そらマメさん道路局

道路関係と、一部の公共交通の話・郵便局めぐりなどがメイン。

九州島の県道番号に対する法則

 九州7県の県道番号は、一定の法則があるものや認定された順番通りに並んでいるだけだったりと、結構バラツキがある。主観ながら、傾向をまとめてみた。

福岡県

  • 主要地方道(福岡県認定):1~100・151
  • 主要地方道北九州市):徳力葛原線(市道
  • 一般県道(隣接越境):101~150
  • 一般県道(北九州・京築):201~400
  • 一般県道(筑豊):401~500
  • 一般県道(福岡都市圏):501~700
  • 一般県道(筑後):701~806

 他の九州各県と異なり、福岡県道は1~100と特例で設けられた151・徳力葛原線の2路線が主要道、101~150は一部を除いて別の県に跨がる路線、201以降は地域ブロック単位で路線を構成している。

 現状の法則になったのは1973年頃とされており、それ以前は地域性など全く度外視な番号をしていたという。筑前筑後豊前という3つの旧国を構成し、後に人工的に開発された筑豊エリアも含めて4ブロック体制になっており、地域性を重視して出来るだけ同一番号系統で納めることで、行政上の手続きなどを簡略化している様子が窺える。

 実際には1973年以降に主要道→国道昇格や、県道→主要道鞍替えなどで空番が出ているため、初期の路線は幾つか消滅している。

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主要道であっても、政令指定都市の福岡・北九州は、それぞれの自治体が管理。

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主要地方道も、概ね70~100・151号は後発組(旧・一般県道)。

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遠賀町にある県道285号。北九州・京築地方にあるから200号台。

 路線番号の組み方は素晴らしいが、肝心の県道標識は地域差が極端に激しい。積極的に設置してドライバーに理解を促している県土整備事務所もあれば、「何でそげなことせんといかんとか!」みたいに無関心状態の所まで、実に様々。

佐賀県

  • 主要地方道:1~54
  • 一般県道(隣接越境):101~146
  • 一般県道(県内完結):201~350・401

  佐賀県の場合、福岡県・長崎県と隣接している路線に限り、隣県の番号と共通化するように調整されているが、他は「路線認定が古い順」に並んでいる。国道の払い下げによる降格も含め、300号台は平成になった後で誕生した後発組の傾向にある。

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一般県道の番号が若いほど、昔から存在。

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標識は実在しないが、264号・334号というモノもある。 ←な佐関無w

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佐賀を抜けて隣県。フランシュシュは見捨てない。

 福岡県と異なり、佐賀県は県道標識やキロポストの設置が比較的厳格。特に佐賀南部の場合、県道と市町道の区別が付かない箇所が結構あるため、佐賀県管理区間との区別をハッキリさせることで行政のトラブル回避に努めているものとみられる。逆に、それほど重要でない路線では標識類がないか、かなりテキトーな所もある。

大分県

  • 主要地方道:1~56
  • 一般県道(隣接越境):101-200
  • 一般県道(県内完結):57・201-800

 大分県の場合も佐賀県と同じ。但し、200号台・300号台・400号台・500号台・600号台・700号台とブロック単位で管理されている。この番号設定は現在とは解釈が異なるものの、概ね、

  • 200号台:主要道とまで行かないが、重要な自治体どうしの短距離連携を示唆(r219佐伯弥生線など)
  • 300号台:後続で誕生した、重要な自治体どうしの短距離連携を示唆(現状はr351のみ)
  • 400号台:やや重要な場所と比較的巨大な自治体を、中長距離で結ぶ(r404糸原杵築線など)
  • 500号台:駅前道路・港道路
  • 600号・700号台:短距離かつ狭い範囲内で完結が見込める、普通の県道。

 といった傾向にある。

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主要地方道の場合、番号が若いほど後発組。

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「600号台は日田・玖珠地域かな?」と勘繰ったら負け。

 大分県の県道標識設置は、福岡県と比較してもほぼ必ずどの路線にも設けられる傾向にある。但し、老朽化による設備交換は路線ごとに差が激しく、昭和時代からそのままというボロ標識も結構数多くあるため、侮れない。

大分県道図鑑・キックオフ

 ゾンビランドサガに触発されて始めた佐賀県道の一覧コーナーだが、このほど大分県道めぐりにも着手。やり方は至ってシンプルで、路線番号標識がある風景を撮影するだけというもの。

 この前は中津市の旧・耶馬渓町にある深耶馬渓へ紅葉見学に出かけたが、その時に撮影したのが主要道・森耶馬渓線の様子。紅葉とマッチしていて、コレはベストショットやなぁ(個人の感想)と思った次第。

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もう少し寒くなれば、深耶馬渓の紅葉はより色付く。今月半ばがピークかな?

 佐賀県は福岡の隣だから、大分県だって同じノリでやれるんじゃない?(適当)」という軽い気持ちで始まったが、果たして主要道制覇は出来るのだろうか。佐賀と違って、大分は平地が少ない分、攻略は結構ハードだと思う。

彦山駅の駅舎解体

soramameroad.hatenablog.jp 上記の続報。6月中旬に訪問した時は、彦山駅の駅舎は全て解体されていた。旧・線路内には立ち入ることが出来ず、旧・駅舎時代にあった券売機などは、隣にある添田町が整備した待合室で対応している。

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駅舎が解体され、更地同然の状態に。かすかに旧駅舎時代の備品が残されていた。

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かさ上げホームはJRの手で解体し、バス専用道出入口用の通路に作り替える。

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添田町が整備した休憩所。この部分が実質的な新駅舎の代替になる。

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自動券売機やレトロ郵便ポストも、専用道開業までは一時的に避難。

 専用道は2023年度の開業を目指すとしている。存続で大もめした時のこと、覚えている県民の皆さん方はどれだけいるだろうか……。

NEXCO各社のラインカラー ●○

 JRや私鉄などの鉄道事業者では、サインシステム向上の観点から、駅ナンバリングとは別にラインカラーを独自に定めている。NEXCO各社はどうかというと、積極的に採用されているのはNEXCO中日本。今日は、このお話をしましょう。

NEXCO中日本

 元々は大規模工事を実施する際、適当にラインカラーを定めたのがきっかけだが、その後は「路線を象徴する色」として、高速道路ナンバリングとは別に積極的に採用する傾向が強くなった

 実際、NEXCO中日本の広報でも、初期に策定された路線は特に深い意味はなく、後発で登場した路線案内では、沿線地域において何かしらの特徴を持った色使いを考慮することを示唆している。

路線別ラインカラー

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E1東名。NEXCO中日本の公式見解は「ずっと前から使っていたから」。

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E1名神。当初は「日本初の高速道路を象徴」と考えていたが、単にNEXCO中日本の思いつきのようだ。

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E19・E20中央道も、特に設定した具体的理由はない様子。

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後発で登場したE8北陸道の場合は、金沢のベンガラ色の街並みをイメージしている。

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2021年10月地点で判明しているラインカラー一覧

 基本的なラインカラーは上述の通り。途中でナンバリングが変化する中央道の場合は「明るめの赤紫」をベースにしつつ、岡谷JCTでラインカラーの配置を反転させるように工夫している。

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工事CMでは色の配置が同じでも、パンフレットでは、このような形で色を反転させる。

 興味深いのは「別系統の路線と乗り継ぎをする場合、当該路線は混色にする」という傾向にあることと、路線軸ごとにラインカラーに明暗が付けられているところ。東名軸は海沿いを通ることから明るめの色が多い一方で、中央道では深めの色を多用、北陸道は原則2パターンのみとシンプル、中日本高速の本社がある名古屋都市圏はバリエーションが豊富に揃う所だろう。

NEXCO東日本

soramameroad.hatenablog.jp↑を参照。

NEXCO西日本

 中日本・東日本とは対照的に、NEXCO西日本では特に明確なラインカラーは定まっていない。各工事箇所ごとにまちまちであり、チラシや工事CMなどでも地域支社ごとに異なるデザインになる。例外的に八日市ICで接続する他社線相手に、名神高速だけは緑色を指定することもあるが、基本的にはコーポレートカラーの「青」で共通化されていると考えた方が良いだろう

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原則として「青」で統一。

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工事予告のチラシも、中日本・東日本と異なり、地域によってかなりバラツキがある。

なぜラインカラーを策定するのが効果的なのか?

 早い話、高速道路ナンバリングに加えて路線別に異なる色を設けることで、どの路線を選択すれば迷わず目的地に到達できるか?ということである。鉄道・バスの場合は百花繚乱の状態になっているが、元々は行き先番号だけでは分からない公共交通機関にとってみれば、色分けすることで更に目的地に到達しやすくなるため。

 高速道路会社や国土交通省などが定めた道路名は、土地勘に弱い人にしてみたら「何のことやら?」となる。中には紛らわしい営業路線名(例:日本海東北道と東北中央道)も混在することから、遠方客や外国人観光客の視点で考えれば、高速道路ナンバリング+高速道路ラインカラーで案内した方が明確性に優れるのは言うまでもない。

 そうした意味で、NEXCO中日本がいち早く導入した高速道路ラインカラーは、ある種、先見の明があったと言える。

まとめ

 NEXCO中日本管内の場合、ラインカラーが未確定なのは中部縦貫道の有料区間である「安房峠道路」ぐらいなもの。これも大規模工事や延伸に伴って、ラインカラーが策定されるとみられる。また、NEXCO東日本管内も、網の目のように整備された首都圏の高速道路を中心に、中日本と共有する路線を除いて、独自のラインカラーを次々に設定していくものとみている。

 一方、NEXCO西日本は微妙。正直、4つの地域支社ごとに対応がバラバラだし、そもそも地域間における一体感があるように見えないため、今後もまちまちな状況が続いていくものと見ている。もっとも、地域ごとに対応が異なるというのは、別の視点で言えば独自性を尊重している高速道路会社であるとも言えるため、みんな違ってソレでよいという方針なのだろう。

 

初版:2019年11月26日

サインシステム計画学: 公共空間と記号の体系

サインシステム計画学: 公共空間と記号の体系

 

みちみらい

 京阪神地域のサービスエリア・パーキングエリアでは、「みちみらい」というカタログが配布されている。タイトルからして何かしらの工事でも行っているんじゃないかと勘繰る人もいるだろう。それもそのはず、これは西日本高速道路関西支社・新名神大津事務所が担当する、建設報告を兼ねた広報誌である。

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近況報告を兼ねた新名神の建設状況は、このカタログで。

 新名神大津事務所は、滋賀県京都府の一部を結ぶ大津JCT~八幡京田辺JCT・ICの建設に加え、大津JCT甲賀土山IC(他社線接続)の6車線化工事を担当している。前者は何となく分かるとして、後者は2008年の草津・大津JCT~亀山・四日市方面の開通から10年以上が経過し、交通量の増大でギスギスした流れを解消させることが主たる理由。

 カタログをババッと確認したが、大津~八幡京田辺に関しては、一部で高架橋やトンネルの穴掘り作業が順調に進んでいる程度で、まだまだ一本化の兆しは見えない。高速道路機構との協定に基づく完成時期は2023年度(2023年に開通するとは言っていない)なので、進捗状況を勘案するあたり、2023年冬~2024年3月末頃の開通が有力視だろう。

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建設区間の最新情報が分かる。それなりに進んではいるが、まだ「一つの道路」にまでは至っていない。

 一方の大津JCT~亀山・四日市方面における3車線化に関しては、一部箇所で完成している部分もあるが、着手から1年程度しか経過していないため、拡幅完了は2~3年程度掛かる。実際にこの前のドライブでも、幅員減少区間を中心に3車線化工事が行われており、まあ、まだ先の話という程度で様子見する程度でいいと思う。

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拡幅は気ままに待ちましょう。

 新名神を往復してみたが、一部を除いて完走できたのは嬉しかったし、他社線区間も含めて近畿・中部地方の大動脈を肌で味わえたのは感無量。名神と違ってかなりスピードが出やすく、滑らかな線形で快速運転が出来のは評価高い。一方で、通過主体でも片側2車線では流れが悪くなる場面も多々あり、特に大型車が集中して走行している時などは圧迫感を覚えることもしばしばあった。それに何と言っても、大津JCTで強制的に名神に誘導されてしまうため、京滋バイパスで分散できるとは言え、完全な直通化をお願いしたいところ。

 新名神が全線開通した後、再びお会いしましょう。

 新名神高速道路レポートはコチラです(ステマ)↓

fuwafuwaame.sakura.ne.jp

芦田愛菜さんの等身大パネル

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(イコ太)そんなに見ないで、恥ずかしか(/////)

 中国道リニューアル工事の実施に伴い、京阪神(播磨地方などを除く)の主要サービスエリアでは、芦田愛菜さんの等身大パネルがあちこちに飾られていた。……そんなに見られると、照れるなぁ(ノ´∀`*)

阿蘇山公園道路

 九州の観光スポットで常に上位ランクインする場所といえば、熊本県阿蘇山(草千里・大観峰阿蘇高原を含む)が挙げられる。

 中岳火口へ向かう場合、麓の有料駐車場からシャトルバスを使って移動する場合と、阿蘇山公園有料道路を使っててっぺんを目指す場合などがある(少し体力に自信がある人は、麓の駐車場から徒歩で登山してみるのもいいかもしれない)。ココでは阿蘇山公園有料道路(+α)の話を紹介

領収書

www.city.aso.kumamoto.jp

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公園使用料を払うと、感熱式レシートが発券される。

【おねだん】

  • 自転車:無料
  • 自動二輪(単車):200円
  • 軽自動車:600円
  • 普通車:800円
  • マイクロバス:2,500円
  • 中型車(乗り合いバス):3,000円

 有料道路ではあるものの、扱いとしてはNEXCO西日本などが管理する「道路法に基づく一般有料道路」と異なり、阿蘇市が管理する阿蘇山公園の使用料を支払う形になっている(自然公園法を典拠)。昭和時代~平成中期までは、九州各県の至るところに有料道路が存在したが、現在は大幅に縮小。道路法を典拠としない阿蘇山公園有料道路は、現在でも環境保護などを名目に通行料を徴収し続けている。

 かつては阿蘇山中岳へ通じる部分(現在の熊本県道111号・298号)も、日本道路公団が整備し、熊本県企業局によって維持管理を行う有料道路だった。後に無料開放され、中岳近くまでは無料で接近することが可能になった。

 おねだんは上記の通り。「マイクロバス」といった概念が存在するあたり、どことなく一般自動車道(民間経営の有料道路)の雰囲気を醸し出している。

中岳火口までの道程

 特に強い火山ガスが出ていなければ、入口通路から入って料金所で公園使用料を支払う。その後は中岳まで延々と上り坂が続くが、事あるたびに噴火する阿蘇山のことなので、アスファルト舗装はあまり良くなく、必要最低限の範囲で維持管理が行われていることが分かる。

 また、この部分は自転車も普通に通行するため、タイミングが合わないと避けるのが難しい。

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料金所。現金決済のみで、1ブースしかない。

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自転車も通るので細心の注意を払う必要あり。正直、走りづらい。

 中岳火口付近まで到達すると駐車場があるので、ガードマンの指示に基づいて空いてるスペースに駐車し、最後は徒歩で向かう。

中岳観光

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平常時の火口。地球が生きてる証拠。

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もしも大爆発を起こしたら、取りあえず避難壕へ。助かる保証はあんまりない。

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中岳周辺はゴツゴツした岩肌だらけ。麓になると草原が生えている。

注意点

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阿蘇山見学は「マスク着用義務」「ソーシャルディスタンス」「ぜんそく持ちNG」を厳守。

 中岳を含めた阿蘇山一帯は強い火山性ガスが常に出ているため、気管支炎(ぜんそく持ち)の人は入場が禁止されている。そうでなくても事あるたびに咳き込むため、阿蘇山見学にはマスク着用が必須。

余談

www.nishinippon.co.jp

 かつては九州産交グループが経営する阿蘇山ロープウェイが存在したが、2016年の熊本地震や、その後に発生した大噴火で壊滅的被害を受けてしまい、復旧を目指すにも多額の費用や火山噴火に伴うリスクが大きいという理由から、そのまま廃止となった。

 そのため、現在ではくまモンラッピングのシャトルバスを使って行き来するように変更され、旧・ロープウェイの痕跡は無くなっている。あるとしても、被災前まで存在した購買施設が残る程度。これも時代の流れなのだろう。私は昔、ロープウェイを使って行き来した記憶があるが、写真はない。

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ロープウェイ時代に存在した「阿蘇山ドライブイン」は、登山後のお買い物に打って付けだった。
現在はシャトルバス発着場に設けられた購買施設が、その後継を担っている。