹿野SAでニチレイ自販機を利用してみた。冷凍食品をチーン♪するだけのシンプルな軽食メニューで、NEXCO西日本管内では中国道のサービスエリアに多く設置されている。

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ありました!ニチレイの自販機。

 鹿野SAのニチレイ自販機は、夜間時は売店・レストランがクローズドになるため、軽食の代替として自販機コーナーに設けられており、競合する他の軽食ものでは日清食品カップヌードルや、江崎グリコセブンティーンアイスがある。以前はロッテのお菓子もあったような気がしたが、今回の訪問では見つけられなかった。

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鹿野SA上りメニュー

 何にしようかと迷った結果、ハンバーガーセットをチョイス。約2分程度の加熱時間を経て出てきたアツアツのハンバーガーセットを開けて食べてみた。

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いただきます。

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……パンの中はハンバーグか。お腹に来ちゃう!

 ハンバーガーの中身は冷凍ハンバーグと同じで、油がプチューっと出てくる。美味しかったけど、私の身体には微妙だったことや、パンが固い所と柔い所でバラツキがあったので、まあ、たまに食う分にはアリ。次は焼きおにぎり(無難)かなぁ。

日本全国のSA・PAから、食品自販機が消える日

www.hotpepper.jp なぜニワカにニチレイの自販機が話題になっているのかというと、実はニチレイの自販機はそう遠くない未来に撤退することが決まっているため。↑の記事にもある通り、自販機自体の製造は2010年で終了しており、部品交換などの延長サポートも2017年で終了している。自販機の故障・撤去が相次ぎ、食品工場の最小ロットに達しないほどの生産量になった場合は、順次、商品の発売が終了し、生き残ったとしても最後の商品が販売終了になった所で引退宣告となる。

 Twitterやってて流れてきた衝撃の話だが、元々、NEXCO西日本の高速道路でニチレイ自販機をまともに利用したことがないため、そうした製造上の理由で引退を余儀なくされるのも、ある意味、時代の流れなんだなと思う。

 今のうちに高速道路のニチレイ自販機に行った方が理由を挙げるなら、NEXCO各社の自販機は高速道路会社と一般競争入札を行うことになっている。契約期間が過ぎれば、再度、入札を行う必要があるものの、ニチレイ自販機の場合は既に生産を終了する方向になっていることから、再入札・再契約に挑む可能性は、残念ながら皆無に近いと考えた方がいい

 また、NEXCO各社としても、最近は調理を伴う自動販売機の設置を(カップコーヒーものを除いて)極力取りやめる傾向にあり、それと引き換えに飲料水強化やコンビニ誘致(またはETC2.0途中退出猶予サービスの活用)、アイスクリームなどはSA・PAのテイクアウトを行う時間のみ実施するなど、営業方針の見直しに踏み切っている。とすれば、ニチレイに限らず、他のカップめんやアイスクリーム・ガムものなども見直しの対象となり、気が付いたら飲料水ものだらけになっていた、と言うのも割かし現実的と言える

 なので、ニチレイ自販機を含めた「調理ものの自販機」を堪能するなら、今ですよ。今。

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(そらか)いつニチレイ自販機の食品を食べるの?
しまねっこ)今だにゃ!

NEXCO15歳 

 2005年10月1日は旧道路関係四公団の分割・民営化が行われた日となっており、今年でNEXCO各社(旧・日本道路公団)・首都高速道路会社・阪神高速道路会社・JB本四高速は15歳になった

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今日で15歳。

民営化スキームを振り返る

 旧道路関係四公団の分割・民営化は、旧公団の負の側面であった「イタズラに高速道路を建設して不採算路線を増やすこと」が主たる理由である。他には談合事件が相次いだことも理由にあるが、それはワイドショー案件なのでココでは割愛。

 現在でもNEXCO各社のウェブサイトなどでも掲げられているが、高速道路会社の目的は下記を達成させることにあった。

  1. 旧道路関係4公団合計で、約40兆円にのぼる有利子債務を確実に返済すること。
  2. 必要な道路を、会社の自主性を尊重しつつ、早期に、できるだけ少ない国民負担のもとで建設すること。
  3. 民間企業のノウハウを発揮し、多様で弾力的な料金設定を実現し、お客さまに多様なサービスを提供すること。

 実際のところは名ばかりで、「1」に関しては財政投融資をあっさりと復活させて再び借金+税金で高速道路工事(主に4車線拡幅事業・高速道路リニューアル工事)を整備しているし、借金を減らすために国税を投入し、浮いた分でスマートIC増設やETC割引の一時的な補強を行っていたりする。

 「2」に関してはNEXCO各社に価格決定権や道路整備の裁量を与えることは許されていない。全て国土交通省沖縄県は政府)の判断で決まってしまうため、コレは形骸化というよりも、民営化するにあたっての表面的なことを言っておこうの次元だろう。「3」の価格決定も「2」に通じる所がある。

 一方でSA・PAに関しては、トイレ・駐車場・非常電話が国の保有物である以外は高速道路会社の持ち物に切り替わったこともあり、地域性に応じて柔軟なサービス展開が出来るようになった側面は大きい。また、国策でのETC割引を継続する一方で、いわゆる土日祝1,000円高速や無料化実験などの反省を踏まえ、地域限定での周遊割引を実施するなど、違う形での利用促進を沿線自治体と共に模索する機会も出てきた。

 それを踏まえると、確かに高速道路会社になったはいいが、実際のところは「民営化」というよりも「民間に委託している」が実情である。公共財の道路サービスは、同じように民営化の道を辿ったJRグループと違い、全ての国民が平等に利用できるパブリックな視点を持つ必要があるため、利用者を限定できるJRグループと同じ土台に立たせて市場競争を促すのは、いささか無理のある話だろう。

形骸化した "NEXCO憲法" をアップデートさせよう

 そこで、民営化スキーム改め、NEXCO憲法(便宜的説明)を現代社会にアップデートさせる案を提示したい。

第一条 債務返済と有料道路制度の堅持

(改正前)旧道路関係4公団合計で、約40兆円にのぼる有利子債務を確実に返済すること。

(改正後)旧道路関係4公団会計における有利子債務を返済しつつ、日本の全ての国土に行き渡る特殊な道路であることを勘案し、有料道路の恒久化を図る。

 NEXCO各社の本来の役割である債務返済は継続するものの、一方で、高速道路は通常の国道や県道とは違った、超広域移動を実現する特殊な道路であることを勘案する必要がある。

 そのため、原則として高速自動車国道と、一般国道自動車専用道路のうち、重要な幹線であることが確認され、料金収入と一般道路との交通バランスが均等になることが見込まれる路線においては、原則として事実上の永久有料化を実現するように条文を書き換える。安易に「他国は無料、日本は通行料が異常に高すぎる」といった批判は避け、恒久化することで国民理解を得られるように憲法を書き換えることが重要だ。

 なお、新直轄方式で開通した無料の自動車専用道路に関しては、4車線化事業の際に公的資金だけでは建設が困難と判断される場合や、渋滞緩和と並行する一般道路との交通管理の最適化を図ることを自治体が望む場合に限り、審議を経て有料化できる仕組みを憲法に刻む。

(参考文献)

高速無料化が日本を壊す

高速無料化が日本を壊す

  • 作者:上岡 直見
  • 発売日: 2010/02/01
  • メディア: 単行本
 
高速道路無料化 新しい日本のつくり方 (朝日文庫)
 

第二条 必要な道路の整備・維持管理

(改正前)必要な道路を、会社の自主性を尊重しつつ、早期に、できるだけ少ない国民負担のもとで建設すること。

(改正後)必要な道路の判断は、会社に加えて自治体の意思を最大限に尊重し、国土強靱に耐えられる道路の整備と、以前からある路線に対してきめ細かな維持管理を行うこと。

 2011年の東日本大震災や、2012年の笹子トンネル崩落事故、2016年の熊本地震などで高速道路が崩壊する事件が多発したことに加え、特にNEXCO西日本管内では梅雨末期の集中豪雨による被害が毎年のように多発している。

 また、災害時に緊急病院への搬送を行える体制の拡充化や、かゆいところに手が届くような場所(工業地帯・観光地・渋滞が酷い市街地・一般道路で次のインターまでのアクセスが困難な場所など)へのアクセス改善を図る目的から、スマートICを増産してきた経緯もある。

 こうしたことから、建前論として存在している「会社の自主性」は存続させるものの、本来、高速道路が通過している自治体の主張を出来るだけ優先させ、ハード面では高速道路やインターアクセス道路の新設工事を、ソフト面では情報提供の拡充化やETC2.0を活用した道路交通サービスの拡大化を実施するように書き換える。

第三条 高速道路料金

(改正前)民間企業のノウハウを発揮し、多様で弾力的な料金設定を実現し、お客さまに多様なサービスを提供すること。

(改正後)国民負担の在処に関しては、道路は公共財という視点から慎重に料金設定を行いつつ、利用者の利用実態に応じたサービスの提供を図るように随時見直しを図る体制を考慮すること。

 第1条で恒久的有料化の話を言及したが、恒久化をするにあたっては、地域情勢に応じて基本通行料を調整する仕組みを持つ必要がある。

 2014年度からの通行料見直しでは、「普通区間」「大都市近郊区間」「海峡部区間の3系統に分類され、普通区間の一部路線と海峡部区間においては、ETC利用時に出来るだけ高速自動車国道の基本料金に引き下げるように調整が行われた。

www.mlit.go.jp これを継承しつつ、4車線化が必要な地方部に関しては、既に4車線分の敷地を確保していることに加え、地方部の経済事情や利用促進を考慮するため、新たに「特定地方区間」を追加した上で、高速自動車国道の基本料よりも3~4割程度引き下げる。

 以上の基本設定を行いながら、ETC及びETC2.0の義務化を実現するにあたって、利用促進が達成されることが想定されることから、原則として直接的なETC割引は廃止、あるいは縮小する。具体的には、

  • 深夜割引:原則として中型車以上に限定し、かつ、ETCコーポレートカードを登録している物流・運輸業者に絞り込む。
  • 休日割引:割引率を縮小し、終日最大2~1割引に見直すか、後日、割引分に相当する金額を、登録しているETCカードに還元する形式に変更。

 なお、地域活性化の観点から、高速道路会社が実施しているETC周遊割引に関しては、自治体との協力や国土交通省との協議の末、引き続き継続することを許可する。

補足 キャッシュレス社会の実現

(新設)有料道路の利用にあたっては、新型ウイルス感染予防の観点や、新しい生活様式の確立を実現する観点から、ETCによる無線通行を義務化する。

 COVID19にケチつけられた事件が多発したことから、国土交通省内で急遽浮上したETC義務化の話。これをNEXCO憲法に刻むことで、ETC非搭載車に対してハッパかけることや、ETCカード所持が困難なユーザーに対する公助の仕組みを確立させる。

(参考)

www.mlit.go.jpsoramameroad.hatenablog.jp

総評

 いずれも当初の民営化スキームなど最初から建前であることが分かる。一方で、民間委託後に発生した様々な気象問題・交通量増大に対する適切な交通の最適化などを踏まえる上では、見直しの時期に差し掛かっているのは間違いない。

 最近になって、総務省・政府主導で通信料金の引き下げを指示する方針が下されたが、それに合わせて、移動型通信キャリアのNTTドコモが、持ち株会社のNTT本体と合併するニュースが飛び込んできた。表向きには市場競争の強化だが、政府案・総務省の見解としては「電話・通信は国の財産であり、国民の安心を優先する」というユニバーサルサービスを重要視する以上、市場競争の考え方から距離を置き、必要ならば公社方式に戻すことも視野に入れた判断とも見て取れる。

www.nikkei.comwww.itmedia.co.jp 同じ公社だった日本道路公団も、当時は「無駄な高速道路」と称して、道路行政に対するレッテル貼りブームが蔓延していた。民営化後は表面的なサービスは改善されたが、一方では無理したコスト削減や必要性の高い道路を「その時のノリ」で判断してきたことから、至る所で大小さまざまな問題が発生するようになった。

 これを踏まえると、いずれは現在のNEXCO3社体制も国土交通省・政府主体で見直しをする時期が必ず来るだろう。少なくともNEXCO3社は1社体制に切り替えて合併、必要ならば日本道路公団への原点回帰も、あながち非現実的とは言えないだろう。

 15歳のNEXCO誕生日に考えてみた。 

SA・PAの小ネタ(プロローグ) NEXCO西日本管内における、様々な喫煙スペース

www.gov-online.go.jpwww.mhlw.go.jp 上述の政府広報厚生労働省の見解にもある通り、2018年7月に健康増進法の一部改正に伴い、喫煙場所を明確化・分離化する法律が施行された。

 高速道路のサービスエリア・パーキングエリアも例外ではなく、ココ最近ではどの場所にも、必ず喫煙スペースを確保している。日本道路公団時代や初期のNEXCOグループでは、ごく一部のSA・PAに限定する形で喫煙所を設けるに留まっていたため、スモーカーの皆様方には安心して喫煙できる場所の確保と、それに伴うマナー向上の観点からも有り難いものだと考える。

 ただ、喫煙スペースそのものは「人がいる場所と別の場所に設ける」というルールがある程度なので、SA・PAによってその差異が大きく異なっているのも事実。ココでは、様々な喫煙スペースを写真で紹介していきたい。

1)喫煙専用室型

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[E3] 九州道・基山PA下り。公団・初期NEXCOの頃から、喫煙室が存在していた。

 私が独自の喫煙専用室があるのを明確に知っているモノとしては、九州道・基山PA下りの売店ヨコにあった喫煙室だったと思う。部屋の中はタバコの煙まみれで臭いが、天井を含めて空調設備が充実しており、ドアで開閉することで煙が外に漏れないように対策を練っている、正統派の喫煙スペースと言える。

 初期のNEXCO西日本では、明確な喫煙室を設けていたのが数軒程度しかなかったため、基山PA下りは見本例だと思っている。

2)プラスチック壁+ステンレス製型

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[E73] 米子道・大山PAの喫煙スペース。プラスチック+ステンレス製ながらも、空調は整備。

 比較的最近になって見受けられる喫煙スペースで、プラスチックとステンレスの屋根などで作った簡易式。天井や窓がちゃんと整備され、煙が外へ逃げられるように空調設計を施しているのがポイント。

 交通量が相応にあるSA・PAでは、このタイプの喫煙スペースが目立つ。

3)物置型

www.yodomonooki.jp

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[E2A] 中国道・朝倉PA上りにある、ヨドコウ製の喫煙物置。

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[E54] 松江道・加茂岩倉PA下りの喫煙スペース。こちらはメーカーが異なる。

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[E2] 山陽道・富海PA下りにある喫煙スペース。狭いため、雨天時は厳しい。

 交通量が少ない地域では、物置タイプの簡易喫煙スペースで対処していることが多い。この前の中国道ドライブでは、トイレのリニューアル工事を実施したPAの多くで、物置タイプの喫煙スペースを設けていた(よく眺めると、インテリアメーカーのヨドコウとか書いてあったし)。

4)既存道路施設の流用

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[E73] 米子道蒜山高原SA下りの喫煙スペース。前は倉庫だったのだろうか?

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[E34] 長崎道・山浦PA下り。藤棚の真下に喫煙スペースがある。

 喫煙スペースの新設工事を行う前や、絶望的に交通量が少ない場所、あるいはSA・PAの利用がそもそも極度に少ない場所などで見受けられる。喫煙スペースの設置も結構な費用が掛かるため、取りあえず人が集まらなさそうな道路施設(公園・ベンチなど)に喫煙所を設けることで、コストを削減している。

5)野ざらし

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[E2A] 中国道・帝釈峡PA上りにある喫煙スペース。完全に野晒しで対処。

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[E2A] 中国道・鹿野SA上りでは、樹木の真下に喫煙スペースを確保。火の元の原因になりやしないか?

 (4)の派生版で、ちゃんとした喫煙スペースの設置などを全く勘案せずに、取りあえず灰皿だけ置いてるモノ。中国道の閑散区間かつ、トイレのリニューアル工事を行う前の施設で見受けられる。

 この手のタイプは雨天時に喫煙をするのが困難であるため、正式な喫煙スペースを建設するまでの間は暫定的に野晒しで対処しているケースが殆どである。

喫煙スペースを見ること自体が楽しみ

 こんなことをSA・PAレポートに書くのが私の趣味と化しつつあるが、やはり喫煙スペースは健康上の観点から考えると、現代社会には無くてはならないものだと考えさせられる。ただ、その喫煙スペースに関してはSA・PAの利用客数や前後区間の交通量次第で状況が変わってくるため、コスト削減で既存施設を流用しているモノとかみると、SA・PAの利用実態を察することができる。

 私はタバコも酒も一切飲まない「禁煙派」だが、喫煙している人の立場もどことなく分かる。そのため、ココは一つ、高速道路の喫煙スペースを見学してみるのも「ニッチなSA・PAネタ」として、需要開拓に貢献してみたいと思う。余計なお世話でしょうけど。。

本四高速会社線で見かけるチラシ類

 昨日は10年ぶりに瀬戸内しまなみ海道へ出かけてきた。レポート用の写真もしっかり納めたはずだが、後で写真を整理するときに間違ってデータを削除してしまったため、「あちゃー」となってしまった。と言うわけで、E76しまなみ海道走行・SAPA訪問記録は、お預けというとでm(_ _)m

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ごく僅かだが、しまなみを走った時の写真は残ってた。コレは来島海峡SAから撮影したもの。

 代替として、ココではJB線で見かけるチラシ類をご紹介。

本州四国連絡高速道路 SA・PAご案内

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3本のJB線におけるSA・PAガイド。他社線とは別枠扱いになっている。

 JB線における3つの自専道(神戸淡路鳴門道・瀬戸中央道・西瀬戸道)における、サービスエリア・パーキングエリアガイド。有人の休憩施設には必ず頒布されている。

 JBが発足する前の旧・本州四国連絡橋公団時代から、SA・PAを所轄していた財団法人が編集を手がけており、現在でも財団とJB線のSA・PAを所轄するJBハイウェイサービス会社によって編集を続けている。

しまなみ海道 E76西瀬戸自動車道ガイドマップ

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しまなみ海道 E76西瀬戸自動車道ガイドマップ

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しまなみ海道だけに絞った高速道路ガイド。見た目に反して、本州と四国の行き来に時間が掛かる。

 E76西瀬戸道(しまなみ海道)の有人SA・PAにのみ頒布されており、文字通り、しまなみ海道の高速道路地図・SAPA情報を記したもの。

 しまなみ海道は開通時期や離島の地形から、ハーフICで整備されている場所が多く、他2本の神戸淡路鳴門道・瀬戸中央道と比較しても、基本的には島民が別の島に移動する時に使う生活道路としての側面が強いことから、吊り橋以外では対面通行になっていることが多く、交通量も大して多くない。しかし、休日はETC割引で半額程度まで値下げすることや、しまなみ海道の吊り橋・斜張橋に並行するサイクリングロードを中心に自転車客が倍増するため、流れが著しく悪くなりやすく、状況次第ではやや長めの渋滞が起きることもある。

 離島を橋で結ぶという特徴的な構造上、別の島に移っても「さっき走ったよ、そこは」という風景にも陥りやすく、見た目に反して本州と四国の行き来には時間が掛かる。

 この地図はそうした地味に厄介なしまなみ海道の行き来をアシストするための資料として、参考にしたいものである。