日田彦山線BRTの開業から1年が経過し、さすがに開業したての頃と比べればブームも落ち着いているだろうと思い、秋の乗り放題パスを活用してBRTに乗車してみた。……次は普通の乗車券で乗ろうね(汗) 同路線に関しては、事前にBRT駅(バス停)めぐりを済ませておいたため、後は実際に乗車することと、バス専用道区間の走行記録をまとめることを理由に計画を立てていた。
乗車
久留米駅を7時40分発の気動車で久大本線へ。列車に揺られながら長閑な筑後平野を眺めつつ、8時32分に夜明駅に到着。
当初はそのまま日田駅まで向かい、日田駅で接続する9時35分発のバスで添田を目指そうとしたが、夜明駅だと8時38分発のバスに乗車できると知ったので、急遽、予定を変えて夜明で下車。接続時間は6分程度だが、乗り換え中に例のBYD-J6がタイミングよくやってきたので、ラッキー。
今回のお相手はBYD-J6(黄色デザイン)。電気自動車で動く小型のものだが、移動中はホントに電気で動いているのかと思うくらいに本当に静か。座席は17席しかないものの、通学時間帯を過ぎているのもあり、夜明駅での乗り換え客3人だけと、余裕で座れた。
一般道は規制速度に基づいて移動するが、専用道区間は時速60キロぐらいで移動する上、一般道特有の障壁がほぼない。そのため、専用道に入った後は一旦停止箇所を除き、一般道よりも若干スピードを上げつつ、周辺の山々をバスから展望できるような運転も加わって、とても満足した。
最終的には添田町側でも客が数人乗車し、9時47分頃に添田駅に着いた時には約10人ほど着席していた。定員が23人のバスであることを考えると、まあまあ妥当なラインだろう。なお、添田→日田の後続バスに関しては、ウォーキングイベントからの帰り客等も含め、かなりの客が待機していたように思う。
個人的な感想
BRT導入前は沿線自治体揃って猛反対の大合唱だったが、いざ、BRT方式で開業すると評判が高く、地元民も積極的に利用するなど、蓋を開ければ意外と便利なように見えた。もちろん、自動車交通が主体の土地柄なので、これ以上、乗車人数を増やすのは困難ではあるものの、外部から添田・東峰村・日田の観光目的でBRTで移動という観点から見れば、廃線後の第二の活路として十分に存続意義を果たしていると思う。
接続時間に関しては、添田駅は対面乗り換えが可能な構造上、約15分程度(例:バスは9時47分着 / 列車は10時2分発)と多めに見ているのに対し、夜明駅は僅か6分、日田駅は約40分前後と結構バラツキがある。
夜明駅の場合は例のバリアフリーを度外視した階段をシームレスに行き来できない客にとって、当駅での乗り換えは難しい。かといって、日田駅で乗り換えとなると待機時間が長すぎて暇だ。観光主体(BRT道中と、日田駅周辺での観光散策を主体としたダイヤ)と、もっぱら時短理由に移動をメインとしたダイヤとで、土日祝日と平日で異なるダイヤを組んでもいいかなと思う。
あと、使用されているBYD・J6は、全席に充電コンセントがあるため、途中下車せずに添田⇔日田をずっと乗りっぱなし移動する時はかなり便利。スマートフォンの充電が切れそうな時に重宝する。これを鉄道区間にも採用すればな~。
美祢線にBRTを導入してみたら?
災害が原因で運休し続けているJR西日本の美祢線も、沿線自治体が鉄道方式での復活を強く主張しているのに対し、JR西日本は超消極的で一触即発の状態が続いている。
日田彦山線BRTも、バス専用道方式での輸送に切り替える話が出たときは猛反対の大合唱だったが、最後まで抵抗していた東峰村側も、県議会の介入などで説得に応じ、どうにか導入にこぎ着けている。「必ずしも鉄道じゃなくていい、ちゃんと瀬戸内側と日本海側を、可能な限り定時で移動できる交通手段を確保できれば、それで」と考えるのであれば、沿線自治体やその住人達の後押しも重なって奇跡的に復活した日田彦山線BRTを見習ってもいいんじゃないかな~思うけど、どうなんでしょうね。